数字から読む好不調の波

数字から読む
好不調の波
2015/03/25
BPStudy #91
ささきじゅん＠だんきち

自己紹介
ささきじゅん＠だんきち
twitter:@dankichi
「ドラおた（http://www.dragons-otaku.com）」管理人
執筆歴：「中日力」（2006年）
「中日ドラゴンズ伝説」（2008年）
資格：某新聞社主催第１回中日ドラゴンズ検定２級

好不調って何？
・この選手は好調この選手は不調と、ニュースなど
でもよく言われる
・「調子」という漠然とした概念を数字を使って可
視化できないものか？

好不調の波を可視化してみる
・打者の出場６試合（約一週間）単位に打率の移動平均を算出
して、可視化してみる。
・最終打率を普通の調子だったと考えて、最終打率より高い打
率の時期が好調な時期、低い時期が不調だった時期と考える。
・移動平均打率の最大値（一番好調だった時期）と最小値（一
番不調だった時期）の差を好不調の差とする。

1試合目∼6試合目：打率.333
マートンの移動平均打率グラフ
最終打率.338

2014年規定到達打者の好不調散布図
好
不
調
の
差
大
小
好不調の波長短
中島卓也
鳥谷敬
長谷川勇也
雄平
秋山翔吾
中田翔中村剛也
村田修一
今江敏晃
エルドレッド
ジョーンズ
柳田悠岐
鈴木大地

中島卓也の移動平均打率グラフ
最終打率.259

中田翔の移動平均打率グラフ
最終打率.269

鳥谷敬の移動平均打率グラフ
最終打率.313

結局、好不調の波が大きいのは誰？
・要は各移動平均打率の値が最終打率に比べてどこ
まで離れているかを算出すればよい。
・最終打率を平均値として、移動平均打率の標準偏
差でランキングを算出する。

調子の波ランキング
調子の波に左右されにくい選手ベスト５
・１位中村剛也
・２位中田翔
・３位岡島豪郎
・４位平野恵一
・５位阿部慎之助

調子の波ランキング
調子の波に左右されやすい選手ベスト５
・１位バレンティン
・２位鳥谷敬
・３位中島卓也
・４位大和
・５位鈴木大地

ランキング上位のグラフ
バレンティン
鳥谷敬
中島卓也
中村剛也
中田翔
岡島豪郎

貢献度は？
・好調時の期間のチームの勝率を求めてみた。
・好調期間勝率ランキング
1位：村田修一 .739
2位：片岡治大 .722
3位：平野恵一 .719
4位：内川聖一 .712
5位：ペーニャ .701

貢献度は？
・好調の期間の勝率が唯一５割を切った選手
浅村栄斗 .483

ちなみに
・あくまで各選手ごとに最終打率を普通の調子と考
えているので、マートンの.300は不調だが、ジョー
ンズの.250は好調となるのであしからず

出塁率でもよくね？
・楽天ジョーンズはパリーグ打率最下位だが四死球
がリーグトップ。出塁率だとパリーグ３位
ほぼ全選手で
打率と出塁率で
好不調の差異はほとんどない

２４試合だと？
・移動平均打率の単位を６試合（約１週間）ではな
く、２４試合（約１ヶ月）にしてみると、シーズン
を通して好不調の波があった選手がみえてくる。
・２４試合で好不調の波が激しかった選手が２選手
突出していた。

エルドレッドの移動平均打率グラフ
最終打率.260

大和の移動平均打率グラフ
最終打率.264

参考書籍
「メジャーリーグの数理科学」
・数学を使って野球を解析しようというよりは
野球を使って数学してみような本

おわり
ありがとうございました

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