韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は5日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府国家安保室長をトップに、徐薫(ソ・フン)国家情報院長ら「特使団」を北朝鮮に派遣。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に、文大統領の親書を手渡し、米朝対話の意向を確認できるかが焦点だ。異例の閣僚級2人の派遣は、ドナルド・トランプ米政権による「北朝鮮の非核化」に向けた決意に脅えていることの裏返しといえる。有事に備えた、米軍と中国人民解放軍の動きとは。ジャーナリストの加賀孝英氏の独走リポート。
まず、最新情報を報告したい。米情報当局関係者から入手したものだ。
「ジェームズ・マティス米国防長官は2月初旬、『北朝鮮への、あらゆる軍事作戦の準備に入れ!』との極秘指令を出した。米軍はすでに、アジア太平洋地域で『弾薬・ミサイルの備蓄』を完了した。トランプ氏の命令で、戦略爆撃機や原子力潜水艦がいつでも即攻撃に入る。臨戦態勢だ」
「CIAが脱北者などの協力で、北朝鮮内部に反正恩一派をつくることに成功した。正恩氏のそばに一派の人間がいる。米国は、正恩氏の正確な居場所を把握している。経済制裁で朝鮮人民軍全体が飢え、一部幹部らは正恩氏を恨み、クーデターを条件に命乞いを始めた。正恩氏は護衛を倍にしたが、狂乱状態になっている」
中国の情報もある。米国の軍事行動を容認しているという。情報はこうだ。
「中国人民解放軍が2月から、中朝国境近くで、米軍の攻撃開始と同時に強行する『北朝鮮進攻作戦』の実戦訓練を行っている。兵士らは、朝鮮語で『ひざまずけ!』『撃つぞ!』などと叫び、核施設などを制圧する演習を繰り返している。北朝鮮に接する遼寧省などに、十万人規模の難民収容所も完成した」