石川 輪島の歴史的建造物 曹洞宗「総持寺祖院」にも被害

今回の地震では、石川県の能登地方にある歴史的な建造物にも被害が出ました。

輪島市門前町にある曹洞宗の「総持寺祖院」は、国の登録有形文化財となっている17の歴史的な建造物すべてに被害が確認されています。

このうち、正面に立つ山門から続く回廊は全体にわたって、基礎部分から大きく倒壊し、原形をとどめていません。

また、歴代の高僧をまつる大祖堂は門が外れ、壊れていました。

国の登録有形文化財のほかにも、僧侶が修行を行う僧堂では瓦が落ちるなど屋根が激しく損傷しているほか、境内では、石畳がめくれ上がったり、灯籠が倒れたりする被害が広い範囲に及んでいます。

寺は、専門家を呼んで被害の状況を詳しく調査したうえで、今後について検討していくとしています。

2007年に発生した能登半島地震でも被災した総持寺祖院は、3年前の2021年に耐震工事や修復を終えたばかりでした。

寺の総務などを担う副監院の高島弘成さんは「14年間、苦労を重ねてようやく形になったというところでまた被害が出てしまいました。『耐震化したのになぜ』と思うところもありますし、ことばになりません。今は復興のことは考えられませんが、やるべきことを一つ一つやるしかありません」と話していました。