人間の生き様や人生そのものをテーマとする本来の川柳になりにくく、ともすると、単なる交通安全の標語になってしまいやすい「交通安全」というテーマですが、今年の入賞句はコメントを読んで頂ければわかるようになかなか含蓄の深い句が選ばれました。自動運転や、衝突防止センサーなど車にまつわる技術も日進月歩、またAIのような最先端技術も交通安全のために取り込まれる日も近いようですが、悲しい事故のニュースはなかなか根絶できないのもまた現実です。当面はまだまだ事故を避けるためには、運転者、同乗者、あるいは歩行者も含め各々が注意して、他者を思いやる心を持ち、お互いを信頼し合うことが大事であると、応募されたどの句もが訴えているようで、この「交通安全川柳コンテスト」の意義は、川柳を考えるひとときそのことを思い出すところにあるように思えました。 |
クローバーの花言葉は「私を思って(think of me)」というのですが、まさに運転中お互いのことを思い合って、みんなが幸せなクローバーまで成長できれば良いなと言う願いがこの句に込められているようです。四つ葉のクローバーが見つかるのは一万枚に一枚くらいと言われているようですが、お互いを思いやることで、みなさんには全員四つ葉のクローバーが見つかります、とこの句は訴えているように思いました。
「一隅を照らす」と言う言葉があり、「お金や財宝は国の宝ではなく、家庭や職場など、自分自身が置かれたその場所で、精一杯努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、何物にも代え難い貴い国の宝である。」という意味なのです。ここではそれが反射板だというのが、なんともおかしいですが、その反射板がまた人間の在り方を示すひとつの例えになっているように思えてきて、何とも言えない味わいのある川柳になっています。
高齢者のアクセル踏み違いなどの痛ましい事故が起る度に法律で強制的に免許返納させるようにすればいいじゃないかと思う人も少なくないようですが、免許がなければ仕事もできない、病院にも行けない、そうも行かない事情があることも理解されていて、なかなか簡単にいかないもどかしさを皆さんが感じています。だからこそ持ち出された「引き際の美学」なのですが、「美学」でもどうにもならないこともまた承知の上のことなのです。
応募期間:2017年4月6日~5月6日
応募総数:26,707句
作品選定:一般社団法人 全日本川柳協会、一般社団法人 東京指定自動車教習所協会
なお、『交通安全 川柳コンテスト』作品の著作権は、一般社団法人 東京指定自動車教習所協会に帰属いたします。
また、応募者、受賞者の個人情報及び選考の経過等は公表できませんのでご了承ください。
7月21日(金)、第8回「交通安全」川柳コンテストの授賞式を開催いたしました。
お忙しい中ご列席いただきました受賞者の皆様には、改めて御礼申し上げます。
このたびは、第8回「交通安全」川柳コンテストへ、大変多くのご参加をいただきありがとうございました。
私ども東京指定自動車教習所協会は、教習所業界が運転者教育に携わる者として「安全で快適な交通社会の実現」に役立つ活動をしていることを、広く世間にPRすることが大切であると考えております。
そこで「春の全国交通安全運動」では、広く都民・国民の方々が参加できるイベントを開催しようということで、このコンテストが企画されました。
本コンテストは今年で第8回となります。団体のご応募は42団体7,455句以上、総数では26,707句となり、過去最高のご応募をいただきました。
応募いただいた句は、いずれもが、交通安全に深い関心を寄せられているものばかりで、素晴らしいものでした。関係者一同、感謝の念に堪えません。
指定自動車教習所は初心者教育機関として、また、地域の交通安全教育センターとして社会の交通安全に貢献していくため、今後とも努力してまいります。
これからも何卒よろしくお願い申し上げます。
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