少数与党で厳しい政権運営が続く石破茂首相が、立憲民主党や日本維新の会など野党との大連立をちらつかせている。自民党内の「石破おろし」の動きや、「年収の壁」引き上げをめぐる協議が難航している国民民主党を牽制(けんせい)する狙いとみられるが、「増税大連立」につながるとの懸念も出ている。
石破首相は1日に放送された文化放送のラジオ番組で、野党との大連立について「選択肢としてあるだろう」と述べた。立憲民主党の野田佳彦代表と日本維新の会の前原誠司共同代表との関係に触れ「中道政治を目指し、相通じるものがある。長い友人で信頼でき、裏切られたことが一度もない」と語った。
首相は12月29日のTBSの番組では、国民民主党や日本維新の会との政策協議を念頭に「その都度でどれだけ多くの党に賛同してもらえるかであり、連立政権を視野に入れながら運営していくことはない」と述べていた。