「虎に翼」ネット賛否…伊藤沙莉も悩んだ寅子激怒のワケ&裏側 根底に「穂高への愛」監督助言「親子喧嘩」
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女優の伊藤沙莉(30)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は5日、第70話が放送され、後半開幕週の第14週「女房百日 馬二十日?」を終えた。伊藤が同局を通じてコメント。SNS上で賛否、さまざまな声が相次ぎ、反響を呼んだ恩師・穂高重親(小林薫)への怒号(第69回、7月4日)を振り返り、演技への悩みや演出担当のアドバイスなど撮影の舞台裏を明かした。
<※以下、ネタバレ有>
向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。
穂高は最高裁判事を退任。しかし、記念祝賀会という晴れの舞台で、妊娠時(第38話、5月22日)の“遺恨”が再燃。寅子は花束贈呈を拒否し、言い放った。
「謝りませんよ、私は」「先生の一言で心が折れても、その後気まずくても、感謝と尊敬はしていました。世の中そういうものと流されるつらさを知る。それでも、理想のために周りを納得させようと踏ん張る側の人だと思っていたから。私は、最後の最後で、花束で、あの日のことをそういうものだと流せません。先生に、自分も雨垂れの一雫なんて言ってほしくありません」
穂高は「あーっ!」と天を仰ぎ「謝っても駄目、反省しても駄目。じゃあ、私はどうすればいい」と問う。
「どうもできませんよ!先生が女子部を作り、女性弁護士を誕生させた功績と同じように、女子部の我々に、報われなくても一雫の雨垂れでいろと強いて、その結果、歴史にも、記録にも残らない雨垂れを無数に生み出したことも。だから私も、先生に感謝はしますが、許さない!納得できない花束は渡さない!世の中そういうものだと流されない。それでいいじゃないですか。以上です」
インターネット上には「いやー、流石に今言うことか?感はある」「晴れの舞台に泥を塗る権利はないよ」「八つ当たりも甚だしいよ。世の流れのせいであって、穂高先生のせいではない」「昔から寅子は穂高先生の優しさに甘えているよな」「誰しもささやかな雨垂れの一雫に過ぎないのでは?雫が集まって、大きな流れにもなれるし、石を穿つこともある」「師弟の絆、その強さゆえの愛憎。スズちゃんと羽鳥先生、万さんと田邊教授、舞ちゃんと大河内教官…みんなそうだった」「憧れの先生が弱音を吐く姿を見たくない気持ちも、志半ばで去っていった仲間を雨垂れと言われ、腹の立つ気持ちも分かる。それでも30か40(歳)にもなってTPOを弁えず恩師に泥を投げつけ、あまつさえ自分の怒りすら正確に分かっていないのは本当にガキでしかない」「今日の寅子は好きじゃないかも!明日どうにかスッキリする形で和解してほしい。このまま退場とか嫌だからね」などと、それぞれの立場から多様な声が続出。話題を集めた。
オンエア終了後1時間(午前8時15分~午前9時15分)、Yahoo!リアルタイム検索で「#虎に翼」の投稿の「感情の割合」はポジティブ15%、ネガティブ85%だった。
――穂高の退任祝賀会も印象的。
演じるにあたっては、なぜ寅子は穂高にここまで怒るんだろう?と悩みました。その気持ちを監督に話したら「表現としては怒りかもしれないけれど、ここは寅子から穂高に愛情を伝えるシーン。ここで2人は、ただの仕事相手や師弟関係じゃできないケンカをしている。もはや、ある種の親子ゲンカであって、これは大いなる愛なんです!」と。そうした視点で脚本を読み返したら、腑に落ちたんです。きっと寅子は、穂高先生のあいさつを聞いて「今までやってきたことすべてが雨垂れの一滴だと言うの?凄くことを成し遂げた先生を尊敬していたのに、そんな後ろ向きなことを言わないでよ!」と感じたんですよね。怒っている時って、根底にある悔しい気持ちや悲しみ、恥ずかしさなどが怒りとして表れているんだと思うんです。ここでも寅子の声色や温度感は怒りに見えますが、根底にある先生への愛と敬意が怒りとして表れたと捉えていただけたらうれしいです。
――寅子らしい。
もう最後だからいいや!と見逃がさないのが寅子ですし、それが彼女の愛なんです(笑)。まぁいっか!で、その人との関係性を終わらせたり諦めたりしない。寅子は絶対に、相手に気持ちを届けることを諦めず、関わり続けていく人なんですよ。かつて懐かしき兄(直道/上川周作)が「思ってることは口に出していかないとね。うん、その方がいい!」(第15回、4月19日)と言っていましたが、寅子もそのマインドを持っているんだなと思いましたね。
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