NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は30日、ウクライナのゼレンスキー大統領がNATOへの加盟を申請する方針を表明したことについて、「ヨーロッパのすべての民主主義国には、NATOへの加盟を申請する権利があり、加盟国はその権利を尊重する。新規加盟についての決定には、加盟30か国すべての同意がなくてはならない」と述べました。
また、「われわれの今の焦点は、ロシアと戦うウクライナを今、どう支援するかにある」と述べ、ウクライナへの支援を継続する方針を強調しました。
ゼレンスキー大統領 NATOへ加盟申請する方針を表明
ウクライナのゼレンスキー大統領は、NATO=北大西洋条約機構への加盟を申請する方針を表明し、ロシアのプーチン政権がウクライナの4つの州の併合に踏み切ったことに強く反発するとともに、対抗していく姿勢を鮮明にしました。
ウクライナ政府は9月30日、ゼレンスキー大統領が議長を務める国家安全保障・国防会議を開き、ロシアが、ウクライナの東部や南部の4つの州の併合に踏み切ったことを受けた対応を協議しました。
その後、ゼレンスキー大統領は声明を発表し、NATOへの加盟を申請する方針を決めたことを明らかにしました。
声明では、「ウクライナとNATOの加盟国は互いに信頼していて、支援し合っている。すでに事実上の同盟関係にある」としたうえで、NATOへの加盟申請は、この関係を法的なものにするためだと説明しています。
そして、ことし5月に加盟を申請した北欧のフィンランドやスウェーデンと同じように手続きを始めたいとしていますが、「加盟のためには、全ての加盟国の支持が必要だということを理解している」としています。
一方、プーチン大統領が演説で、ウクライナ側に対して交渉に応じるようよびかけたことに関連して「対話の用意はあるものの、今の大統領では不可能であり別の大統領と行う」としてプーチン政権への強い不信感を示しました。
ゼレンスキー大統領としては、NATOへの加盟を申請する方針を示すことで、領土の併合に踏み切ったロシアに強く反発するとともに、対抗していく姿勢を鮮明にしました。