〈社説〉優生訴訟が終結 被害の回復はこれからだ

 宮城県の女性が最初に裁判を起こしてから6年半余。旧優生保護法下の不妊手術の被害をめぐり、各地で係属中だった訴訟は、すべて和解が成立した。

 けれど、それで被害の回復が済んだわけではない。裁判の原告のほかに多くの被害者がいる。声を上げられず、置き去りにされることがないよう、政府は補償の責任を果たさなければならない。

 裁判は2018年以降、全国の12地裁・支部に39人が起こした。先行した5件について最高裁はこの7月、大法廷の判決で、旧法を違憲と断じ、損害賠償を国に命じる統一判断を示している。

 残る訴訟について、原告側は政府と和解の合意を結び…

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