東京都は地震による建物倒壊や火災発生の危険度を、地域ごとに5段階で評価した調査結果を5年ぶりに発表した。総合危険度が高い100地域をみると、荒川・隅田川沿いの木造住宅が密集した下町エリアが多いが、新宿、豊島、中野、杉並区など山の手地域も危険度が急激に悪化している。
調査は町や丁目で区切った都内5177カ所を対象に、地震による「建物倒壊危険度」と「火災危険度」に、「災害時の活動困難度」を加味して総合危険度を算出。順位付けを行い、危険度を1~5段階に分類した。
危険度が最高のランク5は85カ所で、全て23区内。1位の荒川区町屋4丁目をはじめ、荒川や足立、葛飾、墨田、江東区の荒川・隅田川沿いエリアが多い。地盤が弱く、古い木造住宅が多いことや、道路整備の不足などが要因という。
一方、32位の中野区若宮1丁目は2013年の前回調査の223位から急上昇、ランクも4から5に上がった。火災危険度が5、災害時活動困難度が4と高い。
杉並区天沼1丁目は前回の671位から60位に上昇。危険度ランクも3から5へ2段階悪化した。災害時活動困難度が2から5に上がった。
都では、建物の耐震性や不燃化などは一定の進展があったと分析しているが、危険とされた地域の取り組みは急務だ。