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ブラウザの歴史
Webについての基礎知識
• Webというのは、World Wide Webの略
 – 蜘蛛の巣のようなつながり
• World Wide Webは、インターネットが一般使
  用可能になった時期に前後して登場
WEBブラウザの誕生
World Wide Webの誕生
• ティム・バーナーズ・
  リーがCERN(欧州原子
  核研究機構)に在籍し
  ている際に発明
• 1990年誕生
• クライアント(ブラウザ)
  とサーバーの両方を開
  発
World Wide Webの誕生
http://groups.google.com/group/alt.hypertext/msg/395f282a67a1916
   c

                 WorldWideWeb - Executive Summary

The WWW project merges the techniques of information retrieval and
  hypertext to make an easy but powerful global information system.

      The project started with the philosophy that much academic
     information should be freely available to anyone. It aims to allow
   information sharing within internationally dispersed teams, and the
             dissemination of information by support groups.
First Web Server
なぜWorld Wide Webが生まれたか

• 自分のワークステーションにない文書を読む
  方法
• 持っていない文書は他の人のワークステー
  ションに保存されている
• その文書を効率的に参照するには?
Web
• HTMLという記述フォーマット
 – ハイパーリンク
   • 概念自体は非常に昔から存在 (1960年代)
• HTTPという通信方式
• URIという識別子
NCSA Mosaic
• NCSA (イリノイ大学)に
  てマーク・アンドリーセ
  ンなどにより1993年に
  誕生
• WWWを拡張して画像
  を扱えるなどの独特の
  機能を持つ
Netscapeの誕生
• NCSA Mosaicを開発し
  たマーク・アンドリーセ
  ンがシリコン・グラフィッ
  クスの創業者ジム・ク
  ラークと共同で設立し
  た会社
Netscape Navigator
• 1994年10月に最初のリリー
  ス (Version 0.9)
• Mosaicを破壊する怪獣 =
  Mosaic + Gozilla = Mozillaが
  コードネーム
• 有料版と、期間限定のベー
  タ版をリリース
   – ベータ版は無料で利用可能

• Jamie Zawinskiによる開発
  日記(の日本語訳)
   – http://cruel.org/jwz/nscpdor
     m.html
なぜNetscape Navigator?
• 人気を博した理由
 – 独自の拡張
  • クッキー
  • SSL (Version 1.1)
  • HTMLの独自拡張
 – HTMLの仕様よりも先に実装が行われていた
  • 実装が行われた後に、後を追う形で仕様が決まる
インタラクティブなページの出現
いままでのWeb
• これまでのWebは画像とテキストのみ
• たとえば、クリックしたら、画面の一部が変化
  するというようなことが出来なかった
• 動的なページを作成するには、新たな仕組み
  が必要
Java
• Sun Microsystems (現Oracle)により開発され
  た言語、プラットフォーム
• 1995年に登場
• Java Applet
  – ブラウザ上でアプリケーションを動かす仕組み
HotJava
• Javaによって書かれた
  Webブラウザ
JavaScript
• 1995年に発表
• 開発者はBrendan Eich
• 当初は、LiveScriptという名称
  – Javaの登場によって、JavaScriptへ名称変更
• Netscape Navigator 2.0で登場
Netscape Navigator 2.0
• <FRAME>などのさらな
  る独自拡張
• JavaScriptの搭載
• Javaの標準搭載
• プラグイン機構
 – ブラウザを拡張する仕
   組み
 – FlashやAcrobatなどが生
   まれる
MICROSOFTの逆襲
Microsoftの逆襲
• “The Internet Tidal Wave” by Bill Gates, 1995
  – http://www.justice.gov/atr/cases/exhibits/20.pdf
  – 今のままでは、Microsoftはインターネットという新
    しい波において行かれる
  – 全製品群のインターネット戦略を練り直す
Internet Explorer 3
• Microsoftにとって、初
  めて本格的に開発され
  たWebブラウザ
Internet Explorer 3
• JavaScript (JScript) / VBScript のサポート
• Javaの搭載
• ActiveXコントロールのサポート
  – Windows用のモジュールを少しの変更でWebでも
    使える
• CSS1.0の一部取り入れ
• 機能面でのNetscape Navigatorとの差を縮め
  る
Internet Explorer 4
• 新たに再設計されたブ
  ラウザ
 – 現在のInternet Explorer
   の原型
 – Windows 98との同時開
   発 (OSとの統合)
 – CSS1のフルサポート
第一次ブラウザ戦争
Netscapeの迷走
• Webブラウザ以外の市場を狙う
 – サーバーソフトウェア
 – 電子メール・グループウェア市場
• 不完全な標準技術サポート
 – Netscape Navigator / Communicator 4.0における
   CSSサポートなど
Microsoftの戦略
• 有料ライセンスビジネスの崩壊
 – 同等の機能を持つブラウザがMicrosoftから無料
   で提供される
• バンドル戦略
 – OSにIEをバンドルしてライセンス
  • バンドルしない場合はリベートを出さないなどの条件
  • OSに統合する
 – 結果として、Microsoftは独占禁止法(反トラスト
   法)で訴えられることに
ブラウザ戦争の結果
• ベンダー独自拡張の乱立を招く
 – <layer> vs <iframe>
• 有償 vs 無償
• 排他的ビジネス
• 結果として、ユーザー無視
 – ブラウザによって、動作がまちまち
Netscapeの次の戦略
• Netscape Navigator 5.0のソースコードの公開
 – 開発をNetscapeの従業員と外部の開発者で行う
   という決定
• 新たな開発体制でNetscape 6 / 7をリリースす
  るが、シェアを挽回するまでに至らず
• 開発をすべてMozilla.orgに移管することに
• NetscapeとMicrosoftのブラウザ戦争による勝
  者は、Microsoftだった…
• Microsoftは結果としてブラウザの開発リソー
  スを減らすことになる
 – 結果として、ブラウザが停滞することに
 – Internet Explorer 6がリリースされてから、次のメ
   ジャーバージョン (Version 7)がリリースされるまで、
   5年を費やすことに
初期モバイル市場
モバイル市場 (日本)
• NTTドコモがi-modeを発表 (1998年)
• HTMLの仕様をベースとしたコンパクトHTMLを
  採用
 – HTMLの仕様から最低限の機能だけを抜き出した
   もの
 – 少額決算も組み合わせた仕組み
 – 日本以外でも展開しようとしたが、上手くいかず
モバイル市場 (海外)
• Webとは異なる、WAPと呼ばれる新たな規格
  が立ち上がる
 – ほとんど普及せず
• Webの技術を利用した、WAP 2.0というのも作
  成される
 – 普及には至らず
• スマートフォンの登場で市場が活気づく
 – フルブラウザ採用
車輪の再発明
インタラクティブなページ
• ページの推移なしで、サーバーからデータを
  持ってくる
 – Flashなどのプラグインに頼る形
• AJAXと呼ばれる技術の登場
 – ページの推移なしでも、サーバーから情報を取得
 – Gmailで採用され、有名に
例 (Gmail)
AJAXの発明
• AJAX = Asynchronous JavaScript & XML
• ページ推移なしにサーバーとやりとりする仕
  組み
• JavaScript + XMLHttpRequest + XML (JSON)
XMLHttpRequest
• MicrosoftのXMLパーサーに含まれるActiveX
  コントロールの機能
• 1999年リリースのIE5に含まれる(標準でイン
  ストールされるモジュールの一つ)
• 当初は、Internet Explorerでのみ利用可能
  だったが、後に各ブラウザ自体に実装された
新たなブラウザの乱立
ここまで
• 一時は、Internet Explorerが市場シェアの90%
  以上を持つ
• いろいろな会社から新たなブラウザが登場
 – Web技術の革新のあらたな始まり
 – ブラウザの在り方
Firefox
• 2004年にMozillaより正式
  リリース
• 従来開発していたMozilla
  Application Suiteを再構
  築したブラウザ
• OSSモデルでの開発
• アドオンと呼ばれるブラ
  ウザを拡張する仕組みを
  持つ
  – 柔軟なカスタマイズ
Opera
• 1996年に最初のリリー
  ス (Version 2.0)
• 現在はPC版とモバイル
  版 (Opera Mobile /
  Opera Mini)、他の機器
  版(Nintendo DS / Wii)を
  展開
Safari
• 2003年にMacworldに
  て発表。6月にリリース
• KHTMLをベースとした
  WebKitと呼ばれるレン
  ダリングエンジンを搭載
Google Chrome
• Firefoxの開発を行って
  いた一部のメンバー が
  中心となって、新たなブ
  ラウザをGoogleにて開
  発
• Safariと同じく、WebKitを
  利用
• サンドボックスモデルを
  採用
Webの次
• Webをより使いやすく
 – HTML5
 – CSS3
• 勝手に拡張するのではなくて、必要な機能を
  みんなで議論して決めていこう
 – 以前のベンダーが勝手に独自拡張していったこ
   との反省
Any Question?

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