尾身氏 政府「新型インフルエンザ等対策推進会議」 議長退任へ

政府の「新型インフルエンザ等対策推進会議」の議長を務め、新型コロナの感染対策の推進にあたってきた尾身茂氏が会議体制の見直しに伴って、退任する見通しとなりました。

政府は、感染症対策を一元的に担う司令塔となる新たな組織「内閣感染症危機管理統括庁」が来月1日に発足するのにあわせて、専門家などをメンバーとする「新型インフルエンザ等対策推進会議」の体制も見直すことにしています。

複数の政府関係者によりますと、この見直しに伴って、会議の議長を務めてきた尾身茂氏が退任する見通しになりました。

この会議のもとに置かれた新型コロナの対策を検討する「分科会」も廃止される見通しです。

尾身氏はこれまで分科会の会長も務め、国内で新型コロナの感染が拡大して以降、政府の対応の助言にあたるなど、感染症対策の推進に尽力してきました。

尾身「役目を終えたと感じている」

退任する見通しになったことについて尾身茂氏は「しばらく前に退任について話があった。私自身、2009年の新型インフルエンザから新型コロナウイルスの対応まで取り組んできたが、新型コロナも5類に移行され、役目を終えたと感じている。国民に大変な思いをさせた新型コロナにこれだけ深く関わってきたので次のパンデミックに備えて私の立場からこれまでのことを検証し、記録に残そうと考えている」と話していました。