自民 「政治刷新本部」設置決定 首相“最優先課題で取り組む”

自民党は派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、再発防止策などを検討するため、「政治刷新本部」の設置を決めました。岸田総理大臣は最優先の課題として、党を挙げて国民の信頼回復に取り組む考えを強調しました。

自民党は10日、岸田総理大臣も出席して、党本部で臨時の総務会を開きました。

冒頭、岸田総理大臣は自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について、「政策集団の政治資金、ひいては自民党の政治資金に対して、大変厳しい目と疑念の目が注がれている」と述べました。

そのうえで、新たに「政治刷新本部」を設置し、再発防止策や政治資金の透明性の拡大、派閥のあり方に関わるルール作りなどの議論を深め、国民の信頼回復を図る考えを示しました。

そして、「みずからが変わらなければ信頼を回復することができない。その原点に立ち戻って、党を挙げて最大、最優先の課題として取り組んでいきたい」と強調しました。

このあと、総務会は「政治刷新本部」の設置を決めました。

岸田総理大臣を本部長とし、最高顧問には麻生副総裁と菅前総理大臣の2人をあて、茂木幹事長ら党執行部も入り、実務は木原幹事長代理が担います。

また、中堅・若手の議員もメンバーに加え、党内の幅広い意見を議論に反映させる方針です。

本部は11日に初会合を開き、今月中に中間的な取りまとめを行うことにしています。

自民 森山総務会長「派閥が果たすべき役割 当然議論に」

自民党の森山総務会長は記者会見で、「国民の信頼を取り戻すために何をすべきかということが中心的な議論になるのではないか。派閥に対して批判があることも承知しており、派閥が果たすべき役割については当然、議論になると思う」と述べました。

自民 石破元幹事長「全議員が参加する形で議論を」

自民党の石破元幹事長は記者団に対し、「全議員が参加する形で真剣な議論が行われることを期待したい。自民党は『国民の思いを何より大事にする政党だ』と国民に納得してもらえることがいちばん大事だ」と述べました。

また、派閥のあり方については、「党では果たしえない政策や選挙の支援などを派閥が補完してきた面はあり、『全部だめだ』ということにはならない。ただ、派閥がポストと金を配分する基盤になるなら国民の意識とはかけ離れる」と指摘しました。

立民 野田元首相「岸田首相が先頭に立つ政治改革信用できず」

立憲民主党の野田元総理大臣はラジオ局「TOKYO FM」の番組、「馬淵・渡辺のビジトピ!」の収録で、「岸田総理大臣は『先頭に立つ』と言っているが、総理大臣になっても派閥を離脱せず、大規模なパーティーを開催して、いちばん真後ろにいた。その人が先頭に立つ政治改革は信用できない。派閥を肯定的に認める人たちは『政策集団』と言うが『金策集団』ではないか。お金集めのために便宜を図りあう集団としか思えない」と批判しました。

そのうえで、「立憲民主党が企業・団体献金や政治資金パーティーをやめることなどを盛り込んだ、抜本的な政治資金規正法の改正案を打ち出せれば、ほかの野党も賛同してくれるだろう。迫力をもって自民党に迫る動きにしたい」と述べました。

社民 福島党首「『自民党は刷新しない』宣言に見える」

社民党の福島党首は記者会見で、「今まで派閥政治をやってきた人たちに『刷新』と言われても、派閥の解体や企業・団体献金の廃止ができるのか。メンバーを見ただけで、『自民党は刷新しない、変わらない』という宣言に見える。これを『政治刷新本部』としてつくる岸田総理大臣は、すさまじく、ずれているのではないか」と述べました。