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Apple信者だったボクは気づくと 
iPhone嫌いになっていたんだが 
2014.10.20 スマホUI勉強会 -iPhone6で変わるUI、変わらないUI-
宇野 雄 
@saladdays 
Yahoo! JAPAN 
UIデザイナー 
‣ 書籍 
フラットデザインから考えるUI 
デザインの本質(仮題) 
‣ MacFan 
UI/UXのハニカム 
‣ gihyo.jp 
ウェアラブル端末が与える新し 
いUX~UIデザイナーが 
Android Wearスマートウォッ 
チを使ってみた 
‣ gihyo.jp 
LESSで3倍ラクするスマートフォ 
ンコーディング 
他
おやくそく 
本スライドの内容は個人の考察に基づくもの 
であり、Yahoo! JAPANとしての見解ではご 
ざいません。ご了承ください。
今日のお話
iPhone 6 Plus 買いました
ちょっと後悔してます
そこで
僕がiPhoneを嫌いになった 
5つの理由
その1. 曲がる 
その2. 刻印が傾いてる 
その3. デカい 
その4. アプリが対応できていない 
その5. 持ちにくい
曲がります
その1. 曲がる 
その2. 刻印が傾いてる 
その3. デカい 
その4. アプリが対応できていない 
その5. 持ちにくい
傾いてます 
http://www.gizmodo.jp/2014/10/iphone_6_46.html
その1. 曲がる 
その2. 刻印が傾いてる 
その3. デカい 
その4. アプリが対応できていない 
その5. 持ちにくい
デカいです
もちろん上のボタンは 
届かない 
ホームボタンダブルタップ 
(Reachability)しても 
届かないボタンは届かない
届くんじゃない? 
いや、届かない 
赤いエリアが届くと言わ 
れている範囲だけど、日 
本人の指ではムリっぽい。
指が届かないということは 
• iOS 8で機能が増えた通知センターは 
Reachabilityでは降りてこないので使えない 
• Appleのサイトにのっている手の写真はほぼ 
iPhone 6でPlusの写真がない 
• 戻るボタンも押せない 
• ハンバーガーメニューとの相性もとても悪い
戻るボタン超欲しい
戻れない 
• 枠外からスワイプして戻るジェスチャー(エッジスワイプ) 
があるから良いと思っていたけど、片手持ちだと逆側の端 
には指が届かない 
• 結果としてページを戻るためだけに両手持ちが求められる 
• SmartNewsのように画面全体どこでも左右のフリックで 
戻れるくらいじゃないとツライ 
• これに対して現状Appleの公式アプリは解決策を示しては 
いない
Androidから何を学ぶ?
Lolipop & Material Design 
• Googleが初めて本気出して作ったデザインガイド 
• 端末が無数にあるAndoridだからこそ様々な大きさの端末 
に対応するノウハウが確実にたまっている 
• ハードウェアの特性を活かした設計がうまい 
• 無理やり統一せずにハードウェアごとに差別化ができてる 
• 隙を無くしたルールを作ってきたAppleと隙を許容してき 
たGoogle、時代とともに拡張を続けて来た結果、少し 
Appleにとっては苦しい拡張が増えてきた?
動作の起点を 
意識する 
アクションの始まりをメ 
ニューの中に隠してはい 
けない。必ず一番押しや 
すい箇所に設置する。 
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.evernote
絶対に届かないボタンに 
メインアクションを割り当てない
その1. 曲がる 
その2. 刻印が傾いてる 
その3. デカい 
その4. アプリが対応できていない 
その5. 持ちにくい
iPhone 6/6 Plusに対応した 
アプリはまだまだ少ないです
なぜなら
iPhone 6/6 Plusはめんどくさい 
1.iOS 8対応(ウィジェットなどの追加機能) 
2.@3x対応(高解像度素材用意) 
3.iPhone 6/6+対応(レイアウト) 
全て満たして初めて 
iPhone 6/6 Plus対応
それをしないと
結果らくらくフォン状態
大画面端末に求めるもの 
• らくらくフォンがダメなわけじゃないです 
• ただ、iPhone 6/6 Plusに求められてるものは老眼対応ではな 
く情報量の増大 
• そのままスケーリングして大画面にされてもメリットが薄い 
• 解像度を活かした情報の整理とレイアウトが求められる 
• 特にキーボードがそのまま拡大されてしまうのはユーザビリティ 
を大きく損なっているので注意 
• WebサイトはAndroidと共有UIであることが多いので多解像度 
の対応済で意外と困らない
高解像度対応
高解像度対応 
• アップスケーラー/ダウンスケーラーは非常に 
優秀 
• @3xの画像でなくてもそこまでは気にならない 
• Retina Displayが初めて出てきた時ほどの「すご 
いキレイになった」感は薄い 
• ドットバイドット表示は不可能なので、逆に高 
解像度画像を作るときに1pxにこだわっても表 
示しきれないので注意 
• 常に実機で確認をすることが求められる
素材の制作がより複雑に 
• ベクターデータで保持しておくのは必須 
• 将来的に@4xとか出ると思っていたほうがいい… 
• ツールバーを除いた画面比率も変更になってるので、どのみち 
レイアウトはしなおしになるパターンも多い 
• フラットデザインはベクターとの相性がいいのでデザイナーに 
とっては追い風 
• Xcode6での素材のPDF対応やブラウザでのアイコンフォント 
など、ベクターデータで管理できるものはベクターデータに寄 
せる
注意 銀の弾丸などありません 
• ベクターで作ったら全て万事解決!ではない 
• アイコンフォントやPDFは素材作成時に@1xサイズで作らないと 
綺麗に描画されない 
• ベクターは@1x、ラスターは@3xで作り、かつ過去のデータは 
@2xで持っているというカオスな状態がしばらく続く 
• 人の手で管理するのは限界があるので、様々なツールに頼って作っ 
ていきましょう
その1. 曲がる 
その2. 刻印が傾いてる 
その3. デカい 
その4. アプリが対応できていない 
その5. 持ちにくい
とっても持ちにくいです
落としてほしいとしか 
思えない 
• サラサラな表面加工 
• エッジのラウンド処理
Apple信者だったボクは気づくとiPhone嫌いになっていたんだが 〜iPhone 6 Plusへの苦悩の日々
そうなると
みんな色んな持ち方をし始める
色んな持ち方を想定する必要が 
出てくる 
• ホームボタンに指がかかっていない場合も多く 
ある 
• 必然的に操作する指の位置も大きくずれてくる 
• 「親指はここまで届く」などのデータも役に立 
たない場面もたくさん出てきます
対象となるユーザーを知るのが大事 
• 平均値はあくまで平均値 
• 対象ユーザーが平均的なユーザーとは限らな 
い(大概違います)
時代や環境で使いかたは変わる 
• 自分たちが知ってる教科書通りに使う人ばかりじゃない 
• 手の小さな人はiPhone 5の時代から両手持ち 
• QWERTYキーボードをメインとしている海外ユーザー 
にとっては両手持ちが基本 
• 手が小さい子供も当然のようにスマホを使う時代になっ 
ているのでその層が大人になっても両手持ち? 
• どんなユーザーが使うサービスなのかを今一度よく考え 
て対応の仕方を決める
利用シーンも変わっている 
• 今までスマホは1日150回見てるという話もあったけど 
それがグッと減った実感がある 
• 代わりに一回あたりの利用時間は伸びた 
• スマートウォッチやTVなど、あらゆるものとの連携が 
更に強まってくるのは間違いない 
• 持ちにくい=使わないではなく、人間の側が慣れて新た 
な使いかたに変化していく
それじゃあ、 
これからどうしよう
まだ模範解答すらも出ていない
既存の概念にしばられない 
発想をする必要がある 
ATOKは片手持ちを想定してキー 
ボードを左右に寄せられる 
こういったブレイクスルーが必要 
https://itunes.apple.com/jp/app/atok-for-ios/id893918621
想定ユーザーを定める 
• 男性?女性?いつ使う? 
• 電車の中、歩きながら、会社、 
持ち方も変わるのでは?
結局iPhone 6/6 Plusってどうなの? 
• デバイスとOS/アプリの親和性はまだ低い 
• 今日の話を聞いて「あー、そういう考え方があるんだ」 
と思った人は、ぜひiPhone 6 Plus買ってほしい 
• 正直日常の中で使わないとこの感覚はわからない 
• 慣れない内は多分みんなが思ってる想像の3倍使いづらい 
• 店頭で触ったり検証機で見るのはユーザー目線じゃない 
• 既にAndroidの新機種はファブレットサイズが基本 
• それを知らずにUIデザインをするのはあまりに危険です
本日のまとめ
まとめ 
• iPhone 6/6 Plusの大きさはスマホの使い方と利用 
シーンを大きく変えた 
• UIもそれに合わせて変わることが望まれるがまだ追い 
ついていないのが現状 今はまだ過渡期 
• 高解像度であることよりも大きさによる問題が深刻 
• サービスによってユーザー層は大きく異なるので、ど 
んなユーザーがどれだけ使っているかを見極めて今後 
の対応を進めましょう
ユーザーファーストのサービスを 
作るためには、、、 
まず自分が最高の 
ユーザーになりましょう
ご清聴ありがとうございました

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