「火に油注ぐな」中国外相 欧米をけん制 ウクライナ侵攻1年で

中国の秦剛外相はロシアによる軍事侵攻開始からまもなく1年となるウクライナ情勢をめぐって、「関係国が火に油を注ぐことをやめるよう求める」と述べ、ウクライナに軍事支援を続けるアメリカなどをけん制しました。

中国の秦剛外相は21日、北京で開催されたフォーラムで講演しました。

国営の中国中央テレビによりますと、この中で秦外相は、ロシアによる軍事侵攻開始からまもなく1年となるウクライナ情勢をめぐって「中国は紛争が絶えず激化し、制御不能に陥っていることを深く憂慮している」と強調しました。

そのうえで「われわれは関係国が火に油を注ぐことや中国に責任を転嫁することをやめるよう求める」と述べ、ウクライナに軍事支援を続けるアメリカやヨーロッパ各国をけん制しました。

アメリカのブリンケン国務長官が訪問先のドイツで、中国で外交を統括する王毅政治局委員と会談した際に、中国がロシアへの軍事支援を検討しているという懸念が高まっているとしてけん制したことについて、中国外務省の報道官は20日の記者会見で「ウクライナの戦場に絶えず武器を提供し続けているのは中国でなくアメリカであり、中国に命令する資格はない」と強く反発していました。