北朝鮮は朝鮮労働党創建75年を迎えた10日未明、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長出席の下、平壌(ピョンヤン)の金日成(キム・イルソン)広場で大規模な軍事パレードを実施した。2018年9月の建国70年式典以来約2年ぶりとなるパレードには、過去最大級の大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられる新型兵器も登場した。夜間の開催や、正恩氏が演説で「面目ない」と発言するなど異例の多いパレードとなった。
パレードは10日午前0~2時ごろに行われたとみられる。新型ICBMとみられるミサイルは片側11輪の移動式発射台に載せられ、2017年11月に試射したICBM「火星15」に続いて登場した。全長、直径とも火星15を超える。射程は米全土に届く推定1万3000キロの火星15より伸び、搭載可能な弾頭の重量増加で破壊力を増した可能性もある。ただ、性能は未知数だ。
正恩氏は演説で、敵対勢力の脅威を押さえ込むため、「戦争抑止力を引き続き強化していく」と表明する一方、「誰に向けられたものでもない」と自衛目的を強調した。対米関係にも具体的に言及しなかった。
11日付の韓国紙、中央日報(日本語版)によると、正恩氏は演説中に国民や人民軍へ「ありがとう」「感謝する」という表現を計12回発言し、特に、対北朝鮮経済制裁と新型コロナウイルス、台風と水害による困難を経験していることに対しては「面目ない」と話すなど、低姿勢を見せたという。
韓国大統領府は11日、安保関係の閣僚や高官による国家安全保障会議(NSC)を開催した。「武力衝突や戦争を防ぐための南北間の合意事項が必ず守られなければならない」と強調した。