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カーリングの北京五輪最終予選女子日本代表決定戦(3戦先勝方式)は12日、北海道稚内市のみどりスポーツパークで最終日の2試合が行われ、
リードとセカンドの安定感が際立つ
追い込まれてもぶれなかったロコ・ソラーレの技術は本物だ。負けた2試合を含む全5試合でショットは正確で、リードとセカンドの2人の安定感が際立った。特にセカンドの鈴木は、ドローで狙った場所に石を置いていい形を作るだけでなく、速いショットで危険の芽を摘み、局面を打開した。セカンドで優位に立てば、作戦に幅が広がる。目立たないポジションだが、MVPにふさわしい活躍だった。
対照的に、北海道銀行は王手をかけた第3戦、ミスから崩れた。第4戦は「この試合で決めたい」との気負いがプレーを硬くさせたかもしれない。とはいえ、僅差の戦いで、好ショットの応酬は見応えがあった。北海道銀行は、今までの努力を結果だけで否定しないでほしい。ここまでの道のりを誇りに思ってほしい。カーリング選手として素晴らしい姿勢を、日本中に示してくれたのだから。
今回初めて代表決定戦を外から見て、「五輪は近くて遠いもの」と痛感した。出場できるのは1チームだけ。残酷だ。ロコは北海道銀行だけではなく、五輪を目指した全ての仲間の思いを一投に乗せて五輪切符を取ってほしい。
最終予選は、平昌五輪準優勝の韓国や強豪の英国らと争う。五輪や世界選手権で実績のあるロコにとって、勝って当然と見られる国内より、伸び伸び戦えるはず。笑顔の陰でもがき苦しむ姿を見てきたからこそ、ようやく戻ってきた笑顔をまた見たい。(ソルトレーク、トリノ、ソチ五輪代表)