Version 7.3.0 リリースノート (2024/12/26)


概要

今回のリリースではコマアニメ編集を強化する機能追加の数々、操作性の改善、不具合の修正が多数含まれています。
また高DPI環境への適応により様々な解像度のモニタで視認性が上がっています。
是非アップデートしてお試しください。

目次

  1. 追加機能
    1. ピクセルアート表示モード
    2. セルをドロップして参照セルキーを作成
    3. セルマップ内でセルの原点を変更
    4. セル選択枠のトリミング
    5. 複数セルの原点一括変更
    6. セルの原点を基準に表示
    7. セルの連番リネーム
    8. 子孫パーツの枠を表示
    9. セルの原点を固定したまま位置とサイズを変更
    10. セルの原点をピクセル単位に補正
    11. X/Y座標値の整数化オプション
    12. 表示サイズを維持したままイメージの解像度を変更
    13. その他
  2. 改善
    1. Windows 高DPI 環境に対応
    2. マウスオーバーで参照セルの名前を表示 (フレームコントロール)
    3. Shift キーを押さない範囲選択に対応 (フレームコントロール)
    4. ループ設定をアニメーション毎に記憶 (フレームコントロール)
    5. 移動パス表示でカレントフレームを強調 (レイアウト)
    6. 複数キーへの相対値適用 (レイアウト/フレームコントロール)
    7. パーツカラーのデフォルトカラー指定 (環境設定)
    8. パーツカラーのリセット (パーツカラーの編集)
    9. アニメーションの追加・挿入・変更のステップ削減 (シーケンスエディタ)
    10. セル変更時にズーム率を維持 (セル編集)
    11. GIFの背景チラつき抑制 (レンダリング)
    12. 複数キーの補間変更 (カーブエディタ)
    13. サウンド再生の遅延解消 (サウンドキー/サウンドリストの編集)
    14. セルリストの連動をオプション化
    15. 見つからないセルマップ・イメージの再リンク
    16. 参照イメージのファイル名変更に対応
  3. その他の変更点
  4. 不具合修正

追加機能

ピクセルアート表示モード

固定解像度でラスタライズすることでピクセルアート(ドット絵)の表示をシミュレーションするモードを追加しました。

プロジェクト設定 → ビューポート → 「ピクセルアートをシミュレート」にチェックを入れるとレイアウトとプレビューのアニメーション表示が、指定された解像度でラスタライズされたものを描画するようになります。

ゲームエンジン側で設定された解像度に合わせることでランタイムに近い表示でアニメーションをプレビュー、編集することができます。

セルをドロップして参照セルキーを作成

セルリストからドラッグしたセルをフレームコントロールのチャート上にドロップすると、ドロップしたセルを参照する「参照セル」のキーを作成します。
キーが既存の場合は置き換えます。

複数のセルをドロップすると1フレームおきに参照セルキーを作成します。 

※キーが作れないケース:Animation 側に参照セルのキーを作成できるパーツ種別(通常、マスク)のみが対象となり、これ以外は無視されます。

セルマップ内でセルの原点を変更

セルマップ上で選択セルの原点を十字のマーカーで表示するようにしました。
このマーカーをドラッグすることで原点を移動できます。

マーカーの表示はツールボタン「選択セルの原点を表示」でオン/オフできます。

セル選択枠のトリミング

選択範囲にある透明領域を除外して最小サイズに調整するオプションを追加しました。
ツールバーの「選択範囲を不透明の範囲に補正」を有効にした状態で、範囲選択すると画像のエッジにフィットします。

複数セルの原点一括変更

セルリストで複数のセルを選択した状態で原点を変更すると全てのセルに適用されるようにしました。
十字カーソルのドラッグかピクセル単位で変更した場合、カレントセルで動かしたピクセル数が他のセルに差分として適用されます。

セルの原点を基準に表示

セル編集を表示したまま別のセルに切り替えた時に、原点の表示位置を基準として維持するオプションを追加しました。

環境設定 → UI → その他 → セル編集 → 「セルの変更時に原点の表示位置を固定する」にチェックを入れると以下のような動きになります。

セルの連番リネーム

複数のセルに対して一括でベース名+0001, 0002 といった連番の名前を付ける機能です。

この機能は「セルの自動展開」にも追加されました。
また生成できるセルの最大数を1024から32768に拡張しました。

子孫パーツの枠を表示

レイアウト/セルマップに選択したパーツの「子孫の」パーツの枠も同時に表示するオプションを追加しました。
環境設定 → UI → レイアウト → 「選択パーツの子孫パーツの枠を表示する」にチェックを入れると下記のように表示されます。

レイアウトの表示例

セルマップの表示例

セルの原点を固定したまま位置とサイズを変更

セルマップのツールバーに「原点の座標を維持する」トグルボタンを追加しました。
このボタンが押された状態で、セルの位置やサイズを変更すると、原点の位置が変更前のピクセルを指したままになるよう原点の座標が調整されます。

セルの原点をピクセル単位に補正

原点の設定を1ドット単位に補正するオプションを追加しました。

環境設定 → 編集 → 全般 → 「セルの原点をピクセル単位に補正する」にチェックを入れると有効になります。

オプションの用途
セルのサイズの縦横いずれかが奇数がある場合、原点の値によっては(0,0の中央など)テクセルの座標がピクセルの半端な位置に設定されます。
ドット単位で動かすことを想定したアニメーションである場合、この状況では微妙なズレが生じて想定通りの動きをしない可能性があります。
この現象を未然に防ぐためのオプションです。

このオプションを有効にしていると、原点がピクセル単位にならないセルがあった場合、セルマップファイルの保存時に以下のような警告が出力されます。
Invalid Pivot -> セル名 Pivot[0.000000,0.000000] Pixel[31.500000,31.500000]

X/Y座標値の整数化オプション

プロジェクト設定 → 互換性 → その他に「X/Y座標アトリビュートの値を整数化する」オプションを追加しました。
このオプションにチェックを入れると、X/Y座標アトリビュートのキー作成、値の変更時に小数点以下を四捨五入して整数化します。

表示サイズを維持したままイメージの解像度を変更

参照イメージの解像度変更時にパーツの表示サイズを維持するオプションを追加しました。
参照イメージの変更によって画像の縦横サイズが変わった場合に表示されるダイアログで「維持」を選択するとX/Yサイズのキーを追加することで変更前のサイズのまま表示されるように調整します。

その他

インデックスカラー画像の透明色指定

  • インデックスカラーの画像を読み込む際に透過色として扱う色を指定できるオプションを追加しました。
  • プロジェクト設定 → 一般 → その他 → 「インデックスカラー画像で透過色にする番号」で指定します。

ログで複数選択と選択アイテムのテキストコピーに対応

  • アイテムを選択した状態で Ctrl+C または右クリックメニューから「コピー」を選択します。

ショートカットキーの追加

  • ウィンドウコマンド → フレームコントロール/レイアウトそれぞれに、選択パーツの幅と高さを縮小・拡大するコマンド、及び、大きく縮小・拡大するコマンドを追加しました。

改善

Windows 高DPI 環境に対応

  • 設定に応じて適切にUIやテキストのサイズを拡大するようになりました。
  • Windwosの「ディスプレイ設定」→「拡大縮小とレイアウト」で拡大率を 100%以外に設定している環境で従来バージョンより視認性が上がっています。

マウスオーバーで参照セルの名前を表示 (フレームコントロール)

  • マウスオーバーしたキーに参照セルがある場合、セルの名前をツールチップで表示するようにしました。
  • 環境設定 → UI → フレームコントロール → 「キーマーカーのマウスオーバーで参照セルの名前を表示する」にチェックを入れると有効になります。

Shift キーを押さない範囲選択に対応 (フレームコントロール)

  • チャート上で、空白の領域で左ドラッグを開始した場合、範囲選択を開始します。
  • キーマーカーの上でドラッグを開始した場合、従来通りキーの移動になります。
  • ※カーブエディタと同様の操作感になりました。

ループ設定をアニメーション毎に記憶 (フレームコントロール)

  • ツールバーにあるループOn/Offボタンの状態をアニメーション別に記憶するようにしました。
  • ※この状態は ssae ファイルに保存されるため状態を変更するとファイルが更新状態に変化します。

移動パス表示でカレントフレームを強調 (レイアウト)

  • キーを示す●マーカーのうちカレントフレームのみ白くハイライトされます。

複数キーへの相対値適用 (レイアウト/フレームコントロール)

  • フレームコントロールで複数のキーを選択した状態で、レイアウト上でパーツの移動、回転、スケールなどを行った場合、変化した量を各キーに相対値として適用するようにしました。
  • ※従来はカレントフレームにのみ作用していました。

パーツカラーのデフォルトカラー指定 (環境設定)

  • パーツカラーのキー作成時の色を変更できるようになりました。
  • 環境設定 → 編集 → 全般 にある「パーツカラーのデフォルトカラー」のボタンを押して指定します。

パーツカラーのリセット (パーツカラーの編集)

  • デフォルトカラーにリセットするボタンを追加しました。
  • カレントフレームの前後にパーツカラーのキーがある場合、それらの間で補間された色が設定されますが、この色を前述の環境設定で指定したデフォルトカラーにリセットします。

アニメーションの追加・挿入・変更のステップ削減 (シーケンスエディタ)

  • アニメーションの追加、変更のステップ数を削減しました。
  • アニメーションの「追加」「挿入」「変更」ボタンを追加し、ダブルクリックでも追加できるようにしました。

セル変更時にズーム率を維持 (セル編集)

  • セル編集を表示したままの状態で、セルリスト等でアクティブセルを変更した際に、セル編集のズーム率を維持するようにしました。(従来は変更の都度、100%表示にリセットされていました)

GIFの背景チラつき抑制 (レンダリング)

  • GIF 出力時に背景色を固定化してチラつきを抑制する「背景色を維持する」オプションを追加しました。

複数キーの補間変更 (カーブエディタ)

  • 複数の選択キーに対して補間方法ドロップダウンの変更を適用するようにしました。
  • 右クリックメニューショートカットで実行する補間方法の変更も選択されたキー全てに適用されます。

サウンド再生の遅延解消 (サウンドキー/サウンドリストの編集)

  • アニメーション切替時に参照されるサウンドデータのプリロード、およびキャッシュによってサウンドキー通過時のラグがなくなりました。

    セルリストの連動をオプション化

    カレントフレームの移動時にアクティブセルを連動する動作オプションを追加

    • 環境設定 → UI → セルリスト → 「カレントフレームの変更時に参照セルのキーに設定されたセルをアクティブにする。」にチェックを入れるとフレームコントロール上での操作に限らず、カレントフレームを移動した時に、アクティブパーツの現在の参照セルがセルリストのアクティブに変更されます。

    パーツ切替時にセルリストのセルを連動する動作をオプションに変更

    • 環境設定 → UI → セルリスト → 「カレントパーツの変更時にアクティブセルマップを参照セルが所属するセルマップに変更する。」のチェックを外すとセルリストのアクティブセルの移動及び別のセルマップへの切り替えも行わないようになります。( 初期値:オン)

    見つからないセルマップ・イメージの再リンク

    • ファイルの移動や名前の変更などで開けなくなったセルマップ、イメージのファイルを指定して再リンクする機能を追加しました。
    • プロジェクトを開いた時に表示される「参照先の修正」ダイアログから指定します。

    参照イメージのファイル名変更に対応

    • 注意:この操作によって変更された参照イメージを参照するセルマップが更新状態になります。更新されるのは現在開いているプロジェクト内のセルマップのみです。

    その他

    • 「描画する優先度の設定」ウィンドウに機能説明を補足

    その他の変更点

    • アニメーション名、セル名、パーツ名の最大文字数を32文字から128文字に拡張

    不具合修正

    • フレームコントロール
      • チャート側をクリックした際にカレントパーツが変更されていない場合はセルリストのアクティブセルが連動しない。
      • 【7.2.4】フレームコントロールのチャートで複数のパーツにまたがって範囲選択し、値を変更してもアクティブパーツにしか反映されない。
      • 【7.1以降】フレームコントロールのチャートで範囲選択し参照セル選択を開いてセルを変更すると「値設定時にキーを作る」オフであっても全範囲にキーが作られてしまう。
      • 【6.0以来】総フレーム数の変更を行ってもカーブエディタのグラフが即時に更新されない。
      • アニメーションを複製するとラベルが文字化けすることがある。
    • カーブエディタ
      • キーが無いフレームで補間方法を変更しても反映されないことがある。
      • 【Mac】補間方法のドロップダウンを開いた直後はグラフ領域でマウスのクリックが受け付けられない。
      • ウィンドウがフローティング状態である時カーブハンドルが表示されない。(別のアプリから切り替えた際に表示される。)
    • サウンド
      • キーが無いフレームから再生を開始すると、左にあるサウンドキーを拾って再生してしまう。
      • 複数の音声を同時に再生中に停止させた場合、止まらない音声がある。
    • その他
      • 【7.2以降】sspjのダブルクリック、またはEXEファイルにドロップで開けないケースがある。
      • OpenGLへのテクスチャの転送に関連するエラーが出力されることがある。
      • ガイドライン色指定が即時反映されない(他の色指定を行った後に反映される)。
      • セルマップの最適化:テクスチャリストに登録された画像ファイルがコピーされない。
      • 参照セル選択:セル名のテキストの右端がスクロールバーに隠れることがある。

    クラッシュ

    • セルリストに複数の選択セルがある状態でプロジェクトを読み込むとアクセス違反が発生することがある。
    • アニメーションの複製後にラベルやガイドラインを操作してからUndoするとクラッシュすることがある。
    • セルマップの参照イメージに指定されている画像ファイルをテクスチャリストに登録している状態で、参照イメージの変更を行うとプロジェクト更新のタイミングでクラッシュする。
    • フレームコントロールのチャート上でキーが1つも無いパーツ上で右クリックし、参照先セルマップの変更を実行するとクラッシュする。
    • アニメーションを再生させたままカーブエディタ上でキーを追加するとクラッシュする。