さくらインターネットでの成長と挑戦:沖縄国際大学出身エンジニアが語るIT業界でのキャリア選択と未来〜琉球frogs16期協賛企業インタビュー〜
今年で16年目を迎えた琉球frogs。
琉球frogs16期の活動を支援してくださっている協賛企業さまの取り組みや協賛に対する思いなどを多くの学生に知ってもらいたく、インタビューを行いました
今回はさくらインターネット株式会社の知念さんのインタビュー記事です。
文系大学からIT業界へ〜沖縄国際大学出身のエンジニアが語る就職のきっかけ〜
ーー本日はインタビューをお受けいただき、ありがとうございます。まず、自己紹介とこれまでの経歴について教えていただけますか?
ありがとうございます。さくらインターネット株式会社のクラウド事業本部 クラウドサービス部に所属している知念航太と申します。
私は2023年卒で、さくらインターネットに新卒で入社しました。大学は沖縄国際大学の産業情報学部、産業情報学科を卒業しています。情報系の学科で学び、そこから今の仕事に繋がっています。
ーーさくらインターネットには、工学部出身の方が多いイメージがあったので、知念さんが沖縄国際大学出身とお聞きしてビックリしました。
確かに、そのイメージは僕も持っていました。沖縄だと琉球大学の工学部や高専出身の方が多そうな印象がありますよね。
ーーそうですよね。沖縄国際大学を卒業している知念さんが、どういったきっかけでさくらインターネットへの入社を決めたんでしょうか?
実は僕、元々プログラミングが好きで、大学時代から独学で触っていました。
さくらインターネットはレンタルサーバー事業で昔から有名ですし、Minecraft(マイクラ)のゲームサーバーでさくらインターネットのサーバーが使われているという話もよく耳にしていました。そのため、さくらインターネットは僕の中で馴染みのある存在でした。
ただ、最初からさくらインターネットに入社しようと決めていたわけではなく、就職活動をしていた大学時代にいくつかの軸を持っていました。
一つ目は「自社開発に関わりたい」という思いです。大学時代に受託開発のアルバイトをしていた経験があり、そこから自社開発のサービスにも興味を持つようになりました。
ユーザーからのフィードバックをもとに改善を重ねていく仕事や、単に作って終わりではなく、継続的にアップデートしていく仕事に魅力を感じていたんです。そうした理由から、自社開発に携わりたいと考えるようになりました。
二つ目は「キャリアの柔軟さ」です。僕は現在バックエンドエンジニア(裏側のシステムを支えるエンジニア)をしていますが、バックエンドだけにこだわるつもりはありません。
将来的にはフロントエンド(ユーザーが直接操作する画面やデザインを担当する仕事)やインフラ(ネットワークやサーバーなどの基盤を支える仕事)など、さまざまな分野に挑戦できる環境がいいと考えていました。キャリアの選択肢が広がる会社に魅力を感じたんです。
三つ目は、半分趣味のようなものですが、「コミュニティ活動が好き」という点です。勉強会の開催や参加、イベントでさまざまな人と話すことが好きで、そうした活動が活かせる会社を探していました。
その中で、いくつかの会社と面接や説明会を重ねていた時、就職活動用の求人サービスを通じてさくらインターネットから声をかけていただきました。その後、選考を進め、入社に至ったという感じです。
趣味から始めたプログラミング
ーー知念さんがそもそもエンジニアを目指したきっかけは何ですか?
そうですね、エンジニアになるというより、まずプログラミングに興味を持ったきっかけについてお話ししますね。
僕の中学校時代の友人が、パソコンやプログラミングが趣味で、とても詳しい人でした。学校のパソコンをいじるのが好きで、設定をいじったりして、先生に怒られているのをよく見ていました。
「またやってるな」と思いながらも、彼に「どうやってそれをやっているの?」と仕組みを聞くことがありました。
当時は何を言っているのかほとんどわからなかったのですが、その好奇心からプログラミングに少しずつ興味を持つようになりました。
高校では趣味でプログラミングの本を読んで、少しずつ触ってみたりしていました。そして大学に進学し、本格的に学び始めました。大学に入ってからは、エンジニアという仕事自体にも興味を持つようになりました。
例えば、日常で面倒だと感じたことを解決するためにツールを作ったり、友人と一緒に課題解決のためのアプリ開発に取り組んだりしました。
もちろん、僕一人ではなく、友人たちと協力しながらでしたが、そうしたものづくりの経験がとても楽しくて、そこからエンジニアという仕事に興味を持つようになったんです。
出社は月に1回!?さくらインターネットのエンジニアが語る柔軟な働き方と作りたい未来
ーー知念さんの同期は何名ぐらいいますか?
11名です。エンジニアとビジネス職の方が混ざっています。
ーー そのうち、沖縄出身の方はどのくらいですか?
僕を含めて3名が沖縄出身です。
ーーそうなんですね!昨年、さくらインターネットの島袋さんにインタビューした際に、エンジニアの方は出社義務が少なく、自宅で仕事ができると聞きました。知念さんご自身の働き方についても教えていただけますか?
僕は基本的にはあまり出社せず、リモートワークが中心です。ただ、全く出社しないわけではなく、勉強会やイベントが開催される時や、社内での登壇がある時には出社しています。
実際には月に一度も出社しないことが多いかもしれません。勉強会やイベントがない限りは、基本的にリモートで仕事をしています。
さくらインターネットの勤務時間は、コアタイム制のフレックス勤務を採用しています。例えば、12時から16時の間は必ず働くことが決まっているのですが、それ以外の時間は自由に調整できます。
早めに7時から仕事を始めて16時に終わったり、逆に12時から始めて21時に終わるなど、フレキシブルに対応しています。
ーーフレキシブルな働き方ができるって最高ですね!さらに、月1出社しない時があるなんて...!ちなみに、どのようなお仕事をしているんでしょうか?詳しくお聞かせいただけますか?
はい、現在はさくらインターネットのクラウドサービス、「さくらのクラウド」というIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)のバックエンド開発に携わっています。
具体的には、私の所属しているクラウド事業本部のバックエンドチームで仕事をしています。
このバックエンドチームはさらにいくつかの小さなチームに分かれていて、私はその中でも「クラウドAPI開発チーム」に所属しています。私たちのチームでは、クラウドのコア機能であるAPIの開発や改善に取り組んでいます。
例えば、クラウド上でサーバーを起動したりシャットダウンしたりした時のログを記録する「イベントログ機能」などの開発も担当しています。
ーー知念さんは、フロントエンドやインフラなどいろいろな仕事にも興味があるとおっしゃっていましたが、今はバックエンドの仕事をされていますよね。それはご自身で希望をしたのでしょうか?
どちらかというと、僕は「ユーザーに近い仕事がしたい」という希望を出していました。実際にユーザーが使う部分に関わりながら、ユーザーの反応やフィードバックを見られる仕事がしたかったんです。
インフラにも興味はありましたが、それはあくまで手段のひとつで、いろいろな技術に触れてみたいという気持ちがありました。
そのため、ユーザーに近い仕事を希望していたので、自分ではもっと直接ユーザーと関わるような仕事に就くと思っていました。でも、実際にはバックエンドを担当することになりました。
最初は、「どうしてこの仕事になったんだろう?」と少し疑問もありました。もっとユーザーと直接やり取りできる仕事がしたいと考えていましたから。でも、バックエンドの仕事を1年ほど続けてみて、今ではこの役割にも納得しています。
例えば、ユーザーがどんな情報を必要としているのかを考え、それをわかりやすく届けるように工夫することが求められます。さらに、さくらインターネットのシステムでは、ユーザー自身が使うための仕組みが提供されていて、実際にユーザーから質問や問い合わせを受けることもあります。
そのため、バックエンドの仕事でも、ユーザーと関わる機会があり、「ユーザーに近い仕事がしたい」という希望に合っている部分もあると感じています。
ーー今のお仕事を通じて、どのような社会や未来を作りたいと考えていますか?
そうですね、少し抽象的な話になりますが、何かを作って、それによってみんなが楽になったり、生活が便利になるような社会を作りたいと思っています。
例えば、僕が関わっているクラウドの開発業務で言うと、以前はサーバーを立てるときに、物理サーバーを自分で用意して、保守や運用まで自分で行わなければならない時代がありました。それはとても大変だったんですよね。
僕自身はそういった経験はないのですが、今ではクラウドサービスが普及して、コントロールパネルや画面上のボタンをクリックするだけで、簡単にサーバーを作ることができるようになっています。
さらに、アプリをクラウドサービスにデプロイするだけで、サーバーの細かい設定をしなくても動かせるようになりました。
こうした進歩によって、自分が作ったものを通じて世の中が少しずつ便利になっていくのを実感できると、とても嬉しく思います。そういう未来を作っていけるといいですよね。
まずはものづくりの楽しさを知り、人とのつながりで成長する
ーー将来、エンジニアになりたいと思っている学生たちに向けて、アドバイスがあれば教えてください。
まずは簡単なものでいいので、何かを作ってみて、ものづくりの楽しさを感じてもらうことが大事かなと思います。
例えば、最初は誰かが作ったものを真似して作ってみる、いわゆるコピーで全然構いません。それでも、実際に動かしてみて「やった、動いた!」という達成感をまずは体験してほしいです。
その次のステップとして、「どうしてこれで動いたんだろう?」とか「ここの値を変えたらどうなるんだろう?」といった、細かい部分に興味を持って広げていくと良いと思います。そんな感じで、勉強方法としては、楽しみながら少しずつ理解を深めていくことをおすすめします。
僕のイメージでは、初心者の方はプログラミング言語そのものや文法を覚えることに重点を置きがちだと思います。僕も最初はそんな感じで、覚えることが大事だと思っていました。
でも、実際にやってみると、覚えること自体はそこまで重要ではなくて、「こういうものを作りたい」と思ったときに、それを実現するために何が必要かを考える方が大切なんです。
つまり、目的と手段が入れ替わらないように注意することが大事ですね。せっかくプログラミングを勉強するなら、文法を覚えるだけで終わらせずに、それを使って何かを作ってみてください。
簡単な電卓アプリでも何でもいいので、自分が作りたいものを実際に作ってみることが大切です。その過程で、どうやったら動くかを考えるロジックや、自分で試行錯誤する力が身につくと思います。
ーーfrogsに応募にくる学生には、プログラミングを少し触れたことがある人もいますが、大半は文系で、アプリを作りたい気持ちはあっても、どう進めればいいかわからないという学生が多いです。そんな学生たちに対して、何かアドバイスがあれば教えてください。
そうですね、まず一番大事なのは、わからないことがあれば、人に頼ることだと思います。
僕も大学時代に似たような経験をしました。高校でプログラミングを少し触っていましたが、大学に入ってから、実際に他の人が使ってくれるようなものを作ろうとした時に、「これどうすればいいんだろう?」と迷うことがたくさんありました。
その時の大きな転機になったのは、大学の先輩との出会いでした。
先輩たちはプログラミングやものづくりが好きな方が多く、いろいろ質問しました。例えば、「こういう場合はどうすればいいんですか?」とか、「詳しい人と繋がりたい時はどこに行けばいいですか?」といった質問です。
その先輩たちが外部の勉強会やコミュニティに連れて行ってくれて、そこで新しい人たちと繋がることができました。
そういうつながりを通じて、困ったときに誰かに質問できる環境を作ることが大事だと思います。また、アイデアや考えを自分の中だけに留めておくのではなくて、「今こういうことをしていて、こういうものを作りたい」と周りに話してみることも重要です。
そうすると、「これってこうしたらもっと良くなるんじゃない?」という意見をもらえることも多いです。
自分一人で解決しようとせず、周りを巻き込んで一緒に進めていくことが大切だと思うので、周りに頼りながら進んでほしいです。
ーー知念さん、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!
琉球frogs16期による最終成果報告会を実施します!
当日は5組のチームが社会課題を解決するビジネスプランを発表予定です。
学生たちの本気の挑戦をぜひみにきてください🔥
参加申込は上記バナーより!
【琉球frogs LEAP DAY(最終成果報告会)】
場所:沖縄県立図書館(オンライン配信もあります)
日時:11月29日(金)13:00〜17:30
参加費:無料