サザンオールスターズが11日、石川・金沢市の石川県産業展示館4号館で6年ぶりとなる全国ツアーをスタートさせた。5大ドームを含む全国13都市を巡る大規模ツアーで、26年ぶりに同県に降臨したボーカル、桑田佳祐(68)は「最強寒波とともに帰ってまいりました!」と絶叫。昨年元日の能登半島地震から1年の節目に被災地に歌声を響かせた。
待ちわびた約5300人が手拍子で迎える中、桑田は「皆さん、お久しぶりでございます。生まれ故郷の金沢に帰ってまいりました」と絶叫。神奈川県出身にもかかわらず「だいぶ年老いてしまいましたけど、ALFEEより年下のサザンオールスターズです!」と冒頭からユーモアあふれるトークで沸かせた。
サザンにとって約6年ぶりとなるツアーは「THANK YOU SO MUCH!!」と題し、13都市26公演と過去30年の中で最大本数。4月12日からの後半戦は平均年齢69歳とグループ国内最年長記録として5大ドーム公演に挑む。
開幕の地に選んだ石川県では1999年4月以来26年ぶりの公演。昨年元日に発生した能登半島地震に加え、同9月には豪雨に見舞われるなど、今なお厳しい状況が続く北陸の人に思いを寄せ、音楽で明るい話題を届けようと初日に決めた。
それだけに圧巻の2時間。約10年ぶりのオリジナルアルバム「THANK YOU SO MUCH」(3月19日発売)の収録曲を軸に「恋のブギウギナイト」ではダンサーを引き連れて歌い、発売に先駆けて未発表曲も初披露。往年の名曲「海」「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND―NEW DAY)」でも魅せた。
また、北陸をはじめ各地の被災地に心を寄せ、元日に配信リリースした新曲「桜、ひらり」をライブ初歌唱。間奏部分では「フレーフレー北陸、頑張れ頑張れ能登半島!」とエールを送る一幕も。リクエストコーナーでは桑田が昨年末のNHK紅白歌合戦で石川さゆり(66)が歌った名曲「能登半島」をアコースティックアレンジで熱唱するなどファンを感激させた。
最後は桑田は「被災地からの皆さんをはじめ、お体を大事にされて1年お互いに頑張りましょう!」と呼びかけ、メンバー5人で「ありがとう北陸!!」と書かれた横断幕を掲げて感謝。大歓声と拍手に包まれる中、桑田は「また会いましょう。また帰ってきます」と再会を約束した。
国民的バンドの熱演と思いは被災地に勇気と希望を与えたはずだ。