STAP細胞の証明に決定的な追い打ちとなってしまうのか――。恩師の理化学研究所の笹井芳樹氏(52)が自殺し、ひどく落ち込む小保方晴子氏(30)に、さらなる追い打ちだ。STAP細胞論文の共著者で、小保方氏が米国留学していた時代の指導者だった米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授が、9月1日付で所属する病院の麻酔科長を退任し、休養するというのだ。表向き「リフレッシュ休養」を強調するが、事実上の失脚。しかも同病院では、同氏に関する内部調査が進んでいたとの情報もある。笹井氏に続く精神的な支えを失った小保方氏はどうなる!?

 小保方氏に再び、暗いニュースが飛び込んできた。STAP細胞論文の共著者であるバカンティ氏が、所属するハーバード大系列のブリガム・アンド・ウィメンズ病院の麻酔科長を9月1日付で退任し、1年間休職することが同病院から発表されたのだ。

 発表とは別に、再生医療研究に詳しい米カリフォルニア大デービス校のポール・ナウフラー准教授が、バカンティ氏から同僚に送られたとされるメールの内容をブログに掲載した。それによるとバカンティ氏は「複雑な気持ちで皆さんに私の決断をお知らせする」と麻酔科長の退任を表明し、1年間の休職も明らかにしている。肝心のSTAP論文問題には触れられていないが、このタイミングの退任&休養に影響を及ぼさなかったはずがない。ナウフラー氏は「病院の内部調査が進んでいる可能性がある」と指摘している。

 業界関係者は「科学の世界でSTAP問題は最大の関心事で、(再生医療の)第一人者の笹井氏が自殺したことでさらにヒートアップしている。当初、強気だったバカンティ氏も論文撤回に同意するなど、このところ“米国版小保方さん”のような状況になっている。同氏の研究室では以前から、論文不正が横行していたという気になるうわさも出回っている。大ごとになる前に“逃げた”のかもしれない」との見方を示す。

 先月27日放送の「NHKスペシャル」ではバカンティ氏もヤリ玉に挙げられ、万能細胞の権威と言われるハーバード大学のジョージ・デイリー博士は「バカンティ教授に共同研究を申し込み、STAP細胞は作れるというバカンティ研究室で実際にやっても一度も成功しなかった」などと懐疑的な目を向けていた。

 一部ではSTAP細胞問題の“黒幕”とも報じられたバカンティ氏。そもそも小保方氏にSTAP細胞のアイデアを伝えたのはバカンティ氏と言われ、同細胞の特許申請には同氏らハーバード大側も関わっている。

 小保方氏は4月の会見で、正式採用される以前に理研で行っていた研究について、当時はハーバード大側の研究員だったため、神戸の滞在費は同大側の負担だったことを示唆した。STAP細胞研究にはハーバード大の資金も投入されており、実際に内部調査が実施されて不正が判明した場合、バカンティ氏も責任を問われる立場になりかねない。

 笹井氏に加え、STAP細胞の存在を信じるバカンティ氏まで“退場”となれば、小保方氏の立場は一層厳しいものになる。

「彼女を擁護してきた後ろ盾2人が相次いでいなくなるわけですからね。笹井氏の自殺で落ち込む彼女をさらに追い込むことになる。バカンティ教授は4月の講演で小保方氏に『(大学のある)ボストンに戻っておいで』とラブコールを送っていたが、失脚したことで彼女の“米国転職”も難航するのでは」(関係者)

 笹井氏が亡くなって以来、小保方氏は公の場に姿を見せておらず、7月から参加している再現実験にも顔を出していないとみられる。精神的に憔悴しきっており、一部では入院説も流れている。

「代理人を務める三木秀夫弁護士は、生前の笹井氏から『彼女を守ってあげてくれ』と頼まれ、代理人を引き受けた経緯がある。これまではバッシングから彼女を守る役割を果たしてきたが、ここまでくると、万が一の危険から守るという選択も出てくる。彼女にドクターストップがかかり、強制的にリタイアさせられることも考えられる」(同)。小保方氏を取り巻く環境が一層厳しくなったことは間違いない。