「次亜塩素酸水」現時点では有効性は確認されず NITEが公表

「次亜塩素酸水」現時点では有効性は確認されず NITEが公表
NITE=製品評価技術基盤機構は、新型コロナウイルスの消毒目的で利用が広がっている「次亜塩素酸水」について、現時点では有効性は確認されていないとする中間結果を公表しました。専門家は、噴霧での使用は安全性について科学的な根拠が示されていないなどとして、注意を呼びかけています。
NITEなどはアルコール消毒液に代わる新型コロナウイルスの消毒方法の検証を進めていて、29日「次亜塩素酸水」についての中間結果を公表しました。

検証では、2つの研究機関で酸性度や塩素の濃度が異なる次亜塩素酸水が新型コロナウイルスの消毒に有効かどうかを試験しました。

その結果、一部にウイルスの感染力が弱まったとみられるデータもありましたが、十分な効果がみられないデータもあるなどばらつきが大きく有効性は確認できなかったということです。今後、塩素濃度を高くした場合などについて検証を続けるということです。

またNITEでは、次亜塩素酸水は噴霧することで空間除菌ができるとして販売されるケースが少なくないことについて、人体への安全性を評価する科学的な方法が確立していないことや、国際的にも消毒液の噴霧は推奨されていないことなどを紹介する文書を合わせて公表しました。

議論に関わった専門家は「加湿器などで噴霧した場合に塩素を吸い込むことの安全性はまだ科学的な根拠が示されていない。手や指の消毒に使うスプレーボトルなども含めて現時点では新型コロナウイルス対策として使うのは控えてほしい」と話しています。

一方、「次亜塩素酸水」として販売されている製品の中には、新型コロナウイルス対策とは別の用途で手指消毒への使用が認められているものがあるということです。

※最新の取材内容に基づいて、記事を一部更新しました。(6月4日)