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イオン、東京都市圏をカバーする新ネットスーパー「Green Beans」
2023年4月4日 11:59
イオンネクストは、新たなオンラインマーケット「Green Beans(グリーンビーンズ)」を2023年夏にスタートする。あわせて最先端のAIとロボティクスを導入する初の顧客フルフィルメントセンター(CFC)を稼働する。グリーンビーンズは、新宿区や千代田区など東京の都区部や川崎や千葉の一部地域からスタートし、1年以内に東京23区をカバー予定。
新たなネットスーパー/オンラインマーケットとなる「グリーンビーンズ」は、2019年11月にイオンと提携した英国Ocadoとの協力により実現。店舗型でなく、大型の自動倉庫からの出荷となり、徹底されたコールドチェーンによる高い鮮度管理や快適なユーザーインターフェイスなどを採用。新鮮な食料品や日用品などをいつでも購入し、玄関先まで配達できるという。
購入の14日前から商品を選択可能で、配送時間は朝7時から23時までの1時間単位。到着前に配達予測時間をメールで通知する。配達員は自社専任のデリバリークルーを採用。時間管理や温度管理のほか、独自のラッピングも施される。
配達から1週間以内は、鮮度が保たれることを約束する「鮮度+(1週間鮮度保証サービス)」を展開するほか、買いだめ用の「大容量商品」、グリーンビーンズならではの「こだわり商品」も用意する。鮮度+は対象商品をストア上でマークで明示する。
とくにアピールしている点が「まとめ買い」で、買いやすさに配慮してアプリなどを設計した。最低購入金額は4,000円(税別)。配送料は配送時間帯によって変動し、330円/440円/550円(税込)。決済手段はクレジットカード。
利用者の嗜好を学習する「スマートカート」では、ユーザーが欲しい物を事前に学習し、2秒程度で“カートに入れたい状態”で提示。「商品が入った状態から買い物が始まる」という新たな体験をアピールしており、最短15秒で買い物が完了するという。
サービス提供エリアは、東京は新宿区、渋谷区、世田谷区、目黒区、中央区、千代田区、品川区、港区、大田区、江東区、江戸川区。千葉県は千葉市(稲毛区、中央区、花見川区、緑区、美浜区、若葉区)と習志野市、船橋市、市川市、浦安市、八千代市、四街道市。神奈川県は、川崎市(麻生区、川崎区、幸区、高津区、多摩区、中原区、宮前区)。1年を目処に東京23区全域に拡大予定。
店舗の少ない東京都市部を攻める。デジタルで不満解消
イオン 吉田昭夫社長は、グリーンビーンズについて「イオンのデジタルサービスの中核を担う」とグループの中でも重要なサービスと位置づける。そのうえで、イオンの店舗が少ない東京都市部を、Ocadoの技術などを導入した自動倉庫でカバーする方針を明かした。
「一つの自動倉庫のキャパシティで50店舗の出店と同じ顧客接点を生み出せる」(イオン 吉田社長)とし、顧客基盤とタッチポイント(顧客接点)を拡充し、イオングループの様々な製品展開を図っていく計画。
グリーンビーンズでは、既存店舗をベースにしたネットスーパーに対して「生産性は10倍」で、鮮度も確保するなど、「顧客の不満をデジタルで解決する」という。
なお、既存の「イオンネットスーパー」は併存する予定。現在、店舗と連携したイオンネットスーパーは都心部においては品川や東雲などエリアが限定的であり、23区から千葉・神奈川まで広くカバーする予定のグリーンビーンズとは相互に補完できると見込む。また、現在のネットスーパー利用者はリアル店舗も積極的に使うユーザーが多く、店舗との相乗効果があるとのこと。一方で、23区を中心にイオンの店舗網が弱い部分をグリーンビーンズで開拓していく方針。また品揃えについても、店舗型にはないグリーンビーンズの特徴を出していく。
また、自社で配送網を準備する点については、「ここが、お客さんとの唯一のタッチポイントで、ここでサービスや企業イメージに繋がる。接客訓練を重点的に行なっている」とする。また、経験が浅いドライバーでも担当できるようデジタル化を推進。コンテナの荷物の積み方や、計画や管理、教育などでデジタル技術を導入し、ドライバーの女性比率も2割を超える見込み。
まずは東京近郊でスタートするが、重視するのは「継続率」という。食料品などを中心としたネットスーパーからスタートするが、「(将来的には)金融サービスなどイオンのサービスに繋がるチャネルになる」(吉田社長)と期待する。エリア展開についても、「東京でスムーズに立ち上がれば、愛知や近畿などに水平展開は十分考えられる」とした。
