立憲民主党の枝野代表は、会派の参議院議員総会で「新型コロナウイルスの感染拡大は大変深刻な状況になっている。本当に年を越せない人たちがたくさん出そうな中、国会を休むということは、到底考えられない」と述べました。
一方で、枝野氏は「桜を見る会」の前日夜の懇親会をめぐる問題について、「安倍前総理大臣が、国会で繰り返しうそをついてきたことについて、捜査の状況をしっかりと見据えながら、早ければ年内からでもしっかり議論させてもらう」と述べました。
野党4党 国会の会期延長申し入れも否決 事実上閉会へ
国会の会期末を5日に控え、立憲民主党など野党4党は、新型コロナウイルス対策の議論などを続ける必要があるとして、会期を延長するよう衆議院議長に申し入れましたが、議院運営委員会で採決が行われた結果、自民・公明両党などの反対多数で否決されました。
立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党の野党4党の国会対策委員長は、国会の会期末を5日に控え、国会内で大島衆議院議長と会談し、新型コロナウイルス対策の議論や、「桜を見る会」の前日夜の懇親会をめぐり、安倍前総理大臣を国会に招致して話を聞く必要があるとして、会期を今月28日まで23日間延長するよう申し入れました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「感染拡大が続き、特に大阪などは医療崩壊が懸念される危機的な状況にある。また、不祥事や疑惑の実態解明も必要で、あすで国会を閉じることは納得できない」と述べました。
これに対し、自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「予算編成の作業、特に今年度の第3次補正予算案の対応を急ぐことが極めて大事だ。コロナ禍で不安な面もあるので、閉会中の委員会の開催は野党の意見もしっかり聞いて、真摯(しんし)に対応したい」と述べました。
そして、正午に開かれた衆議院議院運営委員会で、採決が行われた結果、申し入れは、自民・公明両党と日本維新の会の反対多数で否決されました。
国会は、参議院本会議で、日本とイギリスのEPA=経済連携協定の承認を求める議案などが可決され、今の国会に政府が提出した法案や議案は、すべて成立・承認となる見込みです。
菅総理大臣にとって初めての本格的な論戦の舞台となった今の国会は、4日で事実上、閉会します。
立民 枝野代表「国会を休むのは到底考えられない」
公明 山口代表「重要な法案が実を結んだ」
公明党の山口代表は、党の両院議員総会で、「菅政権の発足後、初めての国会ということで注目されたが、菅総理大臣が、2050年にカーボンニュートラルを目指すと宣言したことは画期的だった。短い会期で、改正予防接種法など重要な法案が実を結んだことを喜びたい。与党の務めは成立した法律などを実行に移すことであり、予算や税制に反映させるため、政府と協議を尽くし最終的な合意に結び付けたい」と述べました。