読めないキラキラネーム終了で書けない「エモい漢字ネーム」が人気

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ベネッセコーポレーション(岡山市)が展開する妊娠・出産・育児ブランド「たまひよ」は、2024年に生まれた赤ちゃんの名前ランキングを発表しました。女の子は「凛(りん)」、男の子は「碧(あお)」がそれぞれ1位となりました。読めないと批判されるキラキラネーム離れの傾向とともに、難解で書きにくい漢字ネームが上位に浮上しました。

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「たまひよ」は2005年から赤ちゃんの名付けに関する調査を行い、「名前ランキング」を発表しています。2024年は、1月1日から9月26日に生まれた新生児26万3885人の名前を調査・集計しました。※( )内は主な読み方

8年連続1位だった「陽葵」が2位に

写真はイメージです
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女の子の1位は、2009年の1位だった「凛」が15年ぶりに返り咲きました。「自分の意思を持ったしっかりした子に」「凛とした女性になってほしい」との願いが込められています。

2023年まで8年連続で1位だった「陽葵」が2位に陥落。 向日葵(ひまわり) や太陽を思わせ、明るく前向きな印象で好まれる名前ですが、読み方が分からないとの指摘もあります。「ひまり」「ひなた」「ひな」などと読ませることが多いそうです。

3位には、昨年と同じく「翠(すい)」がランクインしました。宝石の 翡翠(ひすい) をイメージさせる美しさ、読み方の響きの良さで支持されています。

4位は、昨年7位だった「芽依(めい)」がランクアップ。かわいらしい読み方と、未来への可能性を感じさせる漢字が好まれているそうです。5位には「紬(つむぎ)」、6位に「葵(あおい)」、7位に「杏(あん)」、8位に「結菜(ゆいな)」が入りました。

呼びやすい「一文字ネーム」が男の子に人気

赤ちゃんの名前ランキング2024(「たまひよ」発表)
赤ちゃんの名前ランキング2024(「たまひよ」発表)

男の子は、昨年2位だった「碧」が2年ぶりに1位を獲得。空や海などの広大な自然、宝石のきらめきをイメージさせる漢字に、「あお」「あおい」などの読み方も人気。「おおらかに育ってほしい」「輝いてほしい」との願いが込められているそうです。

2位は、昨年1位だった「蓮(れん)」が入りました。3位には、昨年7位の「凪(なぎ)」がランクアップしました。「 () いだ海のように穏やかに、平和に育ってほしい」との気持ちが込められています。4位に「陽翔(はると)」、5位に「湊(みなと)」が続きました。

女の子9位の「澪(みお)」、男の子7位の「暖(だん)」、10位の「律(りつ)」など、呼びやすい一文字ネームが多くトップ10入りしました。

調査した「たまひよ」によると、2024年はパリオリンピックの影響もあり、国際的に活躍するスポーツ選手にちなんだ名前がランクアップしました。中でも、「藍(らん)」は、男の子の名前で昨年の181位から39位、女の子の名前でも155位から71位に急浮上しました。人気の一文字ネームであるのに加え、男子バレーボールの高橋藍選手の活躍が影響したと考えられます。

名前に使用できる漢字は、義務教育で習う常用漢字のほか、人名用漢字があります。ランキング上位には、「凛」「碧」「蓮」「翠」「湊」「凪」などの人名用漢字が目立ちます。読み方とともに、漢字からイメージされる雰囲気や格好良さを重視する傾向も強く、「読めるけれど書けない」エモい漢字が人気になっています。

名付けを巡っては、2025年5月26日に名前の読み方を「一般的に認められているもの」と定める改正戸籍法が施行されます。キャラクターの名前や外国語などに漢字を当て、読めないと批判されることも多かった「キラキラネーム」に一定の制限がかけられることも、ランキングに影響を与えたようです。

(読売新聞メディア局 鈴木幸大)

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