岸田派 当時の会計責任者立件へ パーティー収入3000万円不記載

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、岸田総理大臣が会長を務めていた岸田派でも、2020年までの3年間で、派閥が実際に集めたおよそ3000万円のパーティー収入を派閥の政治資金収支報告書に記載していなかったとして、東京地検特捜部が岸田派の当時の会計責任者を、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で立件する方向で検討していることが関係者への取材で新たにわかりました。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐっては、おととしまでの5年間で、安倍派「清和政策研究会」が6億円超、二階派「志帥会」が2億円を超えるパーティー収入を派閥の政治資金収支報告書に記載していなかった疑いがあり、東京地検特捜部は安倍派と二階派の会計責任者を政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で在宅起訴する方向で捜査を進めています。

特捜部は、安倍派や二階派だけではなく、岸田派「宏池政策研究会」についても捜査を進めてきましたが、岸田派でも、2018年から2020年までの3年間で、派閥が実際に集めたおよそ3000万円のパーティー収入を派閥の収支報告書に記載していなかったとして、特捜部が岸田派の当時の会計責任者を政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で立件する方向で検討していることが関係者への取材で新たにわかりました。

岸田派も所属議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分の収入を議員側にキックバックしていましたが、その分は派閥側の収支報告書に収入や支出として記載していたとみられています。

関係者によりますと、岸田派の当時の会計責任者は特捜部の任意の事情聴取に対し、パーティー収入の一部を収支報告書に記載していなかったことを認めているということです。

岸田総理大臣は2012年から派閥の会長を務めていましたが、去年12月、より中立的な立場で国民の信頼回復に努めたいとして、岸田派を離脱しています。

特捜部は自民党の派閥をめぐる一連の問題について詰めの捜査を進めているものとみられます。