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【17-E-3】Hadoop:黄色い象使いへの道 ~「Hadoop徹底入門」より~
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【17-E-3】Hadoop:黄色い象使いへの道 ~「Hadoop徹底入門」より~
1.
Hadoop 黄色い象使いへの道
~Hadoop徹底入門より~ 株式会社NTTデータ 基盤システム事業本部 システム方式技術BU 課長代理 下垣 徹
2.
本日のアジェンダ
Hadoop概要 Hadoop適用事例 「Hadoop徹底入門」の読み方 黄色い象 (= Hadoop) 使いへの道 Hadoop利用時のよくある質問 Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 1
3.
Hadoopの概要 Copyright © 2010
NTT DATA CORPORATION 2
4.
その前に・・・ Googleの基盤技術
Googleは独自の基盤技術を用いて、大規模データを対象としたサービスを展開 Googleは、自ら 「クラウドコンピュータを持ってサービス展開している」 という Web検索 ログ解析 Gmail Google Maps ・・・ プログラミング言語 Sawzall 分散処理フレームワーク キー・バリュー型データストア 論文: MapReduce BigTable The Google File 論文: System (2003年) MapReduce: Simplified Data 分散ファイルシステム Processing on Large Clusters Google File System (GFS) (2004年) 独自に建造したデータセンタ グーグルプラットフォーム Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 3
5.
Hadoop とは?
オープンソースの大規模分散処理フレームワーク Googleの基盤ソフトウェアのオープンソースのクローン 大きなデータを並列に読み、データのローカリティを活かしてデータ処理する 高いスケーラビリティにより、小さく始めて大きく活用できる Bank of America、VISA、JP Morgan Chase & Co、GE (General Electric)、 AOL、CMCC(中国移動通信)、Baidu (百度)、国内テレコム事業者、 Yahoo! 、Facebook 、Twitter、eBay、楽天 なども活用 ログ解析やレコメンデーションエンジン、検索エンジンなどでの活用が主流 今後は、DWH/BI領域での活用が進む Yahoo! のHadoop環境がソート処理の世界記録を樹立 1TBのデータソートを62秒で実現 (2009年5月) 大きく2つのコンポーネントで構成される 分散ファイルシステム: HDFS (Hadoop Distributed File System) 大規模分散処理フレームワーク: Hadoop MapReduce Framework Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 4
6.
Hadoop – クラスタの全体像
集中管理型の分散システム Hadoopマスタサーバ 分散処理ジョブやデータの管理は NameNode JobTracker マスタサーバで実施 スレーブサーバは、分散処理の実 行やデータの実体を保存 スレーブサーバのクラスタへの 参加・離脱は自動的 L2/L3スイッチ - 各ノードはマスターサーバに定期 Hadoopクライアント 的に通知する L2スイッチ HDFS マスター: NamaNode スレーブ: DataNode MapReduce マスター: JobTracker スレーブ: TaskTracker Hadoopスレーブサーバ (DataNode/TaskTracker) Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 5
7.
分散ファイルシステムHDFSとMapReduceフレームワーク
低価格サーバの大量使用による故障の発生 大規模分散処理向けフレームワーク が前提の設計 Googleが検索インデックス作成のため考案 データの多重化で可用性を担保する 少なくとも5000台までスケールアウトしても性能向上す 従来とは運用利便性の考え方が異なる ることが知られている Client HDFS MapReduce NameNode ブロックに分割して ランダムに分散配置 MAP SW SW SW SHUFFLE DataNodes REDUCE Rack コピーをラックの内外に 多重作成して冗長化 Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 6
8.
Hadoopの特徴
個別設計する必要なく、分散処理を実現 従来、プログラムごとに分散処理方式を設計する必要があった - データの配置や分散、分散処理の分割、各ノード間の通信 etc… Hadoopでは、MapReduceフレームワークによって、プログラム個別に 分散処理ロジックを用意することなく、分散処理を気楽に利用できる 高いスケーラビリティ サーバ台数を増やすことで、保存するデータサイズ、計算処理能力、 バッチ処理の I/O性能を柔軟に拡張できる 特にI/O性能は数台規模でも効果あり (上限の実績は~4000台) コモディティサーバ利用を前提とした設計 IAサーバ+Linuxなど容易に入手できるコモディティ品で構築できる 一部のサーバが故障しても、サービスの可用性に影響を及ぼさない 様々なデータに対応 どのようなデータでも格納できる 格納時ではなく利用時にデータを意味付ける Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 7
9.
Hadoopの適用事例 Copyright © 2010
NTT DATA CORPORATION 8
10.
Hadoopの適用領域
特に向いている領域 数10ギガバイト~テラバイト~ペタバイト級のデータを扱うシステム バッチ処理的なアプリケーション リアルタイム性が求められる処理の前処理 一般的な利用例 ログ解析 POSデータ解析、広告分析、トラヒック解析など レコメンデーション クリック・ストリーム分析、関係グラフ解析など 検索 転置インデックス作成、検索精度向上 データマイニング 取引情報の分析・監査、不整データの抽出など 機械学習 大量データのパターン分析、分類など データ変換 動画、テキスト、音楽 高度なETL 日本での利用事例も数多く報告されるようになってきた 2011/02/22 「Hadoop Conference Japan 2011」に注目! Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 9
11.
Hadoopの適用事例
米Yahoo! 3年分のログの処理に26日→Hadoopで20分に短縮 現在82ペタバイトのデータを処理、全体で計25,000台のクラスタを有する Facebook 4TBのデータが毎日新規に生成される/135TBのデータを毎日処理 Hadoopで処理したデータをOracle RACやMySQLに格納して利用しているものも 楽天 広告のインプレッションログ解析、レコメンデーション、ランキング集計などで使用 Perlスクリプトによる処理からHadoopに移行 / 20台程度のクラスタ VISA 過去2年間で730億ものトランザクション=36TBのデータが生成 分析にこれまで1カ月かかっていたものが、Hadoopによって13分に China Mobile 5億人のユーザのCDRデータを処理、5~8TB/日 商用のDB製品、DWH製品を利用していたがHadoopに移行 スケーラビリティの確保、ローコスト化・柔軟性の確保を実現 国立国会図書館 国立国会図書館・公立図書館・大学図書館・等の蔵書を横断的に検索するシステム 異なるデータソースからの重複・関連したデータに対する書誌同定・グループ化をHadoop で実施し、検索インデックスを作成 GE (Gereral Twitter・Facebook・ブログといったメディアからデータを蓄積し、顧客の感性分析を行う Electric) MySQLで42時間かかっていた処理をHadoopを用いることで48分で完了 リクルート DWH(データウェアハウス)製品とHadoopを比較し、特性を評価 顧客動向分析のためにログなどを収集、分析するHadoopクラスタを構築中 Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 10
12.
「Hadoop徹底入門」 Copyright © 2010
NTT DATA CORPORATION 11
13.
「Hadoop徹底入門」の読み方 (1/3)
まずは第1章~第5章・第6章まで続けて読む 全437ページ 第1章 Hadoopってなんだろう? 第2章 Hadoopの導入 第3章 Hadoop分散ファイルシステム HDFS 204 234 ページ ページ 第4章 Hadoop MapReduceフレームワーク - 第3章・第4章→「前半は理論、後半は使い方・管理」の構成 第5章 MapReduceプログラミング入門 - ワードカウントを例に、MRUnit・デバッグ技法まで解説 第6章 SQL的インターフェイス Hive - JavaでMapReduceを書きたくない/全く書けないなら5章スキップも 残りの章は必要に応じて読みたいところから 第10章 性能向上のためのチューニング - SequenceFile、圧縮、メモリ/JVM/OSチューニング Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 12
14.
「Hadoop徹底入門」の読み方(2/3)
Hadoopにおける高い信頼性および運用性の実現を補助する内容を記載 第7章:環境構築の効率化 - Kickstart、Puppet を用いた環境構築の自動化 第8章:運用監視とシステムの可視化 - Ganglia を用い、Hadoop に適した監視を実現 第9章:可用性の向上 - Heartbeat、DRBD を用いてマスターサーバの冗長化を実現 Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 13
15.
「Hadoop徹底入門」 の読み方(3/3)
Hadoopの利用価値をさらに高める各種ツール群を紹介 Hive(6章):SQL的な言語でMapReduceを実行 Pig(11.2章):データの流れ記述する独自言語でMapReduceを実行 Mahout:Hadoop上で機械学習を容易に実行するためのライブラリ群 HBase(11.1章):カラム指向型Key-Valueストアデータの追記や少量 データの扱いを容易に実現 Thrift(11.3章):HDFSに対する操作を各種言語で実現 他に: - Oozie:Hadoop上のジョブの管理を実現するワークフローエンジン - Sqoop:DBMSからのデータ移行連携 - HUE:Hadoopに対する操作をGUIにて提供するデスクトップツール Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 14
16.
Hive の利用
Hive で SQL的インターフェースが利用可能に! Java によるコーディングは苦手でも、SQL なら分かるという人は多い Hadoop利用者の裾野拡大に大きく寄与 とはいえ、あくまでも SQL 「的」 なだけ → HiveQL ≠ SQL標準準拠 UPDATE 文が無い DELETE 文が無い INSERT INTO 文(追記)ではなく、INSERT OVERWRITE 文(上書き) 細かな構文の違いはマニュアルを見ながら慣れるしかない 次ページ以降で、HiveQL の初心者がとまどいがちな ポイントを解説 http://wiki.apache.org/hadoop/Hive Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 15
17.
初心者がとまどいがちな HiveQL の例(1/3)
データロード/アンロード 「元データが消えた?」 なんて思わないように。 Hive外のデータの取り込み = LOAD文 - とくにHDFS内のデータからの LOAD は “mv” コマンドのイメージ! Hive内のデータの取り出し = INSERT OVERWRITE … SELECT … 文 - INSERT は1レコードを追加するためのものではない LOAD DATA… INSERT OVERWRITE…SELECT… Hive テーブル HDFS Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 16
18.
初心者がとまどいがちな HiveQL の例(2/3)
日付時刻データの扱い → Hiveには日付時刻型がない 1. Hive へは STRING 型で格納 ‘yyyy-MM-dd HH:mm:ss’ 日付時刻計算は: A)引数が STRING の組み込みの関数を利用する: → 日付差分datediff() など B)unix_timestamp(‘yyyy-MM-dd HH:mm:ss’) で UNIX タイムスタ ンプに変換してから処理 2. もしくは初めから BIGINT 型に UNIX タイムスタンプ値を格納 Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 17
19.
初心者がとまどいがちな HiveQL の例(3/3)
データのソート ORDER BY 句 : 全出力結果のソート SORT BY 句 : Reducer ごとのソート FROM句でのテーブル名の羅列不可 → JOIN 句を利用 (×) SELECT t1.c1, t2.c2 FROM t1, t2 WHERE t1.c1 = t2.c1; (○) SELECT t1.c1, t2.c2 FROM t1 JOIN t2 ON t1.c1 = t2.c1; IN/EXISTS 句がない → LEFT SEMI JOIN で代用 (×)SELECT a.key, a.value FROM a WHERE a.key IN (SELECT b.key FROM B); (○) SELECT a.key, a.val FROM a LEFT SEMI JOIN b on (a.key = b.key); Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 18 18
20.
黄色い象使いへの道 Copyright © 2010
NTT DATA CORPORATION 19
21.
黄色い象使いになるために ~ よくある質問
~ Hadoop 初心者の方からよく質問を受ける内容をまとめてみました 1. RDBMS的な機能は無いんですか? 2. Hadoopへのマイグレーションってどう? 3. どの「Hadoop」を使えばよい? ? Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 20
22.
1. RDBMS的な機能は無いんですか?
そもそも Hadoop は RDBMS でありません! 「トランザクションは概念は無いんですか?」 「1レコードの更新/削除をする機能は無いんですか?」 「B-Tree インデックスが無いんですか?」 …このような機能はHadoopにはありません! RDBMSの世界で「常識」だと思われるものを捨てて、 大容量データを効率よく処理するために特化した作りだと認識すべき Hadoopは「銀の弾丸」ではない!→ 「適材適所」の観点で 例)大量データの前処理をHadoopで+結果をRDBMSに格納し検索しやすく Solr NoSQL 代替手段 Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 21
23.
2. Hadoopへのマイグレーションってどう?
商用RDBMS/DWHからのマイグレーションはやれなくはないが、 それなりに工数がかかる、ことが多い 根本的に、工数がかかるのは Hadoop に限った話ではない NTTデータではマイグレーションの障壁を下げるための取り組みを実施 Hadoopの利用を「マイグレーションによるコスト削減」だけを目的にされると 辛い、ことが多い Hadoopの利用目的に「何かの壁をぶち破るために」があってしかるべき 「何か」 = 処理時間、データ量、etc. マイグレーション前と同じ機能/品質/SLAを求められると辛い、ことが多い 商用RDBMS/DWH と Hadoop の機能差異 RDBMSでの処理をそのまま置き換えても高速にならない → Hadoop に適する形=「大量データの一括処理」へのリファクタリングが必要 Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 22
24.
Hadoopに適した処理への書き換え
RDBMSで実行中のバッチ処理をHadoopに移植する場合、Hadoopでの性能を引き出す ようなチューニングが必要 チューニングの実施例 (RDBMS → Hadoop + Hive) 1. 既存のRDBMSでの処理 - 索引検索によって少量の件数を抽出するクエリが複数からなるバッチ処理 2. チューニングなしで処理をそのまま Hive に移植すると - 基本的には1クエリ=1MapReduceジョブ に変換される - MapReduceジョブ起動のオーバーヘッドが大きく、移植による性能向上が見られ ず:1ジョブあたりのオーバーヘッド=約20秒(本検証環境において) 3. チューニング後、既存のRDBMSの処理で2.9時間かかっていた処理を、Hiveでは0.8 時間で実現 - 並列分散処理を意識し、 1回のMapReduceジョブで済むように複数の条件を一 括で処理することで性能向上 MapReduceジョブ数を極力減らすようにチューニングするのが得策! 少量データを繰り返し処理するより、一括して処理したほうが Hadoop に適する Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 23
25.
3. どの「Hadoop」を使えばよい?
Hadoopではどのバージョン/パッケージを使うのかはやや悩ましい問題 コミュニティから提供中のコア部分の最新版は 0.21 系 2010/08/23 v0.21.0 リリース しかしHadoop周辺プロダクトの多くは0.21系での動作を未サポート Hive, Pig, HBase など、主要なプロダクトは 0.20 系でのみ動作可能 安定性重視 最新機能をできる限り使いたい 周辺プロダクトとの組合せ保証 コミュニティ版Hadoop Cloudera’s Distribution for Hadoop v0.21系 (CDH) v0.20系 CDH自体は無償だが、必要に応じてサブスクリプション・サポート(有償)を利用することも可能 Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 24
26.
まとめ
Hadoopの概要について説明しました。 Hadoopの適用事例を紹介しました。 「Hadoop徹底入門」の読み方がわかりました。 これでみなさんも「黄色い象使い」になれました。 ♪ Copyright © 2010 NTT DATA CORPORATION 25
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Copyright © 2010
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