ウクライナからロシアに連れ去られた子ども“うそ伝えられた”

ウクライナへの軍事侵攻をめぐっては、多くの子どもたちがロシア側に連れ去られているとみられています。
ウクライナに戻った子どもたちが8日、記者会見し、両親は再会を望んでいないなどと、ロシア側からうその情報を伝えられていたと証言しました。

子どもたちの帰還を支援する人権団体「セーブ・ウクライナ」などが8日に開いた記者会見で、3月にウクライナに戻った子どもたちが、自身の経験を証言しました。

ロイター通信によりますと、証言したのは、ロシアが「サマーキャンプ」と呼ぶ場所に最長で6か月間滞在させられていたという3人の子どもたちです。

“親に拒絶され 必要とされていない”

このうち、南部ヘルソン州出身のビタリー君は、「僕たちは毎日、『親に拒絶され、必要とされていない』と聞かされていた」と話し、両親が再会を望んでいないなどと、ロシア側からうその情報を伝えられていたと証言しました。

“動物のように扱われた”

そのうえで、「僕たちは動物のように扱われ、別々の建物に閉じ込められていた」と当時の状況を話しました。

「セーブ・ウクライナ」のクレバ代表は、子どもたちの話から、ロシア側が子どもたちを親と引き合わせようとした形跡はないと非難しました。

この問題をめぐって、ICC=国際刑事裁判所は3月、占領地域からの子どもたちの移送について、プーチン大統領など2人に戦争犯罪の疑いで逮捕状を出しています。