【14日詳細】ガザ 食料待つ住民6人がイスラエル軍発砲で死亡

イスラエル軍の軍事作戦で人道状況が深刻化するガザ地区では、13日にも、北部で食料を待っていた住民6人がイスラエル軍に発砲され死亡したと地元メディアが伝えるなど、人道支援物資を待つ人の犠牲が相次いでいます。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間3月14日の動きを随時更新してお伝えします

ガザ地区 人道支援物資を待つ人の犠牲相次ぐ

パレスチナの地元メディアは、食料不足が特に深刻な北部のガザ市で13日夜、食料などの物資の搬入を待っていた住民にイスラエル軍が発砲し、少なくとも6人が死亡、80人以上がけがをしたと伝えました。

現地の保健当局はガザ市では2月29日にも、食料を待っていた住民が、イスラエル軍の攻撃を受け、100人以上が死亡したとしています。

ガザ地区では人道支援物資を待つ人の犠牲が相次いでいますが、戦闘の影響やイスラエル軍による検問の影響で北部への陸路での食料などの搬入は困難な状況が続いています。アメリカやヨルダンなどが輸送機からパラシュートを使って食料を投下していますが、状況の改善にはいたっていません。

EU・米など支援物資搬入で会議「追加の検問所開放を」

EUやアメリカ、キプロスなどは13日、ガザ地区への人道支援物資の搬入について話し合う会議を開きました。会議のあとに発表された共同声明では、海上輸送や上空からの投下を進めていくとしています。

ただ、トラックでの陸路による搬入に代わるものはないとしていて「イスラエルが追加の検問所を開放する必要性を強調する」と、イスラエル側に支援を拡大するための対応を求めました。

国連機関施設に攻撃 少なくとも5人死亡

イスラエル軍は連日、ラファへの空爆を行っています。

地元メディアは13日、ラファにあるUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の倉庫に攻撃があり、少なくとも5人が死亡し、けが人も出ていると伝えました。

これについてUNRWAは声明で、少なくとも職員1人が死亡し、22人がけがをしたと明らかにし、「われわれは毎日、ガザ地区の施設の位置情報を共有している」として、イスラエル側を批判しました。

また、国連のデュジャリック報道官は、13日、「戦闘が始まって以降、UNRWAの職員や施設は前例のない数の被害を受けている」と述べ、ガザ地区でこれまでに165人のUNRWAの職員が犠牲になっていると懸念を示しました。

イスラエル首相府によりますと、ネタニヤフ首相は13日、オランダのルッテ首相と会談し、ハマスの壊滅を目指して強行する構えを見せている南部ラファへの地上作戦は不可欠なものだと強調したということです。

ガザ地区の保健当局 “死者3万1272人に”

ガザ地区の保健当局は13日、過去24時間に88人が死亡し、これまでの死者が3万1272人にのぼったとしています。

一方で、ガザ地区北部ではイスラエル軍による検問などで物資の搬入が難しい状況が続き、深刻な食料不足となっています。現地の保健当局は北部では27人の子どもが栄養失調のため死亡したとして、ガザ地区北部に乳児用の粉ミルクを搬入するよう訴えています。

米ブリンケン国務長官「地上作戦行うなら民間人保護の計画を」

アメリカのブリンケン国務長官は13日、記者会見で、ガザ地区でUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の施設への攻撃が報じられたことについて、「イスラエル軍が調査していると聞いており、その結果を注視したい。ただ、イスラエル政府や軍には人道支援の従事者が仕事ができるよう、可能なかぎりのことを行う責務がある」と述べました。

また、イスラエルのネタニヤフ首相がガザ地区南部のラファへの地上作戦を行う考えを示していることについて、ブリンケン長官は「イスラエルには地上作戦を行うのであれば、ラファに避難する多くの民間人を保護する計画がなければならないと伝えている。まだ計画は示されていない」と述べ、民間人の保護を優先すべきだとする考えを改めて強調しました。