埼玉県南部に集住するトルコ系クルド人(トルコ国籍)と、地域住民とのトラブルが深刻化している。男女関係のもつれからクルド人男性が4日、同胞をナイフで複数回切り付けて重傷を負わせ、埼玉県警は殺人未遂容疑で逮捕した。被害者が搬送された川口市医療センターには、双方の親族ら約100人が詰めかけてもみ合いとなり、公務執行妨害容疑で2人が逮捕された。周辺の交通が混乱し、一時、病院機能が止まったという。ジャーナリストの石井孝明氏が緊急寄稿した。
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今回の事件はメディアも伝えたが、トラブルはこれだけではない。治安悪化におびえる地域住民によると、ゴミ捨て、夜の騒音、女性への「ナンパ」行為、危険運転などが発生している。この1年、状況が悪化している。
筆者は直近1カ月、クルド人が数千人集住する川口市、蕨市を何度も取材した。街中でかなり多くの中東系男性が歩いており、日本の他地域と雰囲気が違う。
街中で20歳の解体業で働くクルド人青年に話しかけた。和やかに会話したが、「どのような立場で日本にいるのか?」と聞くと、「政治難民」と言って顔はこわばり、急に黙った。答えたくない理由があるらしい。