(18.7.24更新)
こんにちは、たなかあきらです。
エクスカリバーって何?
エクスカリバーはアーサー王の伝説に登場する魔法の剣で、エクスカリバーの起源や伝説には様々なものがあります。
今回はそのエクスカリバーについての多くの情報をまとめましたので、エクスカリバーの話に触れ、エクスカリバーにより親しんでいただければ有難いです。
アーサー王に関する記事
エクスカリバーの起源と意味
エクスカリバーという名前は初めからエクスカリバーと呼ばれていたわけではなく、伝説の剣の名前が変化してエクスカリバーになりました。
もともとのエクスカリバーの名前は、カリブルヌスと呼ばれていました。
12世紀にジェフェリー・オブ・モンマスによって書かれた「ブリタニア列王史」はアーサー王物語の原形になっています。その中で、アーサー王の剣はカリブルヌス(Caliburnus)と書かれています。
実はアーサー王の剣に関する伝説は2つに分かれています。
・1つは岩に刺さった剣。
アーサー少年は剣を引き抜くことができてブリタニアの王になりました。
・1つはアーサーが王になってから、湖の乙女(Lady of the Lake)から受け取った剣。
魔法の力が宿っており、その力によって敵を倒すことができました。
この2つの剣が同じ剣でカリブルヌスであるという説と、別々の剣という説もあります。アーサー王らしき人物が初めて登場するブリタニア列王史には岩に刺さった剣については書かれていませんので、本当のところはよく分かっていません。
岩に刺さった剣も魔法の力が宿る剣も、アーサー王物語以外にも伝説があり、ひょっとするとその伝説をアーサー王物語が取り入れたのかもしれません。その点は後でご紹介いたします。
カリブルヌスという名前はその後、ラテン後の部分であるusが抜け落ちて、さらにフランス語や英語的なexが前に引っ付いたりして(意味は不明)、最終的にエクスカリバー(Excalibur)となりました。
Excalibur – Wikipedia, the free encyclopedia
岩に刺さった剣を抜くシーン:エクスカリバーの伝説
岩に刺さった剣を抜くシーンにはこんな背景があります。
ウーサー・ペンドラゴンが亡くなり、後継の息子もおらずブリタニア王の座は不在となりました。次の王を決めないと国が安泰にならない、カンタベリー大司教は神に祈りました。
外に出てみると岩に刺さった剣があり、「この剣を抜いたものが王となる」と書かれていました。
大司教は神のお告げがあったと国中から騎士を集めて、剣を抜ける人物を探しました。
どんな猛者でも剣を抜くことができませんでしたが、アーサー少年だけが抜くことができました。(実はアーサーはウーサー王の息子で、里子に出されていたのでした)
こうして、アーサーはブリタニアの王となったのでした。
アーサー王の概要:分かりやすいイギリスの英雄アーサー王の概要
※アーサー王物語が確立されたトマス・マロリーの著書
活躍するエクスカリバーの伝説
9世紀にネンニウスによって書かれた「ブリトン人の歴史」では、ここではアーサーは単なる戦闘隊長として登場し、アングロサクソン兵との12にも及ぶ戦いに勝利し、最後のベイドン山の戦いでは一人で960人のサクソン敵兵を倒したと記述があります。この時にエクスカリバーが活躍した可能性があります。
また「ブリタニア列王史」においても、アングロサクソン兵との戦いで勝利した際に、エクスカリバー(カリブルヌス)を用いていた記述があります。
<アーサー王はアヴァロンの島で鋳造された比類のない名刀であるカリブルヌスを帯刀して・・・・一瞬たりとも攻撃の手を緩めずにカリブルヌスで470名をも殺害した>
アーサー王伝説 アーサー王は実在したのか?歴史書にみるアーサー王と先祖
返却されるエクスカリバーの伝説
カムランの戦いで、アーサー王は反乱を起こしたモルドレッドと激しく争い、最後に槍で倒したもののアーサー王は深手を負ってしまいました。円卓の騎士であるベディヴィア卿(グリフレッド卿の説もあります)にエクスカリバーを魔法の湖に投げ入れるよう命じて、湖の乙女に返却しました。
ウェールズのスノードン山にはエクスカリバーが投げ入れたという伝説がある湖があります。
エクスカリバーに関する色々な伝説
上記にお話ししただけでなく、エクスカリバーの伝説はウェールズをはじめ、スコットランド更にはヨーロッパにまで、各地で見られています。それら伝説についてお話いたします。
エクスカリバーはウェールズの伝説の剣である説
ウェールズの伝説の中では、アーサー王の剣はカレドヴェルッフ(Caledfwlch)として知られています。ウェールズで有名な物語である「マビノギオン」の中の一話、「キルッフとオルウェン」の中でカレドヴェルッフは登場しています。
ここではアイルランドの王ディウルナッハを倒すために、アーサー王の部下であるリエンリアウィグがカレドヴェルッフを使っています。
これは caled (硬い)+ bwlch (切っ先、溝)の意味と言われています。
同じくマビノギオンで描かれている「ロナブイの夢」の中でも、カレトヴルッフとは書かれてはいませんが、アーサー王の剣の凄まじい様子が描写されています。
見よ、彼は立ち上がった。手にはアルスルの剣を持っていた。剣身には黄金で打ち出された二匹の蛇の姿があって、鞘ばしると、蛇の首から二筋の炎が立ち上るのが見え、それがあまりにも恐ろしいありさまだったので、だれ一人として目を向けて見る者もないほどだった。
※マギノビオンではアーサー王はアルスルとして描かれています。またエクスカリバーをウェールズ語に訳す際にはカレドヴェルッフが用いられています。
エクスカリバーはスコットランド発祥説
アーサー王はスコットランド付近の一戦士だったのでは?という説もあります。その説を用いて映画化されたのが「キング・アーサー」です。この映画の中でもアーサーの剣はエクスカリバーと言われています。
スコットランドにもエクスカリバーに関連するのではという伝説があります。whetstoneと呼ばれる石とDyrnwyn(別名 white tilt 白い剣)と呼ばれる剣の伝説です。
whetstoneを用いて剣を研ぐと切れ味がよくなり敵に打ち勝つことができ、Dyrnwynを持つと剣全体は炎につつまれ輝き敵に勝つことができる、という伝説です。
このDyrnwynがエクスカリバーではないか?と考える説があるのです。
エクスカリバーはイタリア発祥説
エクスカリバーに関する伝説はイタリアにもあります。イタリアのトスカーナ州の聖人であるサン・ガルガノが、快楽を放棄することは簡単だ!と証明するため岩に剣を突き刺したという伝説があります。
この剣が刺さった状態の岩は、今でもサン・ガルガノ寺院の近くに現存しています。
エクスカリバーの作り方
エクスカリバーはどうやって作られたのでしょうか?
活躍するエクスカリバーのところでも書いたように、ブリタニア列王史の一文にエクスカリバー(カリブルヌス)は鋳造で作られたと記されています。
当時の技術から考えても鋳造で刀が製造されていた可能性は非常に高いといわれています。また、岩に刀が刺さっていた、という描写はまさに鋳造で刀を作っていた証拠ではないか?とも考えられます。
その再現されたエクスカリバーの製造の手順を簡単に書きます。
・るつぼの中で金属を高温で溶かします。
・剣をかたどった型を準備します。アーサー王の伝説によるとこの型が岩でできていることになります。
・溶けた金属を型に流し込みます。
・溶けた金属を型の中で固まらせ(凝固)、冷えるまで待ちます。
・剣が黒みを帯びて冷えて来たら、ゆっくりと抜き出します。
・取り出して、剣のふちのバリを取り除き磨いたら出来上がりです。
※こちらの記事には動画もありますので見てください
エクスカリバーに関する面白い映画・記事
有名なテーマパークにある岩に刺さった剣です。実際にいってみてはいかが?
映画ミニオンズでも岩に刺さった剣を抜くシーンがありますよ
アーサー王の映画、エクスカリバー。
こちらのキング・アーサーでも剣を抜くシーンがあります。
最後に纏め
エクスカリバーは6世紀ごろに活躍したアーサー王の剣で、およそ1500年ほども前の時代の伝説となります。そんな遠い昔の伝説にもかかわらず、話題にも上り研究調査がすすめられていますし、ゲームにも登場したりして、いまだに語り継がれています。
エクスカリバーの魅力なのでしょうか?
ひょっとするとエクスカリバーの魔力的な力は、マーリンが魔法をかけたのかもしれません。その魔力が人の心にも作用し、興味を惹きつけているのかもしれません。
この記事を読んでエクスカリバーへの興味の魔力に浸ってくだされば有難いと思います。
最後まで読んでくださり有難うございました。
コメント
ひょっとするとエクスカリバーの魔力的な力は、マーリンのせいなのかもしれない。
僕もマーリンがエクスカリバーに書けた魔法にやられてしまったかもしれません。
エクスカリバーは、本当に伝説の剣ですね。エクスカリバーの型は、岩出石庭たなんて知らなかったです。
id:nezuzyouziさん、コメントありがとうございます!
僕もマーリンの魔法で、エクスカリバーに魅せられているのかもしれません(笑)
エクスカリバーの作り方は、一つの説で真相はよくわかりません。でも、こうやって想像して再現するととても楽しいですね!
[…] http://www.rekishiwales.comwww.rekishiwales.com […]
[…] エクスカリバーの起源、発祥、伝説、意味に迫る! | イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ より: 2020年8月22日 1:25 PM […]