ロシアの国営テレビは日本時間の24日午後4時ごろからプーチン大統領の演説を放送しました。
プーチン大統領「われわれが直面しているのは裏切りだ」
ロシアの治安当局は、民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏が反乱を呼びかけた疑いがあるとして捜査に着手しました。
これについてロシアのプーチン大統領は24日、緊急にテレビ演説を行い「われわれが直面しているのは裏切りだ」と述べ、ロシア軍に断固たる措置をとるよう指示したことを明らかにしました。
プーチン大統領の演説の動画を掲載しています。
【動画は5分32秒。データ放送ではご覧になれません】
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「団結を分裂させる行動 戦友への背信だ」
この中でプーチン大統領は、民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏が反乱を呼びかけた疑いをめぐり「われわれの団結を分裂させる行動は前線で戦っている戦友への背信であり、わが国と国民に対する裏切りだ」と述べ、強く非難しました。
「内部の裏切りも含め あらゆる脅威から国民と国家を守る」
そして第1次世界大戦のさなか、国内の陰謀や政治的な駆け引きによって当時のロシアが内戦に直面したと指摘した上で「われわれはこのようなことが再び起きることを許さない。内部の裏切りも含め、あらゆる脅威から国民と国家を守る」と強調しました。
「われわれが直面しているのは裏切りだ 処罰避けられない」
その上で「われわれが直面しているのは裏切りだ。行き過ぎた野心と利己主義が反逆を招いた。いかなる内乱も国家に対する致命的な脅威だ。そのような脅威から祖国を守るための行動は厳しいものになるだろう。裏切りの道を歩んだ者や反乱を準備した者、どう喝やテロの手法をとった者にはすべて処罰が避けられない」と述べ、ロシア軍に断固たる措置をとるよう指示したことを明らかにしました。
「犯罪行為に加担しないことを強く求める」
その一方で、ワグネルの戦闘員を念頭に「この犯罪に巻き込まれようとしている人々が致命的で悲劇的な過ちを犯さぬよう、唯一の正しい選択を、つまり犯罪行為に加担しないことを強く求める」と述べ、反乱に加わらないよう呼びかけました。
ロストフめぐり「断固とした措置 しかし依然として困難な状況」
プリゴジン氏が支配下に置いたと主張するロシア軍の軍事施設がある南部ロストフ州の中心都市について「ロストフ・ナ・ドヌーの状況を安定させるために断固とした措置が取られるだろう。しかし、依然として困難な状況が続いている」と述べ、厳しい状況にあるという認識を示しました。
ワグネルの代表プリゴジン氏はSNSに映像を公開し、ロシア南部ロストフ州のロシア軍の南部軍管区司令部に入ったとして現地時間の24日午前7時半、日本時間の24日午後1時半「飛行場を含む軍事施設はわれわれの支配下にある」と主張するなど緊張が高まっています。
プリゴジン氏はウクライナへの軍事侵攻をめぐってロシア国防省との確執を深め、23日にはワグネルの部隊がロシア軍に攻撃されたとSNSで主張し、報復を示唆していました。
これに対し、ロシア治安機関のFSB=連邦保安庁はプリゴジン氏が武装して反乱を呼びかけた疑いがあるとして捜査に着手しています。
プーチン大統領の演説が放送されたあと、ロシア西部のボロネジ州の知事は日本時間の24日午後6時前、SNSで「ボロネジ州の領土での対テロ作戦の一環として、ロシア軍は必要な軍事作戦を行っている」と明らかにしました。
ボロネジ州はプリゴジン氏が支配下に置いたと主張するロシア軍の軍事施設がある南部ロストフ州に隣接していて、ロシア軍と、ボロネジ州に移動したワグネルの部隊との間で何らかの戦闘が始まっているとみられます。