本日も「Pokemon Go!」の国内ローンチが延期されるというニュースが駆けめぐっていますが、国内で公開されるその日まできっとこんな感じなのでしょう。
こうした「Pokemon Go!」に関する人気ぶりは他メディアにおまかせすることにして、ここではちょっと視点を変えてゲーム開発者向けなニュースをご紹介します。
「Pokemon Go!」はゲームジャンルで分類すると、「ARゲーム」になります。この「AR」というのは拡張現実(Augmented Reality)の意味で、スマートフォンなどのデバイス上で、現実世界にCGを重ねて表示する技術のことを指すそうです。
ちょっとイメージしづらいという方はこちらの動画をご覧ください。
日常の「現実」に太陽系の惑星が並んだCGが重なって表示されていますね。これが「AR(拡張現実)」と呼ばれるものですが、これをさらに詳しく言うと「マーカレスAR」と言うそうです。
つまりこれまでの「AR」は印刷物などに記されたなんらかの「マーカー」に反応して表示される仕組みになっていましたが、「Pokemon Go!」や上記の動画はそうした「マーカー」が画面上になくても「AR」を表示できることから「マーカレスAR」と分類されます。
そしてこの「マーカレスAR」はさらに下記の二つに分類できます。
・ジャイロセンサーを活用し現実空間にあるデバイスの位置及び向き情報を取得できるもの
・自分がどこにいるか判断し場所のマッピングを同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping「スラム」)技術を使用したもの
この二つのうち、上が「Pokemon Go!」で使われている技術になり、下のSLAMは「マーカレスAR」の最新技術となるそうです。SLAMのどのあたりがすごいと言うと、
・地面や机にCGモデルを固定して表示することができる
・表示させたCGモデルに近づいたり離れたり、あるいはCGの中に入り込むこともできる
・即時に周囲の物体・環境を認識できるため、ユーザーを誘導するようなこともできる
と、拡張現実をそこに存在している「よりリアルなもの」に感じられる技術と言えるかもしれませんね。
さてそんな今後のARゲームの可能性を感じさせるSLAM技術ですが、このSLAMを用いて簡単にARゲームを開発できるUnity3Dに対応したソフトウェア開発キットが、アップグレードされ「無料で」ダウンロードできるようです。
▼「Kudan & Unity:The 1.2 Upgrade」
https://www.kudan.eu/download/
このパッケージを提供しているのは英国のKudan Limitedという企業で、今回のアップグレードでは、
・全てのデバイスへの対応
・Android上でのより信頼性の高いトラッキング
・iOS上でARシーンを切り替える機能
・Windowsプレイモード上でのより高い安定性
が追加されたそうです。
ちなみにこのキットのダウンロード自体は無料で、アプリを販売するときにのみ1,000ポンド(約13万円)のライセンス購入を行えばいい料金体系なっており、ARゲームの揮発をちょっと触って見たい方や、これから開発される方には嬉しいですね。
Kudan社の同キットを使ったサンプル動画はこちら。
今後「Pokemon Go!」のブーム到来により、ARゲームに対する世間の注目が高まるのは必至!Unity開発者の方は、簡単にARゲームの開発に参入できる「Kudan & Unity:The 1.2 Upgrade」をダウンロードされてみてはいかがでしょうか?
▼「Kudan & Unity:The 1.2 Upgrade」