円相場 1ドル101円台に 3年4か月ぶりの水準

円相場 1ドル101円台に 3年4か月ぶりの水準
9日の東京外国為替市場は、ドルを売って円を買う動きが加速し、円相場は先週末より3円以上値上がりして、およそ3年4か月ぶりに1ドル101円台まで円高ドル安が進みました。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界経済に深刻な影響が及ぶのではないかという懸念から、比較的安全な資産とされる円を買う動きが急速に広がっています。
円高ドル安が加速したのは、新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済をけん引してきたアメリカをはじめ、各国の経済に深刻な影響が及ぶのではないかという懸念が強まっているためです。

市場関係者は「アメリカ各地で非常事態宣言が出されるなど、新型コロナウイルスの感染が世界に広がり、世界経済への影響に対する懸念が一段と強まっている。これに加えて、産油国の協議が決裂し、原油価格が急落していることも投資家の慎重な姿勢を強めている」と話しています。

財務相「緊張感をもってこの為替を見ている」

麻生副総理兼財務大臣は参議院予算委員会の集中審議で、「各国の財務大臣と中央銀行総裁は足元の為替市場に神経質な動きが出ているということは重々知っているが、緊張感をもってこの為替を見ているということだ。これからどうするというようなことを言える立場にはない」と述べました。

そのうえで麻生副総理は「今の段階で、金融でやれる範囲というのはかなり限られたものになってきているので、財政を出動すべきであり、国によっていろいろと事情は違うが、各国が少なくともまとまっていかないと世界経済に影響する。金融だけでなく、財政も含めて対応していかなければならない」と述べました。

日商三村会頭「冷静に状況を見て」

日本商工会議所の三村会頭は記者団に対し「非常に驚いている。日本経済にとって101円まで円高になること自体、少し苦しい。新型コロナウイルスがアメリカで広がったことによる、ドルのろうばい売りだと思う」と述べました。

そのうえで三村会頭は「円高・株安の要因として、最も大きいのは何とも言えない不安感であり、構造的に続くとは思えない。冷静に状況を見て、パニックに陥らないことが必要だ」と述べました。