北朝鮮国営の朝鮮中央テレビはキム・ジョンウン総書記が軍の創設記念日となった8日、娘とともに国防省を訪れ、演説したと9日、映像とともに伝えました。
このなかで、キム総書記は韓国について、敵対国とみなす政策に転換したとしたうえで、「吸収統一を夢みる韓国かいらいとの対話や協力に力を使わなければならなかった束縛を解いた」として、南北の対話は必要ないという考えを示しました。
そして、「有事に韓国の領土を占領、平定することを国是としたことは、将来の平和のため、極めて妥当な措置だ」と述べ、平和統一の対象でなく、軍事力の行使も辞さない方針を強調しました。
キム総書記は先月、今後、憲法を改正して、自国の主権が及ぶ領域を明確に規定するよう指示していて、今回の演説では韓国との境界線について、「国境線」という表現を使いました。
北朝鮮は韓国への攻撃で使うとされる巡航ミサイルを今月2日までの10日間で4回と、異例の頻度で発射し、軍事的な挑発を繰り返す中、軍の士気が高まる記念日に改めて対決姿勢を鮮明にした形です。
北朝鮮 キム総書記が演説 “有事に韓国の領土占領が国是”
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は軍の記念日に合わせて演説し、「有事に韓国の領土を占領するのが国是だ」と述べ、韓国について、平和統一の対象ではなく、敵対国とみなす政策のもと、軍事力の行使も辞さない方針を強調しました。