大阪 岸和田市長が継続の意向 市議会は市長の出席を拒否

女性との性的関係をめぐる裁判で和解し、大阪維新の会を離党した大阪・岸和田市の永野耕平市長は9日、市議会で「誠実な仕事で市民に尽くしたい」と述べ、市長を続ける意向を示しました。
一方、市議会は市長に対して今月の議会に出席しないよう申し入れ、午後からは市長が欠席して議案の説明が行われました。

岸和田市の永野市長は、女性との性的関係をめぐる裁判で市長が謝罪をして、500万円の解決金を支払うことで和解し、先週、記者団の取材に対し「不倫の関係にあり、極めて不適切だった」とする認識を示していました。
これについて8日、所属する大阪維新の会は「できる範囲で説明が尽くされた」などとして離党を勧告し、市長は、離党しました。
永野市長は9日午前の市議会で「2019年から1年半ほど、女性と交際関係にあった。性加害や女性の権利を侵害することはなかった」などと述べたうえで、「不貞行為について心からおわび申し上げる」と謝罪しました。
また、複数の議員が辞職すべきだと指摘したのに対し「不貞行為を許せないという市民もいると思うので、誠実な仕事で市民に尽くしたい」と述べ、市長を続ける意向を示しました。
これに対して市議会は「市長が説明責任を果たしているとは判断できず、提案された議案について市長と質疑をすることは難しい」として、全会派一致で今月の議会や委員会に出席しないよう求め、烏野隆生 議長が直接、市長に申し入れました。
市長はこれに応じて午後からの本会議は欠席し、副市長が議案を説明するなどしていて、市によりますと、こうした対応は異例だということです。
岸和田市議会の烏野隆生 議長は「今後、不信任案の提出や問責決議など議会としての意思表示をしていきたい」と話していました。
永野市長は「通常は私が出席してご説明するところですので、戸惑いも感じています」とコメントしています。

【吉村代表“進退は市長が判断”】
大阪維新の会の吉村代表は大阪府庁で記者団の取材に対し、岸和田市の永野市長を離党勧告の処分としたことについて、「女性の主張が事実であれば除名処分に相当すると思うが、双方の主張が違う中で裁判上の和解が成立していて、事実関係を認定できない部分がある。ただ、市長の行為は党の信用を毀損するものであることは間違いないと思うし、仲間としてはもうやっていけないという判断だ」と述べました。
また、永野市長が続投する意向を示したことについては、「真実は市長自身にしかわからないということになる。進退については、市長が決めることだ」と述べました。