全国交通系ICカード廃止撤回要望 市長「協議を深めたい」

路線バスや熊本市電で全国交通系ICカードの利用が廃止されることについて、市民団体などから撤回を求める要望が相次いでいます。
これについて熊本市の大西市長は「ご意見を真摯(しんし)に受け止め交通事業者などとさらに協議を深めたい」と述べました。

熊本県内で路線バスや鉄道を運行する5つの事業者と熊本市電はシステム更新にかかる費用負担が大きいなどとして、全国交通系ICカードの廃止を打ち出しています。

これについて利用者の意見を聞かないまま廃止ありきの議論が進んでいるなどとして、これまでに市民団体やNPO法人から撤回を求める要望が相次いでいます。

要望のなかでは国や県にシステムの更新にかかる費用の補助や利用者の意見を聞く機会を設けることなどを求めています。

これについて、大西市長は定例の記者会見で「ご意見を真摯に受け止めたい。より丁寧に市民の意見を聞きながら進める必要がある。よりよい方向になるように交通事業者などとさらに協議を深めたい」と述べました。

その上で、全国交通系ICに代わって導入される予定のクレジットカードによるタッチ決済について、「キャンペーンを行うなどして多くの方々に体感していただく機会が必要だ。利便性が低下することがないよう新たなアイデアも考えていかなければと思う」と話していました。