【進化するオフィス】構想から11ヶ月の短納期で全面リニューアルを完成したPFUのオフィス! | RBB TODAY
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【進化するオフィス】構想から11ヶ月の短納期で全面リニューアルを完成したPFUのオフィス!

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【進化するオフィス】構想から11ヶ月の短納期で全面リニューアルを完成したPFUのオフィス!
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 在宅ワークやフリーアドレスの導入など、ハイブリッドワークに向けて進化を遂げているオフィスを紹介する本連載。

 今回はイメージスキャナーやエンベデッドコンピュータなどのハードウェアや、セキュリティ・文書管理などのソフトウェア、ICTに関する製品やサービスを提供する「PFU」の横浜本社オフィスを紹介する。

“いつ・どこで・誰が・どんなシーンで”働いてもいいオフィスづくりへ


 PFUでは、2014年に川崎市の東京本社と町田市の開発センターを統合する形で、現在の横浜市・みなとみらいにオフィスを移転。当時は3フロアにコーポレート部門、SCM部門、各事業部営業・販推などの約1500名の従業員が出勤していたが、2023年6月にオフィスリニューアルを行い、従業員数はそのままに2フロアへとオフィスを縮小した。

 リニューアルの背景は、コロナ禍によりハイブリッド勤務が急速に進み、事業所の役割りが変化したこと。オフィスへの出社人数が減たっため「ガラガラのオフィスを縮小しよう」というところから話はスタート。まずは目的に応じて働く場所を選べ、部門を超えたコミュニケーションが図れるフリーアドレスにしてレイアウトを全面的に変えることを決断。コクヨにデザインを外注し、「納期が間に合わないかもしれない」という声が上がりながらも、“構想から施工まで11ヶ月”という短期間でオフィスリニューアルを完成させた。

コロナ前の2019年までは、ほぼ100%だった出社率が現在では35%に。約11ヶ月という短期間で構想からリニューアルを行い、1フロア返却による固定費の削減も実現した。


 具体的には、テレブースを17ヶ所、ソロワーク席を93席、ファミレス席を16ヶ所、チームコミュニケーションエリアを68ヶ所の約790席を設置。横長のフロアの中央部分に、ランチタイムや飲食時のためのユーティリティがそろった憩いのスペースを作り、その左右にチームでの作業がしやすいコミュニケーションエリアやテレブースを設置。窓際には居心地のいいファミレス席や個別ブースを配備し、竣工図の向かって右サイドには社員のストレス軽減を意識した植栽が豊富にある作業エリアを設けた。

新オフィスの竣工図。リニューアルの希望日まで時間がなかったこともあり、2014年のオフィス移転時に依頼し、同社のデザインを熟知しているコクヨに再度外注した。


リニューアルに向けて、まずは「紙文書のスリム化」を実施


 オフィスのリニューアルに向けて、同社が第一に行ったことは紙文書のペーパーレス活動だ。従業員に働きかけ、不要文書の廃棄や電子化・外部保存の仕分け、外部への運搬などを進め、社内で一人当たりが保有する紙書類を大幅に削減し、全体で92%の紙文書をスリム化した。現在では、従業員1人あたり10cm幅のケースが1つ配られ、私物や書類を含めて、そのケースに入る分のみキャビネットコーナーに置いて帰ることができるという。

従業員の書類や私物を保管する「キャビネットコーナー」。


1人あたり10cm幅のケースが1つ配られ、私物や書類を含め、このケースに入る分のみキャビネットに置いて帰宅できる。


人に接する機会が自然と増える“ジグザグの動線”に



 次にオフィスリニューアルに向けて同社が行ったことは、従業員との対話だ。多様な「働き方」「オフィス」に対する考え方や価値観をもつ従業員への“意識の変化”を促すために、リニューアルを進める総務部と各部門の代表社員51名が定例会を開き、意見交換うこと計10回。各部門の従業員の意見を吸い上げ、要望に応えることが難しいケースは折衷案を見つけながらリニューアルを進めていったという。新オフィスはテーブルを縦横に交差して配置する「クロス型レイアウト」を採用。メイン動線を一直線ではなくジグザグの通路にすることで、動線が固定化することを防ぎ、従業員同士のコミュニケーションが図れる工夫がされている。

新オフィスは壁のないオープンな空間。メイン導線を一直線にしないジグザグなデスク配置にする工夫も。


 また「グループや少人数で集まって作業がしたい」という社員のニーズに応じて、グループワークやディスカッションができるよう4~6人の少人数で集まれる「チームコミュニケーションエリア」を多く作ったという。チームコミュニケーションエリアの一つ「コラボレーションスペース」は周囲をぐるっとカーテンで仕切れるようになっており、可動式のデスクを90度回転させてデスク同士をつなげれば1つの大きなスペースを作ることができる。このエリアのように社内全体にタイヤがついている移動可能なデスクが多くあり、少人数の会議から突発的なプロジェクトを立ち上げる際の大人数での集まりまで、多彩なグループワークに対応できる工夫がみられた。

移動可能なデスクをカーテンでぐるっと仕切ることができる「コラボレーションスペース」。小人数の集まりから大人数の集まりまで多彩なニーズに対応できるため、さまざまなシーンで重宝されている。


 オープンな空間では社員同士のコミュニケーションを図るねらいがあるが、一方で「コミュニケーションと個人の集中の両立」のために「テレブース」や「ソロワーク席」も複数導入したという。「テレブース」は話し声が漏れにくい遮音性が高いドアが設置されているため、大事なオンライン会議や上司との1on1の対話など、センシティブな会話をしたいときに重宝されている。「ソロワーク席」はサイドが仕切られていて防音性が高いため、集中モードで作業を進めたいときに便利だ。

社内の至る所に「集中スペース」も充実。防音環境が整っている「テレブース」は、大事な会議や上司との1on1の対話のときなどに活用される。


集中モードで籠りたいときに役立つ「ソロワーク席」。


 “快適に作業ができる席=ワークポイント”にもこだわり、出社人数400人に対して総座席数は790席とゆとりをもった作りに。1席空けて座ったり、対面ではなく斜めに向かい合って座れるよう座席数にゆとりをもつことで、ワーカーが一定時間、快適に作業ができるように配慮した。モニターは全ての座席に置くと圧迫感があるため全席には置かず、貸出し制に決めたという。

奥行きのある開放的な空間。ゆとりのある座席数でワークポイントを意識したことも、こだわりの一つだ。


モニターとドキュメントスキャナ「ScanSnap」の貸し出しコーナーは、社内の中央部に棚が設置されている。


 ファミレスにあるようなテーブルと椅子が置かれた通称「ファミレススペース」は窓際に設置され、眺めがよい人気のスペース。空いているときは個人使いをしたり、同じ部署の従業員が2人でクロスで座って仕事をすることも。

窓際で日差しが入り、景色も眺められる“ファミレススペース”。


カウンターやテーブル席など高低差のある多彩な席を用意


 ストレスや視覚疲労の軽減に配慮した植栽が豊富にあるエリアでは、カウンター席やゆったりと座れるソファー席、背が高いテーブルの席など、さまざまな高低差やスタイルの席が設置されており、作業内容や気分に応じて、より自由なスタイルで仕事ができる。

ストレスや視覚疲労の緩和を期待した植栽を採用。ここはオフィス内で最も緑が多いエリアだ。


このエリアでは、カウンター席やソファ席、高めのテーブル席など多種類のスタイルの席が設置され、個人がより自由なスタイルで仕事ができる。


多くの社員がランチタイムや飲食に利用する憩いのスペース。電子レンジやドリンクサーバー等も完備されている。


使い心地がよさそうなふかふかのクッションが置かれている席も。


机のサイドには軽量で移動可能なコンセントが置かれている。


ソファ席では下部に電源が付いていて便利だ。


モニターアーム付きで画面の位置が自在に可動できるモニターが設置されたデスク席。アーム付きのモニターは同コーナーでも珍しいと感じた。


オフィスの出入り口付近に設置されているワンタイムロッカー。連日出社する際に利用できる。


 さらに来客用の会議室の壁紙には、金沢で染物などに使用されてきた歴史ある「加賀五彩」が壁紙に採用されており、石川県に本社がある同社らしさが表現されたエリアとなっている。

来客用の会議室の壁紙に石川県・金沢の伝統的な色「加賀五彩」が使用されているは同社ならでは。落ち着いた深い色味が特徴的な洗練された空間になっている。


 オフィスのリニューアルを推進した担当者によると、リニューアルの際に苦労したポイントは、短期間で社員が働いている中での“いながら工事”を実施したことや、個人用ワゴンやロッカーなどの個人の専用領域を完全に“ゼロ”にするために社員を説得した点などがあったという。また同社では固定電話を廃止し、社内コミュニケーションをTeamsや社用スマホへシフトしたり、出社の予定に合せて荷物の受取りができるシステムを構築するなど、働く場所を自由に選択できるハイブリッドワークへの環境づくりも同時に徹底したそうだ。各部署の従業員の声を吸い上げ、適切な着地点を見つけることで、社員同士が共創しながら最大のパフォーマンスが発揮できる新しいオフィスづくりが実現できたのだろう。
《小宮山あきの》
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