百貨店で販売のうなぎ弁当などで130人食中毒の症状 1人死亡

今月24日の土用の丑(うし)の日に横浜市の京急百貨店に入るうなぎ店で、弁当などを購入した客130人が下痢やおう吐などの症状を訴え、保健所は集団食中毒が発生したとしてこの店を29日から営業禁止処分にしました。症状を訴えた人のうち90代の女性1人が亡くなっていて、保健所が詳しく調べています。

集団食中毒が発生したのは、横浜市港南区の京急百貨店の食品売り場にある「日本橋鰻伊勢定」です。

横浜市保健所によりますと、今月24日の土用の丑の日に、この店でうなぎの弁当や総菜を購入した客から下痢やおう吐などの訴えが保健所やデパートに相次いで寄せられ、29日午前までに130人に上っています。

ほとんどの人が軽症で快方に向かっていますが、90代の女性1人が亡くなったということで、保健所で詳しく調べています。

保健所は検査の結果などから黄色ブドウ球菌による集団食中毒が発生したとして、この販売店と、デパート内にある同じ伊勢定のレストランを、29日から営業禁止処分にしました。

この店のマニュアルでは、弁当の製造でうなぎを焼くスタッフ以外は手袋をつけることになっていましたが、当日は盛りつけ担当のスタッフが手袋をつけずに作業していたということです。

黄色ブドウ球菌は化のうした傷口などに多くいる細菌で、保健所は手や指に傷がある人は食品に直接触れないよう呼びかけています。

京急百貨店 金子社長「心からおわび」

京急百貨店の金子新司社長は29日午後6時から横浜市内で会見を開き、「亡くなられました方のご冥福を心からお祈り申し上げるとともに、体調不良になったお客様にお見舞い申し上げます。多大なご心配とご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げます。保健所の調査に協力し、再発防止の取り組みを徹底します」と謝罪しました。

伊勢定 富田取締役「深く反省」

伊勢定の富田宗一郎取締役は29日午後6時から横浜市内で会見を開き、「弊社が販売した弁当で被害者が出たことについておわびします。安全第一で作ったつもりだったが、こういう事態になり深く反省しています。亡くなられた方に本当に申し訳なく思っています」と謝罪しました。

伊勢定のHP “昭和21年創業 純国産うなぎのみ使用”

伊勢定のホームページには、昭和21年に東京 日本橋で創業し、餌から管理した純国産のうなぎのみを使用していると記載されています。

東京 日本橋にある本店を含めて都内に4つ、横浜市と千葉市にそれぞれ1つずつの店舗があるということです。