楽天、2年以内に独自配送網 三木谷社長「ヤマトや佐川より安く」

「楽天市場」の出店者らに対して講演する楽天の三木谷浩史会長兼社長=30日、東京都港区
「楽天市場」の出店者らに対して講演する楽天の三木谷浩史会長兼社長=30日、東京都港区【拡大】

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は30日、都内で開いたEC(電子商取引)サイト「楽天市場」の出店者向けの講演で「ECに特化した独自の配送ネットワークを2年間で構築する」と述べた。現在、関東と関西に計3カ所ある物流センターについても、10カ所に増設するとの目標も掲げた。

 三木谷氏は物流業界が増大する荷物によって“パンク”状態だと指摘。「すべての配送を包括的、一括的な契約と管理によってやっていく」とする「ワンデリバリー」構想を発表し、「大手私鉄幹部とは、沿線に運ぶ荷物については(同私鉄の)子会社が届けるという話になっている。ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便より安い値段で実現ができる」と計画の一部を明かした。私鉄子会社の運送事業者を使った宅配などを計画しているとみられる。

 また、ドローンの活用など配送方法の多様化や、荷物受け取り拠点の拡大、アプリを使った配送状況の確認サービスの提供なども進めるという。

 これまで店舗ごとに異なっていた決済方法を、クレジットカード、コンビニ決済などが選べる「楽天ペイ」に統一する「ワンペイ」構想も発表。今年中に実現するとしている。

 そのほか、出店者ごとに商品などについて質問を受け付けるチャット機能を今年中に設けることも明らかにした。一部店舗ではすでに導入済みで、人工知能(AI)が自動的に返信するほか、複雑な質問に対しては従業員が答えるなどを想定している。

 一方、昨年12月に発表した携帯電話事業者参入を目指す計画をめぐっては、ポイントで利用料金を支払えるようにすることを明らかにした。