土石流の大部分が盛り土か 死者9人、不明22人に

静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流の起点付近の様子=3日(同県提供)
静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流の起点付近の様子=3日(同県提供)

静岡県熱海市伊豆山の大規模土石流で、県は8日、災害前後の地形を詳細に分析した結果、土石流の土砂量が約5・6万立方メートルだったと明らかにした。当初の推定量約10万立方メートルよりも減ったが、平成22年以降に現場で増えていた盛り土は約5・4万立方メートルと判明しており、土石流の大部分が盛り土だったことになる。

今回の土石流発生地付近では、熱海市に申請した業者が22年まで盛り土工事を行っていたことが判明しているが、実際の盛り土量は分かっていない。県は経緯を詳しく調査するため、発生地周辺や、トラックの土砂運搬の様子を写した写真や映像の提供を広く求めることにした。平成17年から現在までに撮影されたものを求めている。

一方、市は8日、新たに2人の死亡を確認したと発表した。身元や性別は不明。死者は計9人となった。県と市は同日、既に亡くなった7人のうち男女3人の身元を、いずれも安否不明者だった木村京子さん(84)、天野稲子さん(85)、天野初(はじめ)さん(56)と明らかにした。身元が判明した死者は計5人。残る安否不明者は22人になった。市によると、これまでに死者を除く26人が救出された。

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