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なぜ日本ではイノベーションが起き にくいのか。どうしたらいいのか 
ブレークスルーパートナーズ株式会社 
マネージングディレクター 
赤羽 雄二 
akaba@b-t-partners.com 
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2 0 1 4 年 1 2 月 1 3 日 
知的財産マネジメント研究会(Smips) 
産学連携によるイノベーション分科会 
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内 容 
1.私自身の経歴 
2.今、日本はどういう危険にさらされているか? 
3.どうやったら経営改革を起こせるのか? 
4.日本では、なぜ研究開発型ベンチャーがうまく育たないのか? 
5.大企業から技術者、研究者がスピンアウトして研究開発型ベン チャーを創業するメカニズムは? 
6.大学発ベンチャーのむずかしさとベンチャー創出コミュニティ 
7.日本人一人ひとりの問題把握・解決力をどう強化するのか? 
8.改めて、日本の挽回策は? 
1
1. 私自身の経歴 
2
3
コマツにて超大型ダンプトラックの設計 
4
スタンフォード大学大学院で機械工学修士を取得 
シリコンバレーの空気に初めて触れる 
5
マッキンゼーにて14年間、日本企業、韓国企業の 経営改革、新事業創造にパートナーとして取り組む 
うち、10年間500週、ソウル往復 
世界二十数カ国からコンサルタントを動員 
日々学ぶことが多く入社早々、メモを開始 
6
2000年以降、日本発の世界的ベンチャーを1社でも多く生み出すべく、 
ブレークスルーパートナーズを創業 
ベンチャー共同創業、経営支援 
中小・中堅・大企業の経営改革、人材育成、新事業創出支援 
「ゼロ秒思考」「7日で作る事業計画書」「頭を前向きにする習慣」出版 
「速さがすべてを解決する ゼロ秒思考の仕事術」(1/22出版) 
「世界基準の上司力(仮題)」(2/20出版) 
7
8 
特許・発明者検索 
帯域安定化・帯域有効活用 
企業・業界データベース 
モバイルクラウド 
セキュリティ 
掌静脈認証 
電動オートバイ 
3Dプリンター 
フルボ酸提供 
リアルタイムビッグデータ 
スクリーンコード、画像コード化技術 
こども脳機能バランサー 
ロボット、ウェアラブル 
IoT
9 
スマートフォンゲーム 
世界7カ国語で乙女ゲーム 
クラウドゲーム 
世界中の人が一緒に歌う 
未経験から1ヶ月で 
サービスを作るエンジニアに 
カワイイ★カム 
「Fun英語」英語学習 
ワークショップ・プラットフォーム 
富裕層・資産アドバ 
イザー向けメディア 
歯科医・一般向け 
メディア 
こども脳機能バランサー
10 
東日本大震災の直後、学生23チーム100名が 参加した、2ヶ月間の開発合宿を企画、運営 (宿泊、オフィス、サーバー等すべて無料。食 費補助。交通費補助) 
大きな話題を呼んだ 
TRIGGER他、多数のビジネスプランコンテストで基調講演、審査 員、企画・運営に関わる
11 
学生マーケティングコンテストapplimには、2010年 の立ち上げ時から深く関わる(今年第6回)
全米でも注目されているシリコンバレーのベンチャーキャ ピタル、Fenox Venture Capitalのアドバイザー 
Y Combinator、500 Startups等、トップインキュベーター出 身のベンチャーに出資。上場直前も出資 
事業会社から出資募集中。シリコンバレーを含む最新情報 を提供し、出資企業から1名オフィスに受け入れ 
1年に8000件に接し300社を精査、10社出資 
12
インド製造業幹部100名への事業計画作成ワークショップ 
13
6時間で完成、チーム内で交互にプレゼン 
14
各チーム代表が全員の前でプレゼン 
15
メモ書き(後述)も全員にやっていただきました 
16
2. 今、日本はどういう危険に さらされているか? 
17
18 
水平分業とデジタル化の進展 
垂直統合(1社で研究、開発、生産、販売まで全部行う)から水平分 業への変化が不可避な流れに。グローバル化が同時に進展 
すべての製品、サービスが何らかの意味でIT化・デジタル化 
–携帯電話、家電、PC等 
–自動車、建設機械、工作機械等 
–製造大企業以外も、金融、流通、ヘルスケアなど 
グローバルな分業構造の変化、およびIT化・デジタル化に適応でき ない企業は淘汰される 
–大手家電、電機メーカーの不振 
–IT業界で世界的に活躍する企業はごく一部(世界の端末市場の 利益の72%をAppleが占め、残りはSamsung 
参考: http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/39c2970f079ebad7f1ef793ec99f7105 
http://jp.techcrunch.com/archives/20130207study-finds-that-apple-took-72-of-all-handset-profits-samsung-got-the-rest/
19 
産業構造の変化への対応不足・遅れ 
日本の経営者はこの変化に対応しきれず、要素技術の「ものづくり」 以外への軸足転換ができていない 
–長期的な雇用関係に基づく「ものづくり」が強みだったが、付加価 値が急激に減少 
–過去の成功モデルからの思いきった転換ができない 
「匠の技」の通用する分野は狭まっておりビジネス的には袋小路 
一言で言えば、世界的な産業構造の変化に日本の製造業が対応で きなかった 
–韓国、台湾、中国、インドは世界的な水平分業の波に乗った 
–欧米企業は水平分業の波をリードした 
–日本企業は飛び乗る気がほとんどなかった 
参考: http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/39c2970f079ebad7f1ef793ec99f7105
日本の製造大企業はなぜ弱体化したか? 
日本は、米国が大量消費をし、韓国・中国・インドが登場していな かった時代に大量生産で成功した(高度成長期) 
チームワーク、きめ細かな仕事、徹底的な工夫が得意 
素晴らしい工場長、素晴らしい営業マンは多かった 
日本人、日本人の組織は、今の大企業が必要としているような経営 の舵取りに必要な意思決定、ダイナミックな方向転換、システム構 想力が昔から苦手なのでは? 
水平分業、グローバル化、デジタル化・IT化への舵を切り損ねた。 差はさらに広がっている 
大企業だけではなく、政治家、外交官、官僚にも優れたリーダーが見 当たらない . .経営者、リーダーを育てられない文化、風土? 
20
日本は、米国の国家をあげた努力に負けた 
日本が全盛期だった1980年代、米国はなぜ日本が優れているの か、どうやって勝つべきか、国家をあげて競争力強化の研究をした 
–日本の鉄鋼、自動車、半導体、家電が市場をリードした時代 
–日本の金融機関が米国の資産を次々に買収 
–HPの社長を中心にヤング・レポートがまとめられた 
その後、米国は、国家戦略として競争力強化、イノベーション促進 に取り組んだ 
–台湾・中国・インド・ベトナム・ロシア等からの人材流入増 
–大学、大学院でのコンピュータ学科を強化 
–小学校からの科学・技術への親しみ 
–各産業、各分野での規制緩和 
–その結果、有望ベンチャーが続々生まれ、投資額が急増 
–上場あるいは成長したベンチャーの高額での買収というExitが 一般化して、すさまじい好循環が始まった 
–最優秀人材のかなりが卒業後すぐ起業、Facebook・グーグル 等に入社して数年で起業。売却してまたすぐ起業 
21
シリコンバレーの人口の過半が中国・インドなど外国系 
–IT系企業の中核人材の多くを占める 
–彼らの子息や新たな留学生など最優秀な人材がスタンフォード 大学、MIT等に行き、多くが起業し、再生産を加速 
この間、オラクル、マイクロソフト、シスコ、クアルコム、アップル、 グーグル、アマゾン、Facebook、Twitter等が続々と設立され上場 
–時価総額は、アップル84兆円、グーグル44兆円、マイクロソフト 47兆円、GE32兆円、オラクル23兆円 (120円/$として) 
–こういった企業が高額での買収を重ね、好循環をさらに加速 
一方、90年代まで世界的ブランドであった日本の電機系製造大企 業の競争力はその後急落 
トヨタ、ホンダ等の自動車メーカー、コマツなどの建機メーカー、日 立、東芝等の重電メーカーは好調であるが、時価総額はトヨタの25 兆円以外、せいぜい数兆円規模。米国企業の高業績・高時価総額 とは比較できない低い水準にある 
22 
日本は、米国の国家をあげた努力に負けた 
出典: http://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm
米国企業との距離は、さらに急拡大中 
日本にも、もちろん急成長を遂げている高収益企業もある 
–ソフトバンク(時価総額8兆円)、NTTドコモ(8兆円)、セブン&ア イホールディングス、ファーストリテイリング等 
–しかし米国発の世界的企業(先ほどのリストに加え、インテル、 IBM、ウォルマート、P&G、コカコーラ、ボーイング等)とは比べ るべくもない 
日本企業が高度成長期に急成長できたのは、日本人のものづくり 力の高さによっていた 
–高品質・低価格の商品を大量生産し、売りまくった 
–米国が巨大な消費国として君臨し、台湾、韓国、中国等が生産 国として登場していなかった時代に、日本企業は大活躍した 
ただ、その時代が終わり、付加価値の大半がIT、インターネット、プ ラットフォームに移った今、大半の日本企業は新しい付加価値をほ とんど取れないまま、業績を急速に悪化させていった。しかも、今の ところ、対応の目途は立っていない 
自動車はコモディティー化がそこまで進んでいないので、競争力を 維持しているが、EVが普及するにつれ、部品点数が1桁減り、利益 急減の可能性が高い 
23
米国企業との距離は、さらに急拡大中 
3月にテキサス州オースティンで開催されたSXSW2014では、 
–SXSW(サウスバイサウスウェスト)80カ国から3万人強が参加 
–ウェラブル、IoTなど10分野で圧倒的なイノベーションと産業創造 が同時並行的に始まったことがはっきりと示された 
–全分野で、IT、インターネット、プラットフォームが付加価値の大 半を占める 
–これは、ほとんどの日本企業が得意ではない分野 
–最近、ハードウェアも改めて注目されているが、これは「ネットワ ーク化されたハードウェア」 
–大企業も中小企業も抜本的に取り組みを変えなければ、追いつく ことは極めて困難 
日本がやるべきことは、この深刻な事態を直視し、抜本的な施策を 同時並行かつ10年以上の長期にわたって進めていくこと 
–大企業: 根本的な経営改革、新事業創出、ベンチャー投資 
–中小企業: 根本的な事業構造改革、営業力強化、新事業創出 
–ベンチャー: ダントツ技術の開発、プラットフォームビジネス 
–政策: イノベーションが生まれるエコシステムの確立促進 
24
25 
日米製造(IT関連)大企業の競争力変化 
1950 
1960 
1970 
1980 
1990 
2000 
2010 
2020 
驚異の高度 成長期(モノ づくりによる) 
IT活用の弱さ、ベン チャー等によるイノ ベーション、新産業 創出力の貧弱さ。た だし、当面、自動車と 一部業種は順調 
GM、フォード、 クライスラー、 RCA等、米製 造業の低迷 
韓国、台湾、 中国、インド 企業の台頭 
IT活用に 
よる挽回 
「IT」 x 「データ」 x 「プラットフォー ム」 x 「ネットワーク化されたハード ウェア」のイノベーションによる数百 兆円に及ぶ産業創造 
1. ウェアラブル 
2. IoT(モノのインターネット化) 
3. デジタルヘルス 
4. コネクテッドカー、自動運転車 
5. ロボティクス 
6. ビッグデータ 
7. 3Dプリンティング、メーカーズ革命 
8. クラウドファンディング 
9. 共有経済、共有サービス 
10. セキュリティ、プライバシー 
2014 
相対的産業競争力 
日本企業 
ギャップが急拡大 
米国企業
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39584 
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39591 等 
26 
この問題に関連して、4つの記事を書きました
3. どうやったら経営改革を 起こせるのか? 
27
根本的な経営改革がどうしても必要 
1.自社の強みを改めて棚卸して(強みの活用が重要)、 
2.有望な新しい分野で何ができるのかを洗い出し、 
3.成功可能性の高い分野を選定する。単なるハードウェアよりも サービス化、プラットフォーム化を(発想の転換) 
4.新事業立ち上げプロジェクトを5~10並行して走らせる。ベン チャーと協業する、投資する、買収する、活かす 
5.既存事業の売上・利益20~30%増プランを策定、実行 
6.月次で厳しい進捗会議を行う 
7.組織活性化につながる人材配置転換、組織階層の削減、コミュ ニケーション改善、経営体制変更、取締役会正常化を進める 
これらすべてを同時並行で進めることが必要。経営改革は一部だけい じっても進まない。経営者が動かなければ下から突き上げるしかない 
28
「経営改革を進める7つの鍵」について書きました 
29 現代ビジネス「ソーシャライズ!」でのブログ 
–経営改革を進めるには7つの鍵を同時に開けること: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36859 
–経営改革を進める第1の鍵: ビジョンと戦略の変更、全社員への浸透 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41111 
–経営改革を進める第2の鍵: 既存事業の抜本的改善 - 詳細なターゲット設定と厳しい進捗管理 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41122 
–経営改革を進める第3の鍵: 複数の新規事業立ち上げ-リーンスタートアップ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41205 
–経営改革を進める第4の鍵:高度な経営支援能力の構築 - 経営改革推進チーム設置と実践トレーニング http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41230 
–経営改革を進める第5の鍵:幹部人材の把握と成長目標設定、成長への取り組み-人材開発委員会 
–経営改革を進める第6の鍵:部下育成への意識づけとノウハウ共有-上司・部下の意識・行動改革 
–経営改革を進める第7の鍵:コミュニケーション改善: ポジティブフィードバック、アクティブリスニング徹底 
–日本が変わった: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31677 
–大企業が変われない理由: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31888 
–リーンスタートアップの最新事情: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32038 
–SXSWが世界を動かす: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32138 
–大企業の改革と新事業立ち上げへのヒント: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33705 
–素早い仮説構築・検証・修正による商品開発 実践的リーンスタートアップ: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36828 日経ビジネスオンラインでのインタビュー記事 
–日本の大企業が再び輝きを取り戻すには: http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121112/239314/ 
–日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病: http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140324/261629
経営者はもちろん、経営幹部、部課長、社員に いたるまで全員の問題把握・解決力 (考え、発言し、行動する力)が鍵 
会社の置かれた状況をグローバルな顧客、競合、技術動向を 基に客観的、冷静に判断 
聖域なしに経営課題を整理し、果敢に実行 
自分の頭で物を考え、発言し、大胆に実行する経営者、経営 幹部、部課長、社員を育成 
組織の階層を減らし、優秀な人材に責任・権限を持たせる 
日本人以外もどんどん抜擢し、グローバルに課題実行 
30
(参考)自分は、会社に貢献し続けているか? 会社の今後の経営改革に貢献できるか? 
社長、役員、上司に期待しても、多くの場合は期待はずれ 
ただ、不満だけ言っていても何も変わらない 
そもそも、自分の力を日々強化しているか? 日々チャレンジし 続けているか? 部下にどう思われているか? 
給料の何倍も貢献し続けているのか? 
何歳でも、本気で思えば、十分成長し、貢献できる。会社にとって なくてはならない人材になる。成長をやめた時、あっという間にお 荷物になる 
惰性に流されたり、諦めてしまえば、そこで投了 
31
企業から新事業を生み出すには 
何としても自分でこの事業を成功させたいという熱意ある人材が 新事業の大前提 
①事業リーダーとしての資質、②成長意欲・成長力、③事業性(既 存事業の革新、周辺事業、新事業)の3点でプロジェクト化を決定 
プロジェクト化決定後、社長直下におく。予算300~500万円提供 
できるだけ複数プロジェクト間の健全な開発・事業化競争を起こす 
4ヶ月間、MVP(実証ミニプロダクト)を作り、可能であればサービ スを提供開始 . . . リーンスタートアップのアプローチは大企業でも 
ユーザー数推移、反響等を基に事業化を決定 
事業の筋がよければ、本格的に資源投入 
32
大企業と中小企業、ベンチャー 企業の連携 
33
連携に関しての大企業側の課題 
34 
自己都合で容赦なく変える 
オープンイノベーションがかけ声だけ 
悪意はあまりないが、ともかく遅い 
トップが決めても下が動かない 
経営者が意思決定できない
中小企業側の課題 
35 
人材が乏しい。人を育てない 
ハードウェア頼み。ITに弱い 
営業力が弱い。本気で売ろうとしない 
単品商売が多い 
経営者が本気で改革しようとしない
ベンチャー企業側の課題 
36 
人材が乏しい 
営業力が弱い 
市場が劇的に変化し、対応しきれない 
競合が殺到する 
社長の経営力、事業の基盤が弱い
(参考)大企業との連携で気をつけるべきこと 
担当者が気にいってくれたら、できるだけ早く上司に会わせてもらう 
–担当者の情報収集が目的のことが多い 
–担当者が上司を説得できないことが多い 
–意思決定者が誰か確認し、最速で近づく 
大企業の名前に心を躍らされない 
–大企業とのビジネスは過度に期待せず、慎重かつ大胆に 
–中小企業に対して健全な取引をする大企業、しない大企業 
–どんな素晴らしい大企業でも、1社に絞らない 
結局は、こちらに圧倒的な強みがなければ、いいように扱われる 
一喜一憂しないこと。平常心が一番 
37
38 
4.日本では、なぜ研究開発型ベ ンチャーがうまく育たないのか?
39 
ベンチャーに取り組もうという優秀人材がまだまだ少数 
–優秀な人材の大半を大企業が吸収している。リスクを取って創業 することは、まだ例外的。奨励されていない 
–特に優れた技術を持った技術者が大企業から独立したりスピンア ウトしたりすることは、非常に少数 
–独立しても、元の勤務先からの受託開発をするなど、ユニークな 製品・サービスの開発への取り組みが少ない 
–外国人の創業は、例外的。一方、シリコンバレーは過半が中国、 インド他諸外国から 
大企業がベンチャーからの製品・サービス購入に極めて消極的であ るため、ベンチャーの売上実績が中々上がらない。どのベンチャー も大変な苦労をしている 
政府、自治体等の中小企業、ベンチャーからの優先購買も限定的 (海外では多くの場合優先されている) 
日本で研究開発型ベンチャーがうまく育たない理由
40 
研究開発型ベンチャーの成功事例が身近に少ない 
–上場企業の中にも、研究開発型ベンチャーとしての独自性を 誇れる、説得力ある成功事例は少数 
–したがって、研究開発型ベンチャーの成功イメージがほとんど 共有されていない 
–特に技術者、研究者にとっては、身近にベンチャーを創業し、 大成功させた技術者・研究者社長などの成功体験者がほとん どいないため、実感が湧かない 
–シリコンバレーでは、週末のちょっとしたパーティーに成功した ベンチャー創業者が参加することも多く、ものすごく刺激を受け る。創業がごく当たり前の選択肢 
ベンチャーを成功させて得た資産を基に、次の世代のベンチャー に投資し育てようという人がまだ少数 
日本で研究開発型ベンチャーがうまく育たない理由
41 
5.大企業から技術者、研究者が スピンアウトして研究開発型ベン チャーを創業するメカニズムは?
42 
本来的 アントレ プレナー 
アントレ プレナー 予備軍 
機会があれば自ら 飛び出す。すでに スピンアウトした か、準備中 
様子見。早期退職 制度で若干は動く。 外資系企業への転 職は以前から多い 
行動の特徴 
ごく少数 
1割程度? 
中堅クラス 
組織内 の割合 
先輩アントレプレ ナーとの接触が きっかけに 
先輩からの刺激と 場の提供が不可欠 
このタイプへの働 きかけ 
創業する技術者、研究者
43 
フォロ ワー 
出向組 
先輩のスピンアウト 時に従って退社。あ るいは、一応順調な ことを見定め、転職 
自ら独立する勇気は ないが、職場・チー ムごとスピンアウトし てしまったのでやむ を得ず. . . 
1~2 割? 
若い層ほ ど多い 
大多数 
スピンアウトベン チャーの評判がよ ければ自らコンタ クトしてくる 
スピンアウト、分 社化の進展により 増える。適性があ る人は転籍も 
創業する技術者、研究者(続き) 
行動の特徴 
組織内 の割合 
このタイプへの働 きかけ
44 
創業にいたるパターン 
大企業・中堅企業 
本来的アントレプレナー 
予備軍、フォロワー 
一般
45 
創業にいたるパターン 
大企業・中堅企業 
出向後、 転籍 
チームで スピンアウト 
①少数の本来的アン トレプレナーがリード するスピンアウト 
本来的アントレプレナー 
予備軍、フォロワー 
一般
46 
創業にいたるパターン 
大企業・中堅企業 
出向後、 転籍 
チームで スピンアウト 
②スピンアウトベン チャーに参加し、刺激を 受けたフォロワーの創業 
本来的アントレプレナー 
予備軍、フォロワー 
一般 
①少数の本来的アン トレプレナーがリード するスピンアウト
47 
創業にいたるパターン 
大企業・中堅企業 
外資系企業 
出向後、 転籍 
外資系 に転職 
チームで スピンアウト 
大手外資系企業 へは転職しやすい 
少数の本来的アン トレプレナーがリー ドするスピンアウト 
スピンアウトベンチャー を参加し、刺激を受け たフォロワーの創業 
外資系を クッションに した創業 
創業
48 
スピンアウトベンチャーへの人材供給と アントレプレナーの養成・増殖 
ベンチャーで の経験で 刺激し、 
アントレプレ ナーを増殖 
2013 
14 
15 
16 
17 
18 
19 
20 
21 
22 
2023 
中堅・ 大企業 
転職 
創業 
転職 
転職 
創業 
創業 
中堅・ 大企業 
中堅・大企業
(参考)技術者・研究者にとっての創業とは 
いいこと 
理解しておくべきこと 
49 
自分がどうしてもやりたいこと、 一生取り組みたいことに挑戦 できる 
上司の説得や、社内政治・官 僚主義に無駄な時間を使う必 要がない 
定年退職がない。元気なうち はいつまででも楽しい人生を 送れる 
成功した場合は、収入が多い 
ものすごく大変だがやり がいがある 
当然ながら、事業は成功する ことも失敗することもある 
失敗しないように、事前の事 業性確認と、リーンスタート アップのアプローチが必要 
創業するからには、事業を成 功させるかどうかがすべて 
技術の面白さのみを追うわけ ではない 
社員を雇う場合は、社員や社 員の家族への責任が生じる 
楽は全くできない。すべ て自己責任
大企業技術者の創業・ 
経営支援例 
50
Jin-Magic: 世界初インターネット通信の帯域安定化ソフト 
インターネットの非効率を改善する、透明度の高い中継機構 
元富士通のトップ技術者が退職後にゼロベースで発明・開発 
国内大手ISPにて商用導入開始、国内外で商用評価中 
日米で基本特許取得済み 
51 
出典: http://www.jin-magic.com/ 
Jin- Magic による 帯域安 定化
52 
出典: http://www.eugrid.co.jp/ 
RAM workspace 
自動同期 
データセンター Amazon Azure 
データを端末に残さず、サーバーに置く 
デバイス紛失、盗難でも全く安全 
通信環境が不安定でも、ユーザーはストレスなし 
社内用PC、持ち出し用PCを1台に集約 
複数拠点に分散したデータを1箇所に集約 
地震、火災などで障害が発生しても、速やかに復旧 
VDI(仮想デスクトップ)に比べ、TCOが1/10レベル 
社長は大手電機製造業の技術者だった → Eugridが 2社目の創業 
by 
VDIを超える世界初のセ キュリティソリューション
53 
社長は、大手電機メーカーでのIT+グローバル開発の責任者の経験を 経て、2013年5月創業 
英語勉強の苦手な日本人でも脱落せず勉強し続けるよう、英語学 習方法のイノベーションとなる反転授業型英語学習ワークショップ &英語学習アプリ 
昨年の経産省「目利き・支援人材育成等事業」の支援対象 
出典: http://www.funlearning.co.jp/
54 
6.大学発ベンチャーのむずかしさ とベンチャー創出コミュニティ
55 
大学発ベンチャーに対する誤解、間違った期待 
大学での研究成果、大学周辺の人 材、民間の活力が触発現象を起こし、 事業意欲が刺激され、ベンチャーが 生み出される 
大学の先生が会社を設 立したり、社長になるこ とが、大学発ベン チャー . . . 
優れた研究成果は、ベンチャー成功 の必要条件の1つにすぎない。大部分 の研究は事業化に無縁か、実用まで 先が遠い 
優れた研究成果があれ ば、いいベンチャーがで きる . . . 
誤解、間違った期待 
より適切な考え方
56 
それだけでは不十分。周辺特許も含 め、明確な特許戦略が必要。しかも、特 許だけでは不十分で、創業者のリー ダーシップと市場機会の方がはるかに 重要 
特許をいくつか取得し たので、きっと、ベン チャーは成功するは ず . . . 
専門家ではない人が説明を聞き、重要 性、競合優位性、事業性を理解し、第三 者に説明できるようでなければ、事業と して成功しない 
研究成果は、専門家 じゃないと分からな い . . . 
誤解、間違った期待 
より適切な考え方 
大学発ベンチャーに対する誤解、間違った期待
大学周辺でベンチャーが順調に育たない理由 
57 
第4次ベンチャーブームとは言われても、優れたベンチャーそのものの数が米国 等に比べて圧倒的に少なく、優秀な学生もほとんどが大企業に就職する 
大学内外での出会いが少なく、起業につながらない 
研究開発型ベンチャーを起業しうる、実用性・応用性に優れた研究成果が少ない 
実用性に優れた研究への評価が低く、教員はベンチャーを成功させて世に貢献し ようという強い意欲を持ちづらい 
大学の研究成果を基にベンチャーを成功させようという起業意欲と事業経験のあ る人材は、例外的 
研究開発型ベンチャーに関して、説得力のある事業構想・計画の作成を手伝い、 起業前からきめ細かく支援するスキルと意欲を持つベンチャー支援者、ベンチャー キャピタルがほとんどいない 
結果として、ポテンシャルの高いベンチャーはほとんど起業されず、成功例が少な く、成功体験を持つ人材も乏しく好循環が始まらない 
大学発ベンチャーに対する誤解、間違った期待もいまだに大変強い
大学周辺でのベンチャーの位置づけをどう見るべきか 
第一のタイプ: いわゆる「大学発ベンチャー」 
–大学の研究成果を活用してベンチャーを起業する「狭義の大学発ベンチャー」と、 学生・卒業生・企業派遣の研究生などが大学周辺のインフラを活用して起業する 「広義の大学発ベンチャー」とがある  「大学周辺ベンチャー」 
–ベンチャーというからには、外部から資金を調達し、高成長を遂げ、比較的早く上場を目 指すことが期待される。新しい産業の創造に直接インパクトがある 
–当該ベンチャー創業者・経営陣の間でもし資金調達、高成長、上場・買収といった言葉 に違和感があるとすれば、その企業は「ベンチャー」というよりは、第二のタイプに属する 
第二のタイプ: 「大学周辺のSOHO的企業」 
–一人あるいは数人で小額の資金を持ち寄り、比較的簡単に起業する。生活の糧を得る ため、あるいは自分の好きなことを続けるため、自宅や小さなオフィスで始める 
–高成長や上場を目指すわけではないため、VCからの資金調達は期待できない。ただし 雇用創出・起業精神の高揚という面では重要である 
–ハードルはそれほど高くない。自然発生的 
第三のタイプ: 「大学から既存企業への技術提供・指導、共同研究」 
–新事業創造のシーズ提供、研究開発上のボトルネック克服の支援 
–日本企業の競争力向上の点から重要 
–従来から比較的行われてきた。ただし、受け皿である企業側の経営力・新事業創出力が 課題 
–起業ではないので、新陳代謝を促進しない 
58
地域で有望なベンチャーが創業され、 
成長できるイメージは? 
. . . まずは、大学周辺ベンチャーを 
59
60 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
入学 
技術移転・ 技術顧問 
大学 
学生 
教員
61 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 
入学 
卒業・就職 
創業・スピ ンアウト 
技術移転・ 技術顧問 
大学 
企業 
学生 
教員
62 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 
① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 
入学 
卒業・就職 
創業・スピ ンアウト 
技術移転・ 技術顧問 
創業 
大学 
企業 
学生 
教員
63 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
③ 学生・ 研究員が 大学周辺 で創業 
② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 
① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 
入学 
卒業・就職 
創業・スピ ンアウト 
技術移転・ 技術顧問 
創業 
創業 
大学 
企業 
学生 
教員
64 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
④ 教員が 大学を離 れ、創業 
③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 
② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 
① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 
入学 
卒業・就職 
創業・スピ ンアウト 
技術移転・ 技術顧問 
創業 
創業 
教員の 創業 
大学 
企業 
学生 
教員
65 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移転 を受け創業 
④ 教員が 大学を離 れ、創業 
③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 
② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 
① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 
入学 
卒業・就職 
創業・スピ ンアウト 
技術移転・ 技術顧問 
創業 
創業 
教員の 創業 
研究員 派遣 
創業 
大学 
企業 
企業 
学生 
教員
66 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
⑥ 企業から派 遣された研究 員が大学周 辺で創業 
⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移 転を受け創業 
④ 教員が 大学を離 れ、創業 
③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 
② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 
① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 
入学 
卒業・就職 
創業・スピ ンアウト 
技術移転・ 技術顧問 
創業 
創業 
教員の 創業 
研究員 派遣 
創業 
研究員 派遣 
大学 
企業 
企業 
企業 
学生 
教員
67 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
⑦企業の社 員が技術 移転を受 け、創業 
⑥ 企業から派遣 された研究員が 大学周辺で創業 
⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移 転を受け創業 
④ 教員が 大学を離 れ、創業 
③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 
② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 
① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 
入学 
卒業・就職 
創業・スピ ンアウト 
技術移転・ 技術顧問 
創業 
創業 
教員の 創業 
研究員 派遣 
創業 
研究員 派遣 
創業 
大学 
企業 
企業 
企業 
学生 
教員 
企業
68 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
⑦企業の社員 が技術移転 を受け、創業 
⑥ 企業から派遣 された研究員が 大学周辺で創業 
⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移 転を受け創業 
④ 教員が 大学を離 れ、創業 
③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 
② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 
① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 
入学 
卒業・就職 
創業・スピ ンアウト 
技術移転・ 技術顧問 
創業 
創業 
教員の 創業 
研究員 派遣 
創業 
研究員 派遣 
創業 
弁護士・公 認会計士・ 弁理士 
大学 
企業 
企業 
企業 
企業 
VC 
エンジェル 
地域の事業家 
インキュ ベータ 
TLO 
学生 
教員
69 
大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 
⑦企業の社員 が技術移転 を受け、創業 
⑥ 企業から派遣 された研究員が 大学周辺で創業 
⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移 転を受け創業 
④ 教員が 大学を離 れ、創業 
③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 
② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 
① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 
入学 
卒業・就職 
創業・スピ ンアウト 
技術移転・ 技術顧問 
創業 
創業 
教員の 創業 
研究員 派遣 
創業 
研究員 派遣 
創業 
弁護士・公 認会計士・ 弁理士 
大学 
企業 
企業 
企業 
企業 
VC 
エンジェル 
地域の事業家 
インキュ ベータ 
TLO 
学生 
教員 
スタートは、「大学周 辺ベンチャー」から
70 
7.日本人一人ひとりの問題把握・ 解決力をどう強化するのか?
71 
もっと多くの日本人がイノベーションを 起こせるようになるには? 
71 
LEDを発明しノーベル賞を受賞した中村教授など、ユニークな人材 はもちろんいるが、ほぼ例外的 
ソフトバンク孫正義さん、ファーストリテイリング柳井正さんも例外 
問題は、自分の頭で考え、問題を発見し、解決策を立案して行動で きる、付和雷同型でない人材をいかに今の10倍、100倍育てるか 
大企業の経営改革や新事業開発も、中小・中堅企業の経営改革、 新事業開発もいかにアントレプレナーシップの強い人材を育てるか に尽きる 
日本人一人ひとりの問題把握・解決力をいかに強化するかという地 に足の着いた活動が極めて重要
72 
イノベーションをリードできる、アントレプレナーシップ の強い人材をどうやって今の100倍にするか? 
72 
教育から根本的に変えないとだめ 
教える教師も変えないとだめ . . . 手っ取り早くは外国人を 
小学校から自分の頭で考え、発表し、行動する力をつける 
ただ、それを待っていられないので、できるところから着手した 
一人ひとりの日本人の問題把握・解決力を強化する 
そうやって育った人材は、周囲に強い影響を及ぼしてくれる 
幸い、イノベーションもアントレプレナーシップも伝染する 
その時、付和雷同型の日本社会、日本人気質が活きる
もやもやが解消し、問題把握・解決力が 強化され、行動を促す「メモ書き」 
73
頭がよくなり、考えが整理できるメモ書き 
メモを書くねらい 
–頭に浮かんだことをすべてメモに書き留めることにより、考えを整 理する、頭がすっきりする 
–自分が何を悩んでいるのか、はっきり見える。悩みが大幅に減る 
–メモが外部メモリになるため、頭の働きがよくなる 
–暗黙知を形式知化する 
–インタビューメモ、人から聞いたお話、ミーティング議事録など、すべて一 元管理できる 
方法 
–思いついたこと、気になること、疑問点、次にやるべきこと、自分の 成長課題など、頭に浮かんだことはすべてメモに書きとめる 
–メモはすべてA4コピーの裏紙に 
–必ず、1件1葉で。必ず横置きで、左上にタイトル、右上に日付を書く 
–頭に浮かんだことをすべて書く、ということで、毎日10ページ 
•真剣に考えていれば、毎日10ページ程度にはなる 
•1枚1分で素早く書く。毎日10分程度 
–夜まとめてではなく、思いついたその瞬間に書き留める、という習慣づけ 
74
メモに書き出してみる 
75 
嫌なこと、ストレスになっていることを全部書き出してしまう 
ぼかさず、相手の名前を入れて思う存分書き出してしまう 
言いたいこと、ぶちまけたいことを全部書く 
書きたいだけ書く。メモに負の感情を出すのは、決して悪いことで はない。抑えてもくすぶっていくだけなので、遠慮なく書く 
愚痴だと堂々巡りになりがちだが、メモにはそれがあまりない。目 の前にはっきり書かれていると、その次が自然に見えてくる 
書いてみると、なぜか新たな発見がある。直感力が活きる 
不思議なほど、考えが深まっていく
76 
メモ見本
77 
メモ見本 
左 に 寄 せ て 、 下 も 少 し 空 け て 
↑ 
4~6行、各20~30字 
A4横幅の2/3程度が目安
昨年末、「ゼロ秒思考」を出版。現在7万部強 
メモを毎日10ページ書くだけ 
–A4の裏紙を横置きにして 
–4~6行、各20~30字 
–1ページ1分で 
–毎日10ページ 
–思いついた時にさっと書く 
効果 
–迷いが大幅に解消する 
–自信が生まれる 
–頭がどんどん整理される 
–優先順位が明確になる 
–アクションが早くなる 
78 
出典: http://goo.gl/xUznv6
A4用紙に書く理由 
ノートを使わないのは? 
–ノートだと、あっという間に何十冊にもなってしまう 
–似たタイトルのメモがあっても整理できない 
–他のA4資料等と一緒に整理できない 
日記帳を使わないのは? 
–似たタイトルでも整理できない 
–怨念がたまる。なぜか頭の整理になりにくい 
PCでない理由は? 
–1分で1ページ書き出して、その場で並べてみることが全くできない 
–どこででも簡単に書く、ということがまだ現実的ではない 
–図を素早く書けないので、文字だけで無理やり表現しようとする 
スマートフォンでない理由は? 
–1分で4~6行、各20~30字のスピードが出ない 
–並べてみるなどが全くできない 
–図を素早く書けない 
79
クリアフォルダによるメモ整理 
80
メモを多面的に書く 
重要な課題に関して、多面的にメモ書きすることが重要 
例えば、「だめだと思っていることをずばっと言いきれないのは?」というタイトルのメモを書 いたとすると、それに加えて 
・なぜずばっと言いきれないのか? 
・ずばっと言いきらないと何がまずいのか? 
・ずばっと言われると相手はどう思うのか? 
・ずばっと言わない自分を相手はどう思うのか? 
・ずばっと言わないのは、具体的に何を指摘し、どう変えるべきかわからないからでは? 
・○○さんにずばっと言うべきことは? (4~5人を具体的に) 
・そもそもコーチングとは? 
・ずばっと言いきるのがいい時とまずい時は? 
をそれぞれメモに書くと効果的 
多面的に、こちら側からあちら側から、中から外から、上から下から書くことで 
1.今まで見えなかった側面がはっきり見える 
2.十分考えていなかったことをしっかり考えることができる 
3.理解不能と思っていた相手の行動、絶対いやだと思っていた相手・自分の行動への 
理解が深まる。別の見方ができる 
4.全体としてもやもやが整理でき、新しい自分としての取り組みができる 
81
メモ書きに対する質問 
82 
1分を超えたらストップすべきか? 
15秒程度であれば延ばして書く。ただし、 2~3分かけて書くのはよくない 
同じトピックが何度も浮かぶが? 
何度でも書く。気が済むまで書く 
書いたメモは見返さなくてよいのか? 
普段は必要ない。3,6ヶ月後に一度だけ 
フォルダ分けが必要か? 
初めて10日以内には7~10程度のフォル ダに分ける。頭が整理される 
1分で2行、10字くらいしか書けないが . . . 
1分で4~6行、20~30字を絶対に書く、 書けるようになるという信念で 
メモは取っておくのか? 
せっかく書いたものであるし、取っておけ ば . . .
83 
想いを7日間でいったん形にしてみる 
Amazon: http://www.amazon.co.jp/dp/4756916902/ 
頭に浮かぶものを全部メモに書き 出す(50~100ページ) 
それをざっとまとめる 
手書きのまま、顧客候補にインタ ビューしてみる 
新たな発見を入れ、パワーポイント に落とし込む 
プレゼン練習もしてみる 
そうすると課題が見え、アイデアが 湧いてくる 
7日で事業計画第一版ができ、次に 何をすべきか見えてくる 
社内の新事業でも、個人事業主で も、本格的な起業でも、
84 
「頭を前向きにする習慣」を 幻冬舎から12/1に出版 
Amazon: http://goo.gl/frE73R 
前向きになれずに困っている人が多い 
–前向きになる習慣を詳しく書いた 
–前向きになり、実行できるように 
目次 
–序章:頭を前向きにするメモ書きの 習慣 
–第1章:日本の危機 
–第2章:なぜ考えないのか 
–第3章:即断即決し、行動する習慣 
–第4章:人は誰でも前向きに考える 力がある 
–第5章:実行できる人になる 
–終章:前向きに考え、生きてみる
85 
リーダーシップ強化 
85
86 
日経主催「40歳からのネクストチャレンジ!」 一人ひとりの 戦闘力を抜本的に上げる講座、1/15から第3期を開催 
申し込み: http://eventregist.com/e/nssp 
第1期111名、第2期121名、第3期は150名予定。4回のセッション+懇親会で、多く の素晴らしい仲間ができます。過半が参加する勉強会も続いています。 
30代前半~60代まで幅広くご参加いただいています。 
参考: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40147
87 
個人向け「リーダーシップ強化ワークショップ& 問題解決支援」 
20~60代で、リーダーシップを強化し成長したい方へ。特に、本気で成長しようと努 力しているのに、壁に当たっている方のブレークスルーを強力に後押しし、自力で道 を切り開く方法論をお伝えします。 
20~60代で、リーダーシップを強化し成長したい方 
特に、本気で成長しようと努力しているのに、壁にぶち当たっている方 
キャリアチェンジに悩まれ、本気で生まれ変わりたい方 
定年退職前に自立したい方 
留学に向けた準備をしたい方 
前向き、ポジティブな思考を身につけたい方 
頭の中のモヤモヤを解消したい方 
もっと自信を持って生きたい方 
「どんなに努力をしてもいいから最速で成長したい」と考えている方 
「ゼロ秒思考」を読まれたり講演に参加された上で、個別の助言を求めておられる方 
大企業の役員、部課長で、経営革新・構造改革・グローバル化を加速する具体的な方法を知りたい方 
中堅・中小企業の社長、経営幹部で事業を最速で立て直したい方 
部下育成に悩まれている方 
事業の収益改善、売上・利益成長、新事業立ち上げ、組織改革、部下育成などの言葉にピンと来る方 
コミュニケーション上の悩みを解決したい方 
関係を悪化させずに言いたいことを遠慮なく言えるようになりたい方 
誰にも相談できないプライベートな悩みを解決する糸口を少しでも探したい方 
対象者
88 
「躊躇していましたが、明確なアドバイスをいただき、もやもやが消えました」 
「とても楽になりました」 
「外から見た意見をストレートに行っていただけて、やっぱりそうだったかと、目が覚めました」 
「一般的な世間のコーチングでは到底たどりつけない解を得られました」 
「今までも情報収集は積極的にしていたつもりでしたが、いかに偏った範囲でしか物事を見ていなかったのだなと痛感 しております」 
参加者の声 
リーダーシップ、問題把握・解決力、コミュニケーション力を強化する特訓をしていただきながら、個人向け問題解決支 援コンサルティングによる具体的助言に基づき、自信を持ってご自身の問題解決に取り組んでいただけるようにします 
ホワイトボードの活用のしかた、会議のファシリテーションのしかた、頭のモヤモヤ解消のしかた、けんか仲裁のしかた など、すぐに役に立つ実戦的な方法を身につけていただきます 
ワークショップ直後に一度、3週間以内にもう一度、個別面談により、プライバシー厳守での問題解決支援コンサルティ ングを実施し、最速での問題解決を支援します(1時間 x 2回) 
コース終了後も、メールでいつでも相談していただけますので、安心して新しいチャレンジに取り組んでいただけます 
マッキンゼー14年を含む28年のトップマネジメントコンサルティング経験により、世界的な視点から助言します 
問題点の把握、整理、解決策立案がものすごく早いことに驚かれると思います。あっという間に問題の本質に切り込み ます 
特長 
第2期(12/6(土) から) 10人 http://peatix.com/event/6267 終了 
第3期 (12/20(土) か ら)10人 http://peatix.com/event/62674/ 
第4期 (12/27(土) か ら)10人 http://peatix.com/event/62675/ 
スケジュール 
個人向け「リーダーシップ強化ワークショップ& 問題解決支援」
89 
英語力強化 
89
英語でのコミュニケーション力が多くの人に とって必須の時代 
東南アジア等、海外での事業機会が急成長している 
国内でも、株主、経営者、上司、部下が外国人になることがある 
英語でコミュニケーションできないと、現業でも起業しても、再就 職でも、仕事の幅が広がらない時代になった 
英語の記事をある程度読んだり、英語で発言・交渉できるように しておくことがキャリア上非常に大切に 
90 
日本人がなぜ英語が苦手かを徹底的に分析して、新しい方法を 開発した。ハングリー精神が弱く、英語の勉強に集中できない日 本人がなるほどと思える実戦的な英語勉強法を提供
「Fun英語」サバイバル英語力強化ワークショップ、 1/21から第2期を開催 
91 
Fun英語アプリ 
で宿題と添削 
→ 勉強の習慣 
日本人がなぜ英語が苦手か徹底的に分析し、新しい方法を開発。「これならでき る」と納得し、「なるほど」と思える実戦的な勉強法 
ネイティブとの演習や懇親会、メールやSNSを使った宿題・相談、スマホによる毎 日の練習など、必ず身につく徹底したサポート 
第1期生の声 
–聞けないから話せないことを悩んでいたが、この方法で続ければ聞けるよう になると期待できたことが大きな収穫(40代男性) 
–英語のまま理解して実践する一貫したコンセプトのもと、具体的に学ぶプロ グラムが実に良く練られていて勉強になった(30代女性) 
勉強法を学び、演習で実践 
申し込み: http://peatix.com/event/59883
プログラミング力強化 
92
93 
未経験から1ヶ月で 
サービスを作れるエンジニアになる 
出典: https://tech-camp.in/ 
1ヶ月でサービスを作れるプログラミングスキルを 
93
8.改めて、日本の挽回策は?
学校改革 
① 小学校から大学院までのIT教育の抜本的強化(ソフトウェア技術者養成) 
② 小学校から大学院までの科学・技術・イノベーション教育の抜本的強化 
③ 小学校から大学院までの英語実戦力の抜本的強化(グローバル人材養成) 
④ そのための教師補強、外国人教師の全面的採用(外国人教師採用が鍵) 
⑤ 学校制度の根本的見直し(入学がやさしく卒業がむずかしい制度に) 
⑥ 外国人留学生の10倍増、就職・生活支援(外国人留学生への敷居を下げる) 
⑦ 米国・アジアへの留学生を10倍増(期間は半年~2年) 
⑧ 大学のインキュベーションマネジャーに優秀人材を確保(年俸アップが必要) 
⑨ 大学キャンパスでの起業イベント、マッチングパーティー等の頻繁な開催 
⑩ 大学発ベンチャーの起業、起業支援のメリットを教員にも還元し、奨励 
規制緩和、特区実施、法人税引き下げ等、政治・省庁改革 
⑪ 規制緩和(薬のネット販売促進等、利益団体保護を極力撤廃) 
⑫ 特区の本格的実施(これまでは、かけ声のみで雲散霧消していた) 
⑬ 法人税引き下げ等を含む海外からの企業誘致(国際競争力をつける) 
⑭ IT技術者等へのビザ発行手続きの簡素化、住環境整備 
⑮ エンジェル税制の適用促進(現状は適用範囲、使い勝手等で利用が限定的) 
⑯ 各省庁への民間からの優秀人材登用 
⑰ 省益重視撤廃のための省庁トップ級の人事交流の大幅拡大等施策 
日本の挽回策 
95
企業経営の改革 
⑱ 企業の新陳代謝、選択と集中、M&A、市場からの退出を税制等で促進 
⑲ 企業の新事業創出を既存事業と全く別の体制で推進 
⑳ シリコンバレー、イスラエル等の海外VCへの出資、ベンチャー出資拡大 
㉑ 社外取締役機能の強化(社長への牽制・助言機能の強化) 
㉒ 社長後継者選抜・育成委員会の導入(3~5年かけて次期社長を選定) 
㉓ 経営幹部選抜・育成制度の導入(適切なローテーション、PL責任) 
㉔ 年功序列制の撤廃(人件費構造の見直し) 
㉕ 組織の簡素化、屋上屋の撤廃、官僚型組織の削減(定期的な見直し要) 
㉖ 余剰人員の再活性化、流動化(お荷物から事業貢献へ) 
㉗ 企業内保育園の整備、育児休暇制度の充実(女性の悪条件を極力改善) 
㉘ 女性管理職の大幅登用(会社としての目標設定、リーダーシップ強化支援) 
㉙ 外国人の大幅登用(グローバル人事制度の導入、英語公用語化の促進) 
起業促進 
㉚ 外国人の日本での起業を今の10倍以上に拡大(優遇制度の導入・強化) 
㉛ 起業促進、特に大企業の技術者・研究者、40代以上、女性の起業を10倍に 
㉜ VCのファンド調達額への同額出資を今の10倍以上に拡大(投資意欲拡大) 
㉝ VCが出資する際の同額出資を今の10倍以上に拡大 (投資意欲拡大) 
㉞ 企業がベンチャーに出資する際に同額出資、買収する際の優遇制度導入 
㉟ 産業革新機構、NEDO等の審査制度改善(審査委員、審査スピード) 
㊱ 政府調達の5%を設立5年以内の企業から調達 
㊲ 保育園・幼稚園、学童保育等を早期に完全整備し、女性の活躍を支援 
96
日本発の世界的ベンチャー、 世界的企業を! 
97 
ブレークスルーパートナーズ株式会社 
マネージングディレクター 
赤羽 雄二 
akaba@b-t-partners.com 
www.b-t-partners.com 
http://b-t-partners.com/akaba/ 
www.slideshare.net/yujiakaba/presentations 
http://twitter.com/#!/YujiAkaba 
www.facebook.com/yuji.akaba
98 
主な講演資料、ブログ 事業計画作成とベンチャー経営の手引き: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-7021997 ベンチャー人材確保ガイドライン: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-8854374 経産省イノベーション環境整備研修 最新のベンチャー起業環境と課題: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-32714627 リーンスタートアップ時代の事業計画作成、資金調達とサービス開発: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-16717087 大企業の経営改革とベンチャーの活性化で日本を再び元気に: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-16751751 ブレークスルーキャンプ決勝プレゼン大会: http://www.slideshare.net/yujiakaba/2011-9466238 全国VBLフォーラム第5回基調講演: http://www.slideshare.net/yujiakaba/5vbl クリーンテックベンチャー: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-8973633 現代ビジネス「ソーシャライズ!」でのブログ 
–日本が変わった: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31677 
–大企業が変われない理由: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31888 
–リーンスタートアップの最新事情: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32038 
–SXSWが世界を動かす: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32138 
–大企業の改革と新事業立ち上げへのヒント: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33705 
–素早い仮説構築・検証・修正による商品開発 実践的リーンスタートアップ: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36828 
–経営改革を進めるには7つの鍵を同時に開けること: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36859 
–経営改革を進める第1の鍵: ビジョンと戦略の変更、全社員への浸透 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41111 
–経営改革を進める第2の鍵: 既存事業の抜本的改善-詳細なターゲット設定と厳しい進捗管理 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41122 
–経営改革を進める第3の鍵: 複数の新規事業立ち上げ-リーンスタートアップ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41205 
–経営改革を進める第4の鍵:高度な経営支援能力の構築-経営改革推進チームの設置と実践トレーニング 
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41230 
–40歳からのネクストチャレンジ! --セカンドキャリアのための戦闘力アップ講座第一期を終えて http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40147 
–決定的に広がる日米製造大企業の競争力!: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39584 
–今後の技術・産業動向を占う10のキーワード【前編】: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39591 
–今後の技術・産業動向を占う10のキーワード【後編】: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39594 
–米国の優れた起業・イノベーション環境 と日本の挽回策を整理する: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39600 日経ビジネスオンラインでのインタビュー記事 
–日本の大企業が再び輝きを取り戻すには: http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121112/239314/ 
–日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病: http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140324/261629
略歴: 赤羽 雄二 東京大学工学部を1978年3月に卒業後、コマツで建設現場用の超大型ダンプトラックの設 計・開発に従事 1983~1985年、スタンフォード大学 大学院に留学(機械工学修士) 1986年、マッキンゼー入社。経営戦略、組織設計、マーケティング、新事業立ち上げなどの プロジェクト多数を14年間にわたりリード。うち、1990~2000年の10年間、マッキンゼーソウ ルオフィスを立ち上げ、韓国のトップグループの経営改革を推進 シリコンバレーのベンチャーキャピタルをへて、2002年、創業前、創業当初からの非常にき め細かな支援を特徴とするブレークスルーパートナーズ株式会社を森廣弘司と共同創業し、 「日本発の世界的ベンチャー」を生み出すべく活動。スマートフォン、ソーシャルメディア、コン テンツマーケティングに注目し、B2C、B2B両方の分野でリーンスタートアップを推進中 中堅・大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出にも深く関わっている 学生向けアプリ開発コンテスト、ブレークスルーキャンプ2011、2012 Summer 企画・運営 主要な学生向けビジネスプランコンテストでは、基調講演、審査員、メンター等を務める 米Fenox Venture Capitalアドバイザー 経済産業省「産業競争力と知的財産を考える研究会」、総務省「ITベンチャー研究会」委員、 「ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会」委員、 「事業計画作成支援コース」の 企画立案および講師、「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」著者 東京大学工学部「産業総論」、電気通信大学「ベンチャービジネス特論」、北陸先端科学技 術大学「ベンチャー創出論」講師 NEDO 技術委員、SUI(スタートアップイノベーター)事業カタライザー ベストセラー「ゼロ秒思考」、「7日で作る事業計画書」、「頭を前向きにする習慣」著者 ダイヤモンド社から来年1月に「速さはすべてを解決する ゼロ秒思考の仕事術」を出版 KADOKAWA中経出版から来年2月に「世界基準の上司力(仮題)」を出版 
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なぜ日本でイノベーションが起きにくいのか。どうしたらいいのか

  • 1. なぜ日本ではイノベーションが起き にくいのか。どうしたらいいのか ブレークスルーパートナーズ株式会社 マネージングディレクター 赤羽 雄二 [email protected] www.b-t-partners.com http://b-t-partners.com/akaba/ www.slideshare.net/yujiakaba/presentations http://twitter.com/#!/YujiAkaba www.facebook.com/yuji.akaba 2 0 1 4 年 1 2 月 1 3 日 知的財産マネジメント研究会(Smips) 産学連携によるイノベーション分科会 ← 新刊、ブログ記事、講演会の情報、講演 資料等お送りします。メアド登録をどうぞ。
  • 2. 内 容 1.私自身の経歴 2.今、日本はどういう危険にさらされているか? 3.どうやったら経営改革を起こせるのか? 4.日本では、なぜ研究開発型ベンチャーがうまく育たないのか? 5.大企業から技術者、研究者がスピンアウトして研究開発型ベン チャーを創業するメカニズムは? 6.大学発ベンチャーのむずかしさとベンチャー創出コミュニティ 7.日本人一人ひとりの問題把握・解決力をどう強化するのか? 8.改めて、日本の挽回策は? 1
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  • 23. シリコンバレーの人口の過半が中国・インドなど外国系 –IT系企業の中核人材の多くを占める –彼らの子息や新たな留学生など最優秀な人材がスタンフォード 大学、MIT等に行き、多くが起業し、再生産を加速 この間、オラクル、マイクロソフト、シスコ、クアルコム、アップル、 グーグル、アマゾン、Facebook、Twitter等が続々と設立され上場 –時価総額は、アップル84兆円、グーグル44兆円、マイクロソフト 47兆円、GE32兆円、オラクル23兆円 (120円/$として) –こういった企業が高額での買収を重ね、好循環をさらに加速 一方、90年代まで世界的ブランドであった日本の電機系製造大企 業の競争力はその後急落 トヨタ、ホンダ等の自動車メーカー、コマツなどの建機メーカー、日 立、東芝等の重電メーカーは好調であるが、時価総額はトヨタの25 兆円以外、せいぜい数兆円規模。米国企業の高業績・高時価総額 とは比較できない低い水準にある 22 日本は、米国の国家をあげた努力に負けた 出典: http://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm
  • 24. 米国企業との距離は、さらに急拡大中 日本にも、もちろん急成長を遂げている高収益企業もある –ソフトバンク(時価総額8兆円)、NTTドコモ(8兆円)、セブン&ア イホールディングス、ファーストリテイリング等 –しかし米国発の世界的企業(先ほどのリストに加え、インテル、 IBM、ウォルマート、P&G、コカコーラ、ボーイング等)とは比べ るべくもない 日本企業が高度成長期に急成長できたのは、日本人のものづくり 力の高さによっていた –高品質・低価格の商品を大量生産し、売りまくった –米国が巨大な消費国として君臨し、台湾、韓国、中国等が生産 国として登場していなかった時代に、日本企業は大活躍した ただ、その時代が終わり、付加価値の大半がIT、インターネット、プ ラットフォームに移った今、大半の日本企業は新しい付加価値をほ とんど取れないまま、業績を急速に悪化させていった。しかも、今の ところ、対応の目途は立っていない 自動車はコモディティー化がそこまで進んでいないので、競争力を 維持しているが、EVが普及するにつれ、部品点数が1桁減り、利益 急減の可能性が高い 23
  • 25. 米国企業との距離は、さらに急拡大中 3月にテキサス州オースティンで開催されたSXSW2014では、 –SXSW(サウスバイサウスウェスト)80カ国から3万人強が参加 –ウェラブル、IoTなど10分野で圧倒的なイノベーションと産業創造 が同時並行的に始まったことがはっきりと示された –全分野で、IT、インターネット、プラットフォームが付加価値の大 半を占める –これは、ほとんどの日本企業が得意ではない分野 –最近、ハードウェアも改めて注目されているが、これは「ネットワ ーク化されたハードウェア」 –大企業も中小企業も抜本的に取り組みを変えなければ、追いつく ことは極めて困難 日本がやるべきことは、この深刻な事態を直視し、抜本的な施策を 同時並行かつ10年以上の長期にわたって進めていくこと –大企業: 根本的な経営改革、新事業創出、ベンチャー投資 –中小企業: 根本的な事業構造改革、営業力強化、新事業創出 –ベンチャー: ダントツ技術の開発、プラットフォームビジネス –政策: イノベーションが生まれるエコシステムの確立促進 24
  • 26. 25 日米製造(IT関連)大企業の競争力変化 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 驚異の高度 成長期(モノ づくりによる) IT活用の弱さ、ベン チャー等によるイノ ベーション、新産業 創出力の貧弱さ。た だし、当面、自動車と 一部業種は順調 GM、フォード、 クライスラー、 RCA等、米製 造業の低迷 韓国、台湾、 中国、インド 企業の台頭 IT活用に よる挽回 「IT」 x 「データ」 x 「プラットフォー ム」 x 「ネットワーク化されたハード ウェア」のイノベーションによる数百 兆円に及ぶ産業創造 1. ウェアラブル 2. IoT(モノのインターネット化) 3. デジタルヘルス 4. コネクテッドカー、自動運転車 5. ロボティクス 6. ビッグデータ 7. 3Dプリンティング、メーカーズ革命 8. クラウドファンディング 9. 共有経済、共有サービス 10. セキュリティ、プライバシー 2014 相対的産業競争力 日本企業 ギャップが急拡大 米国企業
  • 27. http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39584 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39591 等 26 この問題に関連して、4つの記事を書きました
  • 29. 根本的な経営改革がどうしても必要 1.自社の強みを改めて棚卸して(強みの活用が重要)、 2.有望な新しい分野で何ができるのかを洗い出し、 3.成功可能性の高い分野を選定する。単なるハードウェアよりも サービス化、プラットフォーム化を(発想の転換) 4.新事業立ち上げプロジェクトを5~10並行して走らせる。ベン チャーと協業する、投資する、買収する、活かす 5.既存事業の売上・利益20~30%増プランを策定、実行 6.月次で厳しい進捗会議を行う 7.組織活性化につながる人材配置転換、組織階層の削減、コミュ ニケーション改善、経営体制変更、取締役会正常化を進める これらすべてを同時並行で進めることが必要。経営改革は一部だけい じっても進まない。経営者が動かなければ下から突き上げるしかない 28
  • 30. 「経営改革を進める7つの鍵」について書きました 29 現代ビジネス「ソーシャライズ!」でのブログ –経営改革を進めるには7つの鍵を同時に開けること: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36859 –経営改革を進める第1の鍵: ビジョンと戦略の変更、全社員への浸透 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41111 –経営改革を進める第2の鍵: 既存事業の抜本的改善 - 詳細なターゲット設定と厳しい進捗管理 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41122 –経営改革を進める第3の鍵: 複数の新規事業立ち上げ-リーンスタートアップ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41205 –経営改革を進める第4の鍵:高度な経営支援能力の構築 - 経営改革推進チーム設置と実践トレーニング http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41230 –経営改革を進める第5の鍵:幹部人材の把握と成長目標設定、成長への取り組み-人材開発委員会 –経営改革を進める第6の鍵:部下育成への意識づけとノウハウ共有-上司・部下の意識・行動改革 –経営改革を進める第7の鍵:コミュニケーション改善: ポジティブフィードバック、アクティブリスニング徹底 –日本が変わった: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31677 –大企業が変われない理由: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31888 –リーンスタートアップの最新事情: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32038 –SXSWが世界を動かす: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32138 –大企業の改革と新事業立ち上げへのヒント: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33705 –素早い仮説構築・検証・修正による商品開発 実践的リーンスタートアップ: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36828 日経ビジネスオンラインでのインタビュー記事 –日本の大企業が再び輝きを取り戻すには: http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121112/239314/ –日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病: http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140324/261629
  • 31. 経営者はもちろん、経営幹部、部課長、社員に いたるまで全員の問題把握・解決力 (考え、発言し、行動する力)が鍵 会社の置かれた状況をグローバルな顧客、競合、技術動向を 基に客観的、冷静に判断 聖域なしに経営課題を整理し、果敢に実行 自分の頭で物を考え、発言し、大胆に実行する経営者、経営 幹部、部課長、社員を育成 組織の階層を減らし、優秀な人材に責任・権限を持たせる 日本人以外もどんどん抜擢し、グローバルに課題実行 30
  • 32. (参考)自分は、会社に貢献し続けているか? 会社の今後の経営改革に貢献できるか? 社長、役員、上司に期待しても、多くの場合は期待はずれ ただ、不満だけ言っていても何も変わらない そもそも、自分の力を日々強化しているか? 日々チャレンジし 続けているか? 部下にどう思われているか? 給料の何倍も貢献し続けているのか? 何歳でも、本気で思えば、十分成長し、貢献できる。会社にとって なくてはならない人材になる。成長をやめた時、あっという間にお 荷物になる 惰性に流されたり、諦めてしまえば、そこで投了 31
  • 33. 企業から新事業を生み出すには 何としても自分でこの事業を成功させたいという熱意ある人材が 新事業の大前提 ①事業リーダーとしての資質、②成長意欲・成長力、③事業性(既 存事業の革新、周辺事業、新事業)の3点でプロジェクト化を決定 プロジェクト化決定後、社長直下におく。予算300~500万円提供 できるだけ複数プロジェクト間の健全な開発・事業化競争を起こす 4ヶ月間、MVP(実証ミニプロダクト)を作り、可能であればサービ スを提供開始 . . . リーンスタートアップのアプローチは大企業でも ユーザー数推移、反響等を基に事業化を決定 事業の筋がよければ、本格的に資源投入 32
  • 35. 連携に関しての大企業側の課題 34 自己都合で容赦なく変える オープンイノベーションがかけ声だけ 悪意はあまりないが、ともかく遅い トップが決めても下が動かない 経営者が意思決定できない
  • 36. 中小企業側の課題 35 人材が乏しい。人を育てない ハードウェア頼み。ITに弱い 営業力が弱い。本気で売ろうとしない 単品商売が多い 経営者が本気で改革しようとしない
  • 37. ベンチャー企業側の課題 36 人材が乏しい 営業力が弱い 市場が劇的に変化し、対応しきれない 競合が殺到する 社長の経営力、事業の基盤が弱い
  • 38. (参考)大企業との連携で気をつけるべきこと 担当者が気にいってくれたら、できるだけ早く上司に会わせてもらう –担当者の情報収集が目的のことが多い –担当者が上司を説得できないことが多い –意思決定者が誰か確認し、最速で近づく 大企業の名前に心を躍らされない –大企業とのビジネスは過度に期待せず、慎重かつ大胆に –中小企業に対して健全な取引をする大企業、しない大企業 –どんな素晴らしい大企業でも、1社に絞らない 結局は、こちらに圧倒的な強みがなければ、いいように扱われる 一喜一憂しないこと。平常心が一番 37
  • 40. 39 ベンチャーに取り組もうという優秀人材がまだまだ少数 –優秀な人材の大半を大企業が吸収している。リスクを取って創業 することは、まだ例外的。奨励されていない –特に優れた技術を持った技術者が大企業から独立したりスピンア ウトしたりすることは、非常に少数 –独立しても、元の勤務先からの受託開発をするなど、ユニークな 製品・サービスの開発への取り組みが少ない –外国人の創業は、例外的。一方、シリコンバレーは過半が中国、 インド他諸外国から 大企業がベンチャーからの製品・サービス購入に極めて消極的であ るため、ベンチャーの売上実績が中々上がらない。どのベンチャー も大変な苦労をしている 政府、自治体等の中小企業、ベンチャーからの優先購買も限定的 (海外では多くの場合優先されている) 日本で研究開発型ベンチャーがうまく育たない理由
  • 41. 40 研究開発型ベンチャーの成功事例が身近に少ない –上場企業の中にも、研究開発型ベンチャーとしての独自性を 誇れる、説得力ある成功事例は少数 –したがって、研究開発型ベンチャーの成功イメージがほとんど 共有されていない –特に技術者、研究者にとっては、身近にベンチャーを創業し、 大成功させた技術者・研究者社長などの成功体験者がほとん どいないため、実感が湧かない –シリコンバレーでは、週末のちょっとしたパーティーに成功した ベンチャー創業者が参加することも多く、ものすごく刺激を受け る。創業がごく当たり前の選択肢 ベンチャーを成功させて得た資産を基に、次の世代のベンチャー に投資し育てようという人がまだ少数 日本で研究開発型ベンチャーがうまく育たない理由
  • 43. 42 本来的 アントレ プレナー アントレ プレナー 予備軍 機会があれば自ら 飛び出す。すでに スピンアウトした か、準備中 様子見。早期退職 制度で若干は動く。 外資系企業への転 職は以前から多い 行動の特徴 ごく少数 1割程度? 中堅クラス 組織内 の割合 先輩アントレプレ ナーとの接触が きっかけに 先輩からの刺激と 場の提供が不可欠 このタイプへの働 きかけ 創業する技術者、研究者
  • 44. 43 フォロ ワー 出向組 先輩のスピンアウト 時に従って退社。あ るいは、一応順調な ことを見定め、転職 自ら独立する勇気は ないが、職場・チー ムごとスピンアウトし てしまったのでやむ を得ず. . . 1~2 割? 若い層ほ ど多い 大多数 スピンアウトベン チャーの評判がよ ければ自らコンタ クトしてくる スピンアウト、分 社化の進展により 増える。適性があ る人は転籍も 創業する技術者、研究者(続き) 行動の特徴 組織内 の割合 このタイプへの働 きかけ
  • 45. 44 創業にいたるパターン 大企業・中堅企業 本来的アントレプレナー 予備軍、フォロワー 一般
  • 46. 45 創業にいたるパターン 大企業・中堅企業 出向後、 転籍 チームで スピンアウト ①少数の本来的アン トレプレナーがリード するスピンアウト 本来的アントレプレナー 予備軍、フォロワー 一般
  • 47. 46 創業にいたるパターン 大企業・中堅企業 出向後、 転籍 チームで スピンアウト ②スピンアウトベン チャーに参加し、刺激を 受けたフォロワーの創業 本来的アントレプレナー 予備軍、フォロワー 一般 ①少数の本来的アン トレプレナーがリード するスピンアウト
  • 48. 47 創業にいたるパターン 大企業・中堅企業 外資系企業 出向後、 転籍 外資系 に転職 チームで スピンアウト 大手外資系企業 へは転職しやすい 少数の本来的アン トレプレナーがリー ドするスピンアウト スピンアウトベンチャー を参加し、刺激を受け たフォロワーの創業 外資系を クッションに した創業 創業
  • 49. 48 スピンアウトベンチャーへの人材供給と アントレプレナーの養成・増殖 ベンチャーで の経験で 刺激し、 アントレプレ ナーを増殖 2013 14 15 16 17 18 19 20 21 22 2023 中堅・ 大企業 転職 創業 転職 転職 創業 創業 中堅・ 大企業 中堅・大企業
  • 50. (参考)技術者・研究者にとっての創業とは いいこと 理解しておくべきこと 49 自分がどうしてもやりたいこと、 一生取り組みたいことに挑戦 できる 上司の説得や、社内政治・官 僚主義に無駄な時間を使う必 要がない 定年退職がない。元気なうち はいつまででも楽しい人生を 送れる 成功した場合は、収入が多い ものすごく大変だがやり がいがある 当然ながら、事業は成功する ことも失敗することもある 失敗しないように、事前の事 業性確認と、リーンスタート アップのアプローチが必要 創業するからには、事業を成 功させるかどうかがすべて 技術の面白さのみを追うわけ ではない 社員を雇う場合は、社員や社 員の家族への責任が生じる 楽は全くできない。すべ て自己責任
  • 52. Jin-Magic: 世界初インターネット通信の帯域安定化ソフト インターネットの非効率を改善する、透明度の高い中継機構 元富士通のトップ技術者が退職後にゼロベースで発明・開発 国内大手ISPにて商用導入開始、国内外で商用評価中 日米で基本特許取得済み 51 出典: http://www.jin-magic.com/ Jin- Magic による 帯域安 定化
  • 53. 52 出典: http://www.eugrid.co.jp/ RAM workspace 自動同期 データセンター Amazon Azure データを端末に残さず、サーバーに置く デバイス紛失、盗難でも全く安全 通信環境が不安定でも、ユーザーはストレスなし 社内用PC、持ち出し用PCを1台に集約 複数拠点に分散したデータを1箇所に集約 地震、火災などで障害が発生しても、速やかに復旧 VDI(仮想デスクトップ)に比べ、TCOが1/10レベル 社長は大手電機製造業の技術者だった → Eugridが 2社目の創業 by VDIを超える世界初のセ キュリティソリューション
  • 54. 53 社長は、大手電機メーカーでのIT+グローバル開発の責任者の経験を 経て、2013年5月創業 英語勉強の苦手な日本人でも脱落せず勉強し続けるよう、英語学 習方法のイノベーションとなる反転授業型英語学習ワークショップ &英語学習アプリ 昨年の経産省「目利き・支援人材育成等事業」の支援対象 出典: http://www.funlearning.co.jp/
  • 56. 55 大学発ベンチャーに対する誤解、間違った期待 大学での研究成果、大学周辺の人 材、民間の活力が触発現象を起こし、 事業意欲が刺激され、ベンチャーが 生み出される 大学の先生が会社を設 立したり、社長になるこ とが、大学発ベン チャー . . . 優れた研究成果は、ベンチャー成功 の必要条件の1つにすぎない。大部分 の研究は事業化に無縁か、実用まで 先が遠い 優れた研究成果があれ ば、いいベンチャーがで きる . . . 誤解、間違った期待 より適切な考え方
  • 57. 56 それだけでは不十分。周辺特許も含 め、明確な特許戦略が必要。しかも、特 許だけでは不十分で、創業者のリー ダーシップと市場機会の方がはるかに 重要 特許をいくつか取得し たので、きっと、ベン チャーは成功するは ず . . . 専門家ではない人が説明を聞き、重要 性、競合優位性、事業性を理解し、第三 者に説明できるようでなければ、事業と して成功しない 研究成果は、専門家 じゃないと分からな い . . . 誤解、間違った期待 より適切な考え方 大学発ベンチャーに対する誤解、間違った期待
  • 58. 大学周辺でベンチャーが順調に育たない理由 57 第4次ベンチャーブームとは言われても、優れたベンチャーそのものの数が米国 等に比べて圧倒的に少なく、優秀な学生もほとんどが大企業に就職する 大学内外での出会いが少なく、起業につながらない 研究開発型ベンチャーを起業しうる、実用性・応用性に優れた研究成果が少ない 実用性に優れた研究への評価が低く、教員はベンチャーを成功させて世に貢献し ようという強い意欲を持ちづらい 大学の研究成果を基にベンチャーを成功させようという起業意欲と事業経験のあ る人材は、例外的 研究開発型ベンチャーに関して、説得力のある事業構想・計画の作成を手伝い、 起業前からきめ細かく支援するスキルと意欲を持つベンチャー支援者、ベンチャー キャピタルがほとんどいない 結果として、ポテンシャルの高いベンチャーはほとんど起業されず、成功例が少な く、成功体験を持つ人材も乏しく好循環が始まらない 大学発ベンチャーに対する誤解、間違った期待もいまだに大変強い
  • 59. 大学周辺でのベンチャーの位置づけをどう見るべきか 第一のタイプ: いわゆる「大学発ベンチャー」 –大学の研究成果を活用してベンチャーを起業する「狭義の大学発ベンチャー」と、 学生・卒業生・企業派遣の研究生などが大学周辺のインフラを活用して起業する 「広義の大学発ベンチャー」とがある  「大学周辺ベンチャー」 –ベンチャーというからには、外部から資金を調達し、高成長を遂げ、比較的早く上場を目 指すことが期待される。新しい産業の創造に直接インパクトがある –当該ベンチャー創業者・経営陣の間でもし資金調達、高成長、上場・買収といった言葉 に違和感があるとすれば、その企業は「ベンチャー」というよりは、第二のタイプに属する 第二のタイプ: 「大学周辺のSOHO的企業」 –一人あるいは数人で小額の資金を持ち寄り、比較的簡単に起業する。生活の糧を得る ため、あるいは自分の好きなことを続けるため、自宅や小さなオフィスで始める –高成長や上場を目指すわけではないため、VCからの資金調達は期待できない。ただし 雇用創出・起業精神の高揚という面では重要である –ハードルはそれほど高くない。自然発生的 第三のタイプ: 「大学から既存企業への技術提供・指導、共同研究」 –新事業創造のシーズ提供、研究開発上のボトルネック克服の支援 –日本企業の競争力向上の点から重要 –従来から比較的行われてきた。ただし、受け皿である企業側の経営力・新事業創出力が 課題 –起業ではないので、新陳代謝を促進しない 58
  • 61. 60 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ 入学 技術移転・ 技術顧問 大学 学生 教員
  • 62. 61 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ ① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 入学 卒業・就職 創業・スピ ンアウト 技術移転・ 技術顧問 大学 企業 学生 教員
  • 63. 62 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ ② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 ① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 入学 卒業・就職 創業・スピ ンアウト 技術移転・ 技術顧問 創業 大学 企業 学生 教員
  • 64. 63 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ ③ 学生・ 研究員が 大学周辺 で創業 ② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 ① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 入学 卒業・就職 創業・スピ ンアウト 技術移転・ 技術顧問 創業 創業 大学 企業 学生 教員
  • 65. 64 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ ④ 教員が 大学を離 れ、創業 ③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 ② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 ① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 入学 卒業・就職 創業・スピ ンアウト 技術移転・ 技術顧問 創業 創業 教員の 創業 大学 企業 学生 教員
  • 66. 65 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ ⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移転 を受け創業 ④ 教員が 大学を離 れ、創業 ③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 ② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 ① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 入学 卒業・就職 創業・スピ ンアウト 技術移転・ 技術顧問 創業 創業 教員の 創業 研究員 派遣 創業 大学 企業 企業 学生 教員
  • 67. 66 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ ⑥ 企業から派 遣された研究 員が大学周 辺で創業 ⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移 転を受け創業 ④ 教員が 大学を離 れ、創業 ③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 ② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 ① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 入学 卒業・就職 創業・スピ ンアウト 技術移転・ 技術顧問 創業 創業 教員の 創業 研究員 派遣 創業 研究員 派遣 大学 企業 企業 企業 学生 教員
  • 68. 67 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ ⑦企業の社 員が技術 移転を受 け、創業 ⑥ 企業から派遣 された研究員が 大学周辺で創業 ⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移 転を受け創業 ④ 教員が 大学を離 れ、創業 ③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 ② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 ① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 入学 卒業・就職 創業・スピ ンアウト 技術移転・ 技術顧問 創業 創業 教員の 創業 研究員 派遣 創業 研究員 派遣 創業 大学 企業 企業 企業 学生 教員 企業
  • 69. 68 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ ⑦企業の社員 が技術移転 を受け、創業 ⑥ 企業から派遣 された研究員が 大学周辺で創業 ⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移 転を受け創業 ④ 教員が 大学を離 れ、創業 ③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 ② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 ① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 入学 卒業・就職 創業・スピ ンアウト 技術移転・ 技術顧問 創業 創業 教員の 創業 研究員 派遣 創業 研究員 派遣 創業 弁護士・公 認会計士・ 弁理士 大学 企業 企業 企業 企業 VC エンジェル 地域の事業家 インキュ ベータ TLO 学生 教員
  • 70. 69 大学を核とした、ベンチャー創出コミュニティ ⑦企業の社員 が技術移転 を受け、創業 ⑥ 企業から派遣 された研究員が 大学周辺で創業 ⑤ 企業から派 遣された研究 員が技術移 転を受け創業 ④ 教員が 大学を離 れ、創業 ③ 学生・ 研究員 が大学 周辺で 創業 ② 学生・研 究員が技 術移転を 受け、創業 ① 卒業生が 就職後、技 術移転を受 け、創業 入学 卒業・就職 創業・スピ ンアウト 技術移転・ 技術顧問 創業 創業 教員の 創業 研究員 派遣 創業 研究員 派遣 創業 弁護士・公 認会計士・ 弁理士 大学 企業 企業 企業 企業 VC エンジェル 地域の事業家 インキュ ベータ TLO 学生 教員 スタートは、「大学周 辺ベンチャー」から
  • 72. 71 もっと多くの日本人がイノベーションを 起こせるようになるには? 71 LEDを発明しノーベル賞を受賞した中村教授など、ユニークな人材 はもちろんいるが、ほぼ例外的 ソフトバンク孫正義さん、ファーストリテイリング柳井正さんも例外 問題は、自分の頭で考え、問題を発見し、解決策を立案して行動で きる、付和雷同型でない人材をいかに今の10倍、100倍育てるか 大企業の経営改革や新事業開発も、中小・中堅企業の経営改革、 新事業開発もいかにアントレプレナーシップの強い人材を育てるか に尽きる 日本人一人ひとりの問題把握・解決力をいかに強化するかという地 に足の着いた活動が極めて重要
  • 73. 72 イノベーションをリードできる、アントレプレナーシップ の強い人材をどうやって今の100倍にするか? 72 教育から根本的に変えないとだめ 教える教師も変えないとだめ . . . 手っ取り早くは外国人を 小学校から自分の頭で考え、発表し、行動する力をつける ただ、それを待っていられないので、できるところから着手した 一人ひとりの日本人の問題把握・解決力を強化する そうやって育った人材は、周囲に強い影響を及ぼしてくれる 幸い、イノベーションもアントレプレナーシップも伝染する その時、付和雷同型の日本社会、日本人気質が活きる
  • 75. 頭がよくなり、考えが整理できるメモ書き メモを書くねらい –頭に浮かんだことをすべてメモに書き留めることにより、考えを整 理する、頭がすっきりする –自分が何を悩んでいるのか、はっきり見える。悩みが大幅に減る –メモが外部メモリになるため、頭の働きがよくなる –暗黙知を形式知化する –インタビューメモ、人から聞いたお話、ミーティング議事録など、すべて一 元管理できる 方法 –思いついたこと、気になること、疑問点、次にやるべきこと、自分の 成長課題など、頭に浮かんだことはすべてメモに書きとめる –メモはすべてA4コピーの裏紙に –必ず、1件1葉で。必ず横置きで、左上にタイトル、右上に日付を書く –頭に浮かんだことをすべて書く、ということで、毎日10ページ •真剣に考えていれば、毎日10ページ程度にはなる •1枚1分で素早く書く。毎日10分程度 –夜まとめてではなく、思いついたその瞬間に書き留める、という習慣づけ 74
  • 76. メモに書き出してみる 75 嫌なこと、ストレスになっていることを全部書き出してしまう ぼかさず、相手の名前を入れて思う存分書き出してしまう 言いたいこと、ぶちまけたいことを全部書く 書きたいだけ書く。メモに負の感情を出すのは、決して悪いことで はない。抑えてもくすぶっていくだけなので、遠慮なく書く 愚痴だと堂々巡りになりがちだが、メモにはそれがあまりない。目 の前にはっきり書かれていると、その次が自然に見えてくる 書いてみると、なぜか新たな発見がある。直感力が活きる 不思議なほど、考えが深まっていく
  • 78. 77 メモ見本 左 に 寄 せ て 、 下 も 少 し 空 け て ↑ 4~6行、各20~30字 A4横幅の2/3程度が目安
  • 79. 昨年末、「ゼロ秒思考」を出版。現在7万部強 メモを毎日10ページ書くだけ –A4の裏紙を横置きにして –4~6行、各20~30字 –1ページ1分で –毎日10ページ –思いついた時にさっと書く 効果 –迷いが大幅に解消する –自信が生まれる –頭がどんどん整理される –優先順位が明確になる –アクションが早くなる 78 出典: http://goo.gl/xUznv6
  • 80. A4用紙に書く理由 ノートを使わないのは? –ノートだと、あっという間に何十冊にもなってしまう –似たタイトルのメモがあっても整理できない –他のA4資料等と一緒に整理できない 日記帳を使わないのは? –似たタイトルでも整理できない –怨念がたまる。なぜか頭の整理になりにくい PCでない理由は? –1分で1ページ書き出して、その場で並べてみることが全くできない –どこででも簡単に書く、ということがまだ現実的ではない –図を素早く書けないので、文字だけで無理やり表現しようとする スマートフォンでない理由は? –1分で4~6行、各20~30字のスピードが出ない –並べてみるなどが全くできない –図を素早く書けない 79
  • 82. メモを多面的に書く 重要な課題に関して、多面的にメモ書きすることが重要 例えば、「だめだと思っていることをずばっと言いきれないのは?」というタイトルのメモを書 いたとすると、それに加えて ・なぜずばっと言いきれないのか? ・ずばっと言いきらないと何がまずいのか? ・ずばっと言われると相手はどう思うのか? ・ずばっと言わない自分を相手はどう思うのか? ・ずばっと言わないのは、具体的に何を指摘し、どう変えるべきかわからないからでは? ・○○さんにずばっと言うべきことは? (4~5人を具体的に) ・そもそもコーチングとは? ・ずばっと言いきるのがいい時とまずい時は? をそれぞれメモに書くと効果的 多面的に、こちら側からあちら側から、中から外から、上から下から書くことで 1.今まで見えなかった側面がはっきり見える 2.十分考えていなかったことをしっかり考えることができる 3.理解不能と思っていた相手の行動、絶対いやだと思っていた相手・自分の行動への 理解が深まる。別の見方ができる 4.全体としてもやもやが整理でき、新しい自分としての取り組みができる 81
  • 83. メモ書きに対する質問 82 1分を超えたらストップすべきか? 15秒程度であれば延ばして書く。ただし、 2~3分かけて書くのはよくない 同じトピックが何度も浮かぶが? 何度でも書く。気が済むまで書く 書いたメモは見返さなくてよいのか? 普段は必要ない。3,6ヶ月後に一度だけ フォルダ分けが必要か? 初めて10日以内には7~10程度のフォル ダに分ける。頭が整理される 1分で2行、10字くらいしか書けないが . . . 1分で4~6行、20~30字を絶対に書く、 書けるようになるという信念で メモは取っておくのか? せっかく書いたものであるし、取っておけ ば . . .
  • 84. 83 想いを7日間でいったん形にしてみる Amazon: http://www.amazon.co.jp/dp/4756916902/ 頭に浮かぶものを全部メモに書き 出す(50~100ページ) それをざっとまとめる 手書きのまま、顧客候補にインタ ビューしてみる 新たな発見を入れ、パワーポイント に落とし込む プレゼン練習もしてみる そうすると課題が見え、アイデアが 湧いてくる 7日で事業計画第一版ができ、次に 何をすべきか見えてくる 社内の新事業でも、個人事業主で も、本格的な起業でも、
  • 85. 84 「頭を前向きにする習慣」を 幻冬舎から12/1に出版 Amazon: http://goo.gl/frE73R 前向きになれずに困っている人が多い –前向きになる習慣を詳しく書いた –前向きになり、実行できるように 目次 –序章:頭を前向きにするメモ書きの 習慣 –第1章:日本の危機 –第2章:なぜ考えないのか –第3章:即断即決し、行動する習慣 –第4章:人は誰でも前向きに考える 力がある –第5章:実行できる人になる –終章:前向きに考え、生きてみる
  • 87. 86 日経主催「40歳からのネクストチャレンジ!」 一人ひとりの 戦闘力を抜本的に上げる講座、1/15から第3期を開催 申し込み: http://eventregist.com/e/nssp 第1期111名、第2期121名、第3期は150名予定。4回のセッション+懇親会で、多く の素晴らしい仲間ができます。過半が参加する勉強会も続いています。 30代前半~60代まで幅広くご参加いただいています。 参考: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40147
  • 88. 87 個人向け「リーダーシップ強化ワークショップ& 問題解決支援」 20~60代で、リーダーシップを強化し成長したい方へ。特に、本気で成長しようと努 力しているのに、壁に当たっている方のブレークスルーを強力に後押しし、自力で道 を切り開く方法論をお伝えします。 20~60代で、リーダーシップを強化し成長したい方 特に、本気で成長しようと努力しているのに、壁にぶち当たっている方 キャリアチェンジに悩まれ、本気で生まれ変わりたい方 定年退職前に自立したい方 留学に向けた準備をしたい方 前向き、ポジティブな思考を身につけたい方 頭の中のモヤモヤを解消したい方 もっと自信を持って生きたい方 「どんなに努力をしてもいいから最速で成長したい」と考えている方 「ゼロ秒思考」を読まれたり講演に参加された上で、個別の助言を求めておられる方 大企業の役員、部課長で、経営革新・構造改革・グローバル化を加速する具体的な方法を知りたい方 中堅・中小企業の社長、経営幹部で事業を最速で立て直したい方 部下育成に悩まれている方 事業の収益改善、売上・利益成長、新事業立ち上げ、組織改革、部下育成などの言葉にピンと来る方 コミュニケーション上の悩みを解決したい方 関係を悪化させずに言いたいことを遠慮なく言えるようになりたい方 誰にも相談できないプライベートな悩みを解決する糸口を少しでも探したい方 対象者
  • 89. 88 「躊躇していましたが、明確なアドバイスをいただき、もやもやが消えました」 「とても楽になりました」 「外から見た意見をストレートに行っていただけて、やっぱりそうだったかと、目が覚めました」 「一般的な世間のコーチングでは到底たどりつけない解を得られました」 「今までも情報収集は積極的にしていたつもりでしたが、いかに偏った範囲でしか物事を見ていなかったのだなと痛感 しております」 参加者の声 リーダーシップ、問題把握・解決力、コミュニケーション力を強化する特訓をしていただきながら、個人向け問題解決支 援コンサルティングによる具体的助言に基づき、自信を持ってご自身の問題解決に取り組んでいただけるようにします ホワイトボードの活用のしかた、会議のファシリテーションのしかた、頭のモヤモヤ解消のしかた、けんか仲裁のしかた など、すぐに役に立つ実戦的な方法を身につけていただきます ワークショップ直後に一度、3週間以内にもう一度、個別面談により、プライバシー厳守での問題解決支援コンサルティ ングを実施し、最速での問題解決を支援します(1時間 x 2回) コース終了後も、メールでいつでも相談していただけますので、安心して新しいチャレンジに取り組んでいただけます マッキンゼー14年を含む28年のトップマネジメントコンサルティング経験により、世界的な視点から助言します 問題点の把握、整理、解決策立案がものすごく早いことに驚かれると思います。あっという間に問題の本質に切り込み ます 特長 第2期(12/6(土) から) 10人 http://peatix.com/event/6267 終了 第3期 (12/20(土) か ら)10人 http://peatix.com/event/62674/ 第4期 (12/27(土) か ら)10人 http://peatix.com/event/62675/ スケジュール 個人向け「リーダーシップ強化ワークショップ& 問題解決支援」
  • 91. 英語でのコミュニケーション力が多くの人に とって必須の時代 東南アジア等、海外での事業機会が急成長している 国内でも、株主、経営者、上司、部下が外国人になることがある 英語でコミュニケーションできないと、現業でも起業しても、再就 職でも、仕事の幅が広がらない時代になった 英語の記事をある程度読んだり、英語で発言・交渉できるように しておくことがキャリア上非常に大切に 90 日本人がなぜ英語が苦手かを徹底的に分析して、新しい方法を 開発した。ハングリー精神が弱く、英語の勉強に集中できない日 本人がなるほどと思える実戦的な英語勉強法を提供
  • 92. 「Fun英語」サバイバル英語力強化ワークショップ、 1/21から第2期を開催 91 Fun英語アプリ で宿題と添削 → 勉強の習慣 日本人がなぜ英語が苦手か徹底的に分析し、新しい方法を開発。「これならでき る」と納得し、「なるほど」と思える実戦的な勉強法 ネイティブとの演習や懇親会、メールやSNSを使った宿題・相談、スマホによる毎 日の練習など、必ず身につく徹底したサポート 第1期生の声 –聞けないから話せないことを悩んでいたが、この方法で続ければ聞けるよう になると期待できたことが大きな収穫(40代男性) –英語のまま理解して実践する一貫したコンセプトのもと、具体的に学ぶプロ グラムが実に良く練られていて勉強になった(30代女性) 勉強法を学び、演習で実践 申し込み: http://peatix.com/event/59883
  • 94. 93 未経験から1ヶ月で サービスを作れるエンジニアになる 出典: https://tech-camp.in/ 1ヶ月でサービスを作れるプログラミングスキルを 93
  • 96. 学校改革 ① 小学校から大学院までのIT教育の抜本的強化(ソフトウェア技術者養成) ② 小学校から大学院までの科学・技術・イノベーション教育の抜本的強化 ③ 小学校から大学院までの英語実戦力の抜本的強化(グローバル人材養成) ④ そのための教師補強、外国人教師の全面的採用(外国人教師採用が鍵) ⑤ 学校制度の根本的見直し(入学がやさしく卒業がむずかしい制度に) ⑥ 外国人留学生の10倍増、就職・生活支援(外国人留学生への敷居を下げる) ⑦ 米国・アジアへの留学生を10倍増(期間は半年~2年) ⑧ 大学のインキュベーションマネジャーに優秀人材を確保(年俸アップが必要) ⑨ 大学キャンパスでの起業イベント、マッチングパーティー等の頻繁な開催 ⑩ 大学発ベンチャーの起業、起業支援のメリットを教員にも還元し、奨励 規制緩和、特区実施、法人税引き下げ等、政治・省庁改革 ⑪ 規制緩和(薬のネット販売促進等、利益団体保護を極力撤廃) ⑫ 特区の本格的実施(これまでは、かけ声のみで雲散霧消していた) ⑬ 法人税引き下げ等を含む海外からの企業誘致(国際競争力をつける) ⑭ IT技術者等へのビザ発行手続きの簡素化、住環境整備 ⑮ エンジェル税制の適用促進(現状は適用範囲、使い勝手等で利用が限定的) ⑯ 各省庁への民間からの優秀人材登用 ⑰ 省益重視撤廃のための省庁トップ級の人事交流の大幅拡大等施策 日本の挽回策 95
  • 97. 企業経営の改革 ⑱ 企業の新陳代謝、選択と集中、M&A、市場からの退出を税制等で促進 ⑲ 企業の新事業創出を既存事業と全く別の体制で推進 ⑳ シリコンバレー、イスラエル等の海外VCへの出資、ベンチャー出資拡大 ㉑ 社外取締役機能の強化(社長への牽制・助言機能の強化) ㉒ 社長後継者選抜・育成委員会の導入(3~5年かけて次期社長を選定) ㉓ 経営幹部選抜・育成制度の導入(適切なローテーション、PL責任) ㉔ 年功序列制の撤廃(人件費構造の見直し) ㉕ 組織の簡素化、屋上屋の撤廃、官僚型組織の削減(定期的な見直し要) ㉖ 余剰人員の再活性化、流動化(お荷物から事業貢献へ) ㉗ 企業内保育園の整備、育児休暇制度の充実(女性の悪条件を極力改善) ㉘ 女性管理職の大幅登用(会社としての目標設定、リーダーシップ強化支援) ㉙ 外国人の大幅登用(グローバル人事制度の導入、英語公用語化の促進) 起業促進 ㉚ 外国人の日本での起業を今の10倍以上に拡大(優遇制度の導入・強化) ㉛ 起業促進、特に大企業の技術者・研究者、40代以上、女性の起業を10倍に ㉜ VCのファンド調達額への同額出資を今の10倍以上に拡大(投資意欲拡大) ㉝ VCが出資する際の同額出資を今の10倍以上に拡大 (投資意欲拡大) ㉞ 企業がベンチャーに出資する際に同額出資、買収する際の優遇制度導入 ㉟ 産業革新機構、NEDO等の審査制度改善(審査委員、審査スピード) ㊱ 政府調達の5%を設立5年以内の企業から調達 ㊲ 保育園・幼稚園、学童保育等を早期に完全整備し、女性の活躍を支援 96
  • 98. 日本発の世界的ベンチャー、 世界的企業を! 97 ブレークスルーパートナーズ株式会社 マネージングディレクター 赤羽 雄二 [email protected] www.b-t-partners.com http://b-t-partners.com/akaba/ www.slideshare.net/yujiakaba/presentations http://twitter.com/#!/YujiAkaba www.facebook.com/yuji.akaba
  • 99. 98 主な講演資料、ブログ 事業計画作成とベンチャー経営の手引き: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-7021997 ベンチャー人材確保ガイドライン: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-8854374 経産省イノベーション環境整備研修 最新のベンチャー起業環境と課題: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-32714627 リーンスタートアップ時代の事業計画作成、資金調達とサービス開発: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-16717087 大企業の経営改革とベンチャーの活性化で日本を再び元気に: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-16751751 ブレークスルーキャンプ決勝プレゼン大会: http://www.slideshare.net/yujiakaba/2011-9466238 全国VBLフォーラム第5回基調講演: http://www.slideshare.net/yujiakaba/5vbl クリーンテックベンチャー: http://www.slideshare.net/yujiakaba/ss-8973633 現代ビジネス「ソーシャライズ!」でのブログ –日本が変わった: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31677 –大企業が変われない理由: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31888 –リーンスタートアップの最新事情: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32038 –SXSWが世界を動かす: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32138 –大企業の改革と新事業立ち上げへのヒント: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33705 –素早い仮説構築・検証・修正による商品開発 実践的リーンスタートアップ: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36828 –経営改革を進めるには7つの鍵を同時に開けること: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36859 –経営改革を進める第1の鍵: ビジョンと戦略の変更、全社員への浸透 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41111 –経営改革を進める第2の鍵: 既存事業の抜本的改善-詳細なターゲット設定と厳しい進捗管理 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41122 –経営改革を進める第3の鍵: 複数の新規事業立ち上げ-リーンスタートアップ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41205 –経営改革を進める第4の鍵:高度な経営支援能力の構築-経営改革推進チームの設置と実践トレーニング http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41230 –40歳からのネクストチャレンジ! --セカンドキャリアのための戦闘力アップ講座第一期を終えて http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40147 –決定的に広がる日米製造大企業の競争力!: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39584 –今後の技術・産業動向を占う10のキーワード【前編】: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39591 –今後の技術・産業動向を占う10のキーワード【後編】: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39594 –米国の優れた起業・イノベーション環境 と日本の挽回策を整理する: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39600 日経ビジネスオンラインでのインタビュー記事 –日本の大企業が再び輝きを取り戻すには: http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121112/239314/ –日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病: http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140324/261629
  • 100. 略歴: 赤羽 雄二 東京大学工学部を1978年3月に卒業後、コマツで建設現場用の超大型ダンプトラックの設 計・開発に従事 1983~1985年、スタンフォード大学 大学院に留学(機械工学修士) 1986年、マッキンゼー入社。経営戦略、組織設計、マーケティング、新事業立ち上げなどの プロジェクト多数を14年間にわたりリード。うち、1990~2000年の10年間、マッキンゼーソウ ルオフィスを立ち上げ、韓国のトップグループの経営改革を推進 シリコンバレーのベンチャーキャピタルをへて、2002年、創業前、創業当初からの非常にき め細かな支援を特徴とするブレークスルーパートナーズ株式会社を森廣弘司と共同創業し、 「日本発の世界的ベンチャー」を生み出すべく活動。スマートフォン、ソーシャルメディア、コン テンツマーケティングに注目し、B2C、B2B両方の分野でリーンスタートアップを推進中 中堅・大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出にも深く関わっている 学生向けアプリ開発コンテスト、ブレークスルーキャンプ2011、2012 Summer 企画・運営 主要な学生向けビジネスプランコンテストでは、基調講演、審査員、メンター等を務める 米Fenox Venture Capitalアドバイザー 経済産業省「産業競争力と知的財産を考える研究会」、総務省「ITベンチャー研究会」委員、 「ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会」委員、 「事業計画作成支援コース」の 企画立案および講師、「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」著者 東京大学工学部「産業総論」、電気通信大学「ベンチャービジネス特論」、北陸先端科学技 術大学「ベンチャー創出論」講師 NEDO 技術委員、SUI(スタートアップイノベーター)事業カタライザー ベストセラー「ゼロ秒思考」、「7日で作る事業計画書」、「頭を前向きにする習慣」著者 ダイヤモンド社から来年1月に「速さはすべてを解決する ゼロ秒思考の仕事術」を出版 KADOKAWA中経出版から来年2月に「世界基準の上司力(仮題)」を出版 99
  • 101. 今日の感想、発見、質問等をぜひ、[email protected] ま でお送りください。 いつでも、何でもご相談ください。すぐお返事します。 別途、http://b-t-partners.com/akaba/ の方にメールアドレスを登 録しておいていただければ、新刊情報、ブログ記事、講演会資料等 お送りします。 Twitterで@yujiakabaのフォローをしていただければ、有用情報を 流しています。 1.今日の感想、発見 2.今日から何をどう変えるか 3.今日の講義でわかりにくかったこと、質問内容 4.それ以外になんでも 100