アメリカの大学内では、イスラエルとハマスの軍事衝突以降、差別や偏見に基づく事件などが相次ぎましたが、一部の大学は学生の「表現の自由」に配慮する必要もあるという立場を示してきました。
こうした中、先月5日には、アメリカ議会下院でこの問題について公聴会が開かれ、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ペンシルベニア大学の3つの大学の学長が証言しました。
この際、学長らは差別的な行為は許されないと強調しつつも、個別のケースが学内のルールに違反しているかどうかは明言を避けました。
これに対してユダヤ系の人たちから「差別的な反ユダヤ主義を明確に否定しなかった」などと批判が高まり、ペンシルベニア大学の学長は辞任に追い込まれました。
ハーバード大学のゲイ学長の辞任はこれに続くものです。
ゲイ学長は、ハーバード大学で黒人として初めての学長として去年7月に就任したばかりでした。
地元メディアは、ゲイ学長には過去の論文の盗用疑惑も持ち上がり、辞任を求める声が高まっていたと伝えているほか、大学に多額の寄付をしているユダヤ系の人たちから支持を失ったのが辞任につながったと伝えています。
ハーバード大の学長も辞任 ユダヤ系の人々からの批判高まりで
アメリカの名門、ハーバード大学のゲイ学長は2日、声明を出し、辞任すると表明しました。