スロバキア議会選挙 ウクライナ支援停止訴えた党ら政権発足へ

ヨーロッパ中部スロバキアの議会選挙で、ウクライナへの軍事支援の停止などを訴え第1党となった政党が、3党による連立政権を発足させる見通しとなりました。新政権が、実際に支援の停止に踏み切ればヨーロッパの結束の乱れにつながるという懸念もあり、動向が注目されています。

先月末にウクライナの隣国、スロバキアで行われた議会選挙では、ウクライナへの軍事支援の停止やロシアへの制裁に反対を訴えた、フィツォ元首相率いる左派の野党「方向・社会民主主義」が第1党となり、連立政権の発足に向けた協議を進めてきました。

フィツォ氏率いる党は11日、3位となった中道左派の政党などあわせて3党で政権を発足させる文書を交わしたと発表しました。

それによりますと首相はフィツォ氏の党から選ぶとしていて、フィツォ氏が首相に返り咲く可能性が出てきました。

また、連立政権の目標は国民の生活水準の向上とする一方で、外交政策は詳しく説明されておらず、フィツォ氏が主張した軍事支援の停止などについては言及していません。

今後、発足する新政権が実際に軍事支援の停止に踏み切れば、ウクライナを支えてきたEU=ヨーロッパ連合の結束の乱れにつながるという懸念もあり、その動向が注目されています。