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答えのない課題に果敢に挑む研究教育活動 地域連携・ボランティアの取り組み
統合報告書 -Vision Report- 2023-2024
Wed 11 Dec 24
統合報告書 -Vision Report- 2023-2024
Wed 11 Dec 24
早稲田大学の学術研究や教育は、そのどれもが人類社会に貢献するためにあります。
世の中にインパクトをもたらす先端的・独創的な研究から、全学共通の文理を超えた教育への取り組み、そして学生たちがキャンパス内外で重ねる日々の挑戦まで、早稲田大学ではさまざまな活動が展開されています。
その中でも社会的インパクトの強い活動内容とその成果を報告します。
※本記事は、「統合報告書 -Vision Report -2023-2024」からの記事です。


地域連携の取り組み
「地域連携・地域貢献」副専攻の新設


■「地域連携・地域貢献」は、地域社会との連携と地域への貢献のための学びを認定するもので、学際的なアプローチを取り入れながら、学生が地域の課題を理解し、さらに、地域の諸課題に対する解決策を提案する能力を養います。
■この副専攻を通じて、学生が地域社会の多様なステークホルダーと円滑な対話を行いながら、共通の目標に向けて協働することで、より豊かな地域連携・地域貢献が可能になります。
■単に、副専攻を新たに設置したということにとどまらず、新たな協働のモデルとして、学生・大学・地域社会が一体となって新たな価値を創造し、社会全体の発展に寄与することを目指します。

Student Voice地方創生への挑戦~地域が抱える課題の解決策を提案~
今の仕事に活かされているワークショップでの気づき

内田 建さん 株式会社オプト
2023年 人間科学部 健康福祉科学科卒業
学部の学びだけでなく、地方創生の現場を実体験したい想いで、3年次の夏に石川県珠洲市と連携した地域連携ワークショップに参加しました。「若者のローカルキャリアを考える」というテーマに沿って、珠洲市の多くの方々にインタビューをし、どうすれば若者の人口が増え、地域がもっと豊かになるのかの政策をチームで立案しました。活動を通して特に印象に残ったことは、「地域活性化は本当に良いことなのか」という住民の方の言葉でした。この経験から、地域住民の想いや地域ニーズこそが大事で、「地域にはどのような課題があり、住民は何を求め、それを解決するビジネスをどのように創るか」が重要だと気づきました。現在はデータアナリスト兼マーケティングコンサルタントとして仕事をしています。顧客一人ひとりの想いや特性を考えるマーケティング視点が身についたのは、ワークショップでの経験があったからだと実感しています。
地域連携ワークショップ
地域が実際に直面している課題について、学部も学年もさまざまな学生がチームを組み、解決策を提案する実践型のワークショップです。地域に赴き、自治体関係者や地域住民へのヒアリングやディスカッション、アクティビティへの参加、グループワーク等のフィールドワークを通じて、課題解決策を練り上げ、最終報告会で自治体トップや住民に対して提案を行います。地域の魅力を知り、地域課題を深く考え、仲間と最後まで考え抜く力を養う社会連携教育プログラムです。
2023年度実施一覧
木島平村(長野県)/珠洲市(石川県)/田野畑村(岩手県)/燕市(新潟県)/津山市(岡山県)/長浜市(滋賀県)/南伊豆町(静岡県)
2023年度実施一覧
木島平村(長野県)/珠洲市(石川県)/田野畑村(岩手県)/燕市(新潟県)/津山市(岡山県)/長浜市(滋賀県)/南伊豆町(静岡県)


ボランティアの取り組み
学術の知と現場体験の知の往還

早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)は、学生の自主的な社会貢献活動を推進する国内外でのボランティア活動を支援し、学生が「学術の知」と「現場体験の知」を往還しながら成長する場を提供しています。
充実した正課と課外のプログラムのもと、正課では社会課題の現場に赴く「実習科目」を中心に理論と実践を学び、課外では教員が指導する「早稲田ボランティアプロジェクト」やイベント、スタディツアーを通じて多様な経験を積むことができます。「日常生活での「あたりまえ」が「あたりまえではない」と気付く瞬間が幾度もあった」‐学生たちは、WAVOCでの学びと経験を通じて、変容を遂げます。
「一歩踏みだす、ぐっと広がる」をテーマに、学生個人の成長にとどまらず、社会全体への貢献を目指します。
Student Voice自分の生き方を他者との関わりの中で紡ぎ出す
さまざまな人たちとの出会いで自分の世界が広がった

岩井 里花さん 丸紅株式会社
2019年 法学部卒業
2年次に履修したブータン実習科目がきっかけで WAVOCの学生スタッフとなり、4年次2月に「海士ブータンプロジェクトスタディツアー」に参加しました。農家でのホームステイや小学校訪問、職業訓練施設の見学、ブータンで暮らす日本人との交流など、「現地の今」 を体感。世界一幸せな国=「桃源郷のような場所」を想像していましたが、そこにあったのは、日々の暮らしの中から幸せを感じるブータンの人々の温かい心でした。SNSを駆使する若者の姿は私達と変わらず、更に薬物依存等社会問題の存在も知りました。実際に現地を訪れることで得られる人との出会いが、自分の世界を広げ、真の理解に繋がることを改めて実感。社会人になった今もこの学びが挑戦の原動力になっています。WAVOCは、各分野を極める先生方や職員の方々、異なるバックグラウンドの学生たちが集う新しい世界への扉です。今でも交友関係は続いており、一生の財産です。
災害復興支援ボランティア
早稲田大学は、東日本大震災を契機に、学生・教職員・卒業生が一丸となって被災地での復興支援活動に取り組み、「早稲田型」のモデルを築き上げてきました。2023年度には、能登半島地震被災地をはじめ、秋田市やいわき市での復興支援活動を展開し、泥出しや瓦礫の撤去、家財道具の運び出しなどを実施しました。
「実際に被災地に赴き、災害に対する自分の向き合い方が大きく変わりました」など、学生たちは現場での体験と地域で出会うさまざまな人たちとの交流を通じて多くの学びを得ています。


「統合報告書 -Vision Report -2023-2024」

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