過去の放送内容
2019年5月5日放送
特集
「フードコートだけでよく見るお店」!
料理待ちにもらう呼び出しベルにはこだわりが詰まっていた!
ゲスト
森永卓郎さん、大島美幸(森三中)さん
番組内容
今回のテーマは「フードコートだけでよく見るお店」
10連休ゴールデンウィークに、ショッピングモールのフードコートにお出かけした方も、多いのでは…?
そんなフードコートで、なぜか最近やたらよく見るお店ってありません?
飲食店の大激戦区、フードコートで勝ち抜いてるお店ということは…
調べてみると、やはりみんな儲かっていました!
今回は、フードコートにお出かけしたくなる30分です。
軽食じゃなくて重食!?から揚げを山盛りで提供する「鳥さく」
フードコート「だけ」でよく見るお店を求めて最初にやってきたのは…
イオンモールむさし村山。
2階にあるフードコートには12店舗が軒を連ね、どこも大盛況のようですが…
中でもお客さんを集めているのが…
とり専門店「鳥さく」
一体、どんなお店なのでしょうか?
早速、看板メニューを注文してみると…
出てきたのは大盛りのから揚げ定食!
そう!「鳥さく」は、この巨大な唐揚げ定食が大人気の鶏鳥料理専門店。
1つ40gのから揚げが、1人前でなんと10個以上。
これでお値段、899円
どうして「鳥さく」を選んだのかお客さんに訪ねると…
お客さん:から揚げがあればあるほど、嬉しいですね。
お客さん:ボリューム、食べ応えがあっていいです。
お客さんにも、このとにかくデカいのが大好評!
この「鳥さく」、2年前に1号店がオープンして以来、あっという間に店を増やし、今や全国に12店舗。
まさに今ノリに乗っているお店なんです!
しかし、なぜ今、「鳥さく」のようなお店が流行っているのでしょうか?
飲食店の専門家・月刊食堂の編集長通山編集長によると、どうやら、今のフードコートのトレンドと関係があるらしい…
通山編集長:今、「重食化」がフードコートのキーワードになっています。
「重食」とは何なのでしょうか?
通山編集長:もともとフードコートっていうのは「軽食」をとる場所だったんですね。でも、しっかり食事をとりたいニーズが大きくなって、ガッツリ食べられる「重食」を提供する店が増えています。
そう、フードコートでは今、ガッツリ食べられる「重食」系のお店が大人気!
ビーフやポークをはじめ、様々なステーキが食べ放題できちゃうお店や…
大盛り、特盛りはもちろん、メガ盛りまで頼める「ローストビーフ丼」のお店などが、お客さんを集めているんです。
まさに「鳥さく」は、そんな「重食系」期待の星!
儲かりのポイントを「鳥さく」の北浦社長に伺いました。
北浦社長:まずフードコート、ここでもそうなんですけど11店舗から12店舗あるんですね。その中でいかに目立つか。どアップでボリューム見せられるかだと思うんですね。
そう。重食系のお店で大事になるのは、いかにお客さんに、ボリューム感を感じてもらうか。
そこで!
北浦社長:お客様が、ボリュームが大きいというのが看板だけでわかるようなお店を作ってます。
北浦社長:ほとんどの店が、看板は横長なんですよ。
北浦社長:でも「鳥さく」はなるべく大きく、縦で作ってます。
そう、「鳥さく」のメニュー写真は、どれも「タテ」!
確かに言われてみると、隣のお店の横長看板よりも、なんだかドーンと大きさが伝わってくる感じが!
北浦社長:縦長の方が目に入りやすいんですね。
さらに!
看板メニュー「唐揚げマウンテン定食」のお皿にも、重食感を出すための工夫が。
北浦社長:から揚げをより大きく見せるために盛り付けをしています。
スタッフ:どうやって盛りつけるんですか?
北浦社長:これを使います。
これが、から揚げをより高く見せるための網です。
確かに、盛り付けの際、網を土台にすると、から揚げがひっかかって積み上げやすくなり、網なしと比べると、仕上がりが縦にドーンとデカく見えるんです!
こうすることで思わぬ効果も!
北浦社長:フードコートって言うのは持ち運びをお客様がされるんですね。それも宣伝なんです。お客様が席に付くまでそのから揚げマウンテン定食を持っていくこと自体が僕は宣伝だと思ってるんです。
確かにこれを持って歩くお客さんは、ある意味「鳥さく」の広告塔!!
お客さん:なんか皆さんがこうやってもって歩いてたんで、おいしそうと思って、買ってみようと思って。
まさに社長の思うツボです!
ただ、ボリュームたっぷり!となると、ちょっと心配になるのが「途中で食べ飽きちゃう問題」
実は「鳥さく」は、その辺の気配りも抜かりない!
料理の受取カウンターの横を見てみると…
そう!お持ち帰り用の透明なパック!!
確かにこうしておけば、食べきれなくてもムダもなく、安心してお持ち帰りができますよね。
「鳥さく」は巨大なから揚げで、がっちり!
空前の大ブーム!◯◯ドリンクに大行列!「春水堂」
2つ目のフードコートだけでよく見るお店は…
東京・お台場のヴィーナスフォート。
早速、行ってみると、お店の前に行列が!
モールの中でもひときわ目立つ、行列のお店…
「春水堂(ちゅんすいたん)」と読むらしい。
一体、何のお店なのでしょうか?
店員さん:タピオカミルクティーです。
そう、タピオカミルクティー!
実は今この「タピオカミルクティー」のお店が、東京都内のあちこちで空前の人気!
中でも春水堂は、その先駆け的存在。
全国12店舗中、10店舗がモールなどに出店していて、どこもかなりの行列なんだとか。
どれくらい儲かっているのでしょうか?
春水堂のスーパーバイザーの本田さんに話を伺いました
本田さん:杯数で言うと1日1,000杯くらい出ます。
どうやらかなりの儲かりっぷり!
しかしこのタピオカミルクティー。
正直、ミルクティーの中に、タピオカが入っているだけ、にも見えますが…
一体、なぜそんなに人気があるんでしょう?
お客さん:インスタ映えですね!
お客さん:映えるから。
タピオカミルクティー人気の秘密、一つ目は「インスタ映え」。
浮かぶタピオカがキレイ!と、必ず透明な容器に入れ景色と一緒に撮るのが大流行。
なんとお店側もそれを意識して…
本田さん:ドリンクと一緒に写真が撮りたくなるような立地に出店しています。ここだとすぐ、噴水広場があるので、そこで撮られる方が多いです。
そしてタピオカミルクティー人気のもうひとつの秘密が…
この行列、そのもの。
お客さん:並んでて、美味しそうだなあって。
スタッフ:やっぱ行列見ると…
お客さん:行っちゃいますね。
この行列が行列を呼び大人気に!
実はこの行列ができるのは、タピオカミルクティー独特の作り方にも理由があるんです。
ミルクティーのベースとなる中国茶に…
温度計を入れて、計測!
店員さん:温度が適してないと、お茶本来の「香り」「味わい」「甘さ」が最大限出ないので計測してます。
なんと、お茶の温度は、必ず0.1℃単位で細かく決まっているんだとか!
さらに仕上げの甘さは…
甘さを測る糖度計で、また計測!
店員さん:台湾本土から決められた糖度じゃないとダメなので。
タピオカミルクティーは、台湾の春水堂本店が決めた正しい温度と糖度でなければ、おいしくできないので、お客さんには出せない。だから…
店員さん:1杯作るのに大体1分30秒くらいは頂いております。
とにかく時間がかかる。だから行列になっちゃう。
でも美味しい。だからもっと行列になっちゃう。
というわけで、タピオカミルクティーのお店は、ますます大人気というわけなんです!
「春水堂」は本場の味でがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:一見、行列ができてると、稼働率が落ちて効率悪いんじゃないかっていう風に思われちゃうんですけど、実は作る方からすればずっと作ってるから効率は実はいいんです。人数増やせばもっとたくさん作れると思うんですけどわざと行列できるくらいの良いバランスなんです。
あのスシローがフードコートに進出!儲かりの秘密は回転しない!?
3つ目のフードコートだけでよく見るお店は、横浜駅の地下1階にある…
「FOOD&TIMEISETANYOKOHAMA」
そこには、フードコートではあまりみかけない、あの有名店が…
お客さん:まさかと!なぜここに?
お客さん:初めて見た!ここにあるの。
お客さんたちも驚くそのお店とは…
「スシロー」
なんと、あのスシローがフードコートに進出していました!
でもスシローといえば…
郊外にお店を構えているイメージ。
一体どんな感じで営業してるのでしょうか?
見てみると…
さすがスシロー!フードコートでも大混雑!
でも、あるところが、普通のスシローと大きく違うんです。
それが…
スシローなのに、回ってない!
これは一体どういうことなのでしょうか?
広報担当の福田部長に聞いてみると…
福田さん:非常にお店も小さいです。やはり回転ベルトを入れるとなると、それなりのスペースが必要になります。
そう、フードコートは1店舗分のスペースが小さいので、大きな回転レーンが入らない!
でも「回転ずし」は、回るから楽しいし、お客さんが自分で取って食べる仕組みだから、人手が省けて100円でお寿司が提供できるんですよね…?
回転やめちゃって大丈夫なのでしょうか?
福田さん:大丈夫です!回転ベルトがなくても効率よく提供できる工夫は、店内見ていただいたらわかると思います。
果たして、回転レーンなしでも「安くて」「美味しい」お寿司を提供できる、工夫とは?
福田さん:注文の取り方を変えたんですよ。
普通の「スシロー」では、回ってるお寿司を取ったり、座席のモニターから注文したりしますが、フードコートでは…
お客さんは、カウンターに置かれた注文用紙を取り、その場で、記入。
書いた注文用紙を自分でレジに持っていって、お会計し…
しばらく待ったら受け取り口で…
トレーに載ったお寿司を受け取り、これをカウンターやテーブルでいただく。
これがフードコートのスシロースタイル!
ポイントは、1回に頼める貫数が6貫以上、と決まっていること。
1貫ずつ、ちょこちょこ頼まれないので、注文を受ける人手がかからないというわけ。
そして、フードコートのスシロー、最大の秘密兵器があるんです。
福田さん:スシローでもここにしかないですし、あまりじっくり映されるのは困ります…
福田部長さんが渋々見せてくれた、こちらのマシン。
一体何をするものなのでしょうか?
機械が超高速でしゃりを並べていきます!
あとは、手作業でネタを乗せるだけ。
これだけのことですが、これが画期的なんです!
福田さん:お寿司のシャリを整列するというのが、1番時間がかかって難しいんです。
普通のスシローでは、皿に2貫ずつお寿司を出しますが、フードコートでは、まとめて大皿で提供。
実は、注文された数のシャリを、皿にきれいに並べるのが、お寿司づくりで1番手間がかかるんだとか。
そこで、この新型シャリロボの出番!
ボタン1つで、6貫から12貫まで、素早くシャリを並べてくれるんです。
独自の注文方法と、このシャリロボのおかげで…
普通のスシローは10数人で作業するのに対して、フードコートのスシローはたった3人でまわすことが可能に!
結果、回るスシローと同じく、美味しいお寿司を格安で出すことができるようになったというわけ!
スシローはフードコートでがっちり!
フードコートに欠かせない、みんな押すあのボタンの秘密は◯◯!
フードコートだけでよく見るものといえば、
お会計する時に預かる、出来上がるとピーピー鳴るあの物体。
皆さんも、一度は手にしたことありますよね?
フードコートが盛り上がっているということは、アレを作ってる会社も、きっと儲かってるはず!
…ということで!
アレを作っている会社を求めて、
神奈川の茅ヶ崎市へ。
お出迎え頂いたのは「パシフィック湘南」の佐々社長。
社長によると、呼び出しベルの名前は「ワンタッチコール」。
フードコートが増えて儲かってるんじゃないでしょうか?
佐々社長:儲かってます!
スタッフ:どれくらい売れてるんですか?
佐々社長:昨年ですと1万台以上!ずっと上がり続けてます!
ワンタッチコールの販売台数は右肩上がりで、去年だけで、販売台数はおよそ1万台。
しかも…
フードコート用呼び出しベルのシェア、70%というからすごい。
人気の理由は、一見何でもなさそうな機械の中の細かい工夫に。
例えば…
佐々社長:ワンタッチで押せるというシンプルさです。
スタッフ:ワンタッチは、今までになかったんですか?
佐々社長:そうですね、テンキーだったんですね。例えば15番であれば、1を押して、5を押して呼び出しということで、3プッシュだったんですよね。3回押さないといけないという、結構これは忙しいお店には煩わしいんです。
そう、呼び出しベルでいちばん大事なのは、忙しいフードコートの厨房で、いかに間違えずに早く押せるか。
そこで社長が考えたのが、テンキーではない、ワンタッチキー30個。
確かに、ボタンの数は多いけど、すばやくて確実!
さらに社長、この「受信機」の「ピーピー」にもこだわりが。
佐々社長:フードコートの騒音。だいたいあれが60デシベルと言われてます。だからそれよりも小さいと当然聞こえませんから。スピーカーから音が出る穴があるんですが、この穴の調整を1ミリずつかなりやりまして。今ちょうどいい80デシベルにセットしました
そして、社長が一番こだわったのが、「受信機」のサイズ。
佐々社長:長さ100ミリ、それから幅43ミリ、それから厚さ18ミリにしました。
なぜこのサイズにしたのかというと…
佐々社長:振動した時に、伝わらないとダメですから、かといってあまり強すぎると、大きすぎると周りのお客様に迷惑をかけますので。
そう!
一番うまく「ブルブル」の振動が伝わるサイズが、この長さ、この幅、この厚さだったんです!
細かい!
パシフィック湘南は呼び出しベルで、がっちり!