新型コロナで自宅療養中の女性死亡 死後3日か 千葉 柏

千葉県柏市で新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養していた60代の女性が死後およそ3日たって発見されたことがわかりました。
当初、女性は軽症で夫と同居していたため、保健所は優先度を下げて対応したとしていますが、夫は屋外で倒れて会話ができない状態で病院に搬送されていたということです。

死亡したのは柏市に住む60代の女性です。

柏市保健所によりますと、女性は発熱などの症状が出たため医療機関を受診し、8月10日に陽性と判明しましたが、軽症と診断され、60代の夫が同居している自宅で療養していたということです。

その後、保健所が健康観察のため女性の携帯電話に3回にわたって連絡したもののつながらず、8月17日に訪問したところ、死亡しているのが見つかったということです。

これまでの調べで、死後3日ほど経過していたとみられています。

一方、同居していた夫は、その3日前の14日の夕方に、屋外でけがをして倒れているのが見つかり、救急搬送されたあと、新型コロナへの感染が確認されました。

ただ、会話はできない状態で、名前などが書かれたものも持っていなかったため、身元不明者として入院していたということです。

柏市保健所は、保健所の業務がひっ迫していた時期だったうえ、女性が軽症で夫と同居中だったため、優先度を下げて対応していたと説明しています。

今回の事案を受けて、今後は電話で連絡がつかない場合は、消防隊員が訪問して確認するよう対応を見直したということです。

自宅療養中の20代男性も死亡

また千葉県は、新型コロナウイルスに感染し、1人暮らしの自宅で療養していた、20代の男性が死亡したと発表しました。

千葉県によりますと、県内で1人暮らしをしていた20代の男性は、今月中旬に40度の発熱があって医療機関を受診し、16日にPCR検査で陽性と判明しました。

翌日の17日、医師が電話で男性に検査結果を伝え、症状を聞き取りましたが、体調に大きな変化はなく、基礎疾患もなかったため「入院の必要がない」として自宅での療養と判断したということです。

しかし18日になって、別居している家族から「本人と連絡が取れない」と消防に通報があり、救急隊が自宅を訪れたところ、男性が死亡しているのが見つかりました。

死因は新型コロナによる肺炎の疑いだということです。

県によりますと、自宅療養者には保健所が連絡を取って症状や基礎疾患の有無などを確認し、血液中の酸素の値を計るパルスオキシメーターが配付されますが、この男性は感染の確認から死亡までの期間が短く、保健所から最初の連絡ができていなかったということです。

これについて千葉県疾病対策課は「当時は特に感染者数が急増し、保健所の業務がひっ迫している最中で、この男性の場合は軽症で重症化のリスクも低かったことから、優先度を下げて対応していた。今後は感染者と速やかに連絡を取れるよう努めていきたい」としています。