【独自】女子選手9人、教諭に前髪切られる 都市大塩尻高バレーボール部で指導の一環 前髪より「勝つことに集中しろ」

女子バレーボール部の部長が選手の前髪を切っていたことが分かった東京都市大塩尻高校=27日、塩尻市広丘高出

 女子バレーボールの強豪、東京都市大塩尻高校(塩尻市)の女子バレーボール部長(教諭)が、指導の一環として同部所属選手9人の前髪を切っていたことが27日までに同校などへの取材で分かった。同校は今後、県バレーボール協会と中信高体連に正式に報告する。今井一仁監督(教諭)と部長は現在、指導から外れているという。

 本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に寄せられた匿名情報を基に取材したところ、同校が事実関係を認めた。青木弘泰教頭は「実際に切ったのは問題で重く見ている」としている。

 青木教頭らによると、昨年12月、全日本選手権に向けた合宿中、前髪を気にしていた選手に今井監督が「前髪を気にする以上に勝つことに集中しろ」と指導した。指導を受けた選手は美容室などで前髪を切ってきたが、部長が他の選手に対し「あなたたちはどうするのか」と発言。選手側の申し出を受け、部長が選手の前髪を切ったという。

 選手9人はいずれも今春卒業しており、卒業時のアンケートで訴えがあった。学校側は9人の保護者と面談し、経緯を説明したという。

 同校女子バレーボール部は今年1月の全日本選手権に出場するなど県内屈指の強豪。今井監督の指導力には定評があり、教え子には女子の日本代表になった選手もいる。

 県バレーボール協会の村上里志専務理事は取材に対し、「バレーボール界全体で不適切指導の撲滅に力を入れてきたので非常に遺憾。今後の対応は正式な報告を受けてから決めることになる」としている。

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