自席とリフレッシュスペースを選べる
GA technologiesは不動産投資をメインにした事業からスタートし、現在では領域を大きく拡大。BtoBに向けた賃貸仲介、不動産リーシング業務のワンストップサービスの提供も行っている。さらに創業10周年になる2023年からは不動産の売買、仲介で培った実績をもとにM&A仲介のDXを推進するサービスにも進出中の企業だ。
本社は2019年に移転し、現在は六本木一丁目駅直通にある六本木グランドタワー40階(一部42階)に位置し、約700名程の社員が出社している。コロナ渦ではフルリモートであったが、セールス、デザイナー、エンジニアなど「職種の違う社員とも顔を合わせてコミュニケーションを図る」ことを目的に、リモートと出社を組み合わせた働き方を導入している(リモートは週3日まで、月半分は出社することが規定)。
GA technologiesでは、部内フリーアドレスを導入している部署も一部あるが、いわゆる一般的な固定デスクがフロアの大半を占めている。職種によっても異なるが、社員は基本自席で業務を遂行しているようだ。ただ、同社が他社と異なるのは、固定席が連なる執務エリアと、リフレッシュスペースの雰囲気を大きく変え、社員が気分に合わせて仕事をする場所を選べるようにしている点だ。自席で集中して働くもよし、時に自由に好きな場所で業務や打ち合わせをすることができる仕組みなのだ。働き方は、社員が自らの意思で選べる環境である。
ビル共有部分が中央にあるビルの特性上、ワンフロアぐるっと1周することができる。外壁は大きな窓ガラスが基本となっているため、自席、リフレッシュスペース、エントランスからでも360度、東京の違った表情を見ることができる。40階という高さがその特別感を増し、リモートワークでは決して味わえない出社ならではの醍醐味になっている。
眺望を活かしたリフレッシュスペースで自由な働きを
リビングに近いデザインのリフレッシュスペースは、社員が自由に使用でき、気分転換がしやすいような仕組みが随所にみられる。リクライニングチェアやビーズクッションが設けられるなど、リフレッシュの要素を多く詰め込んだ、かなり開放的な社員だけが使えるプライベートエリアだ。デザインの異なるデスクや椅子が並べられ、気分転換をしてそのまま好きな椅子で好きなスタイルで仕事をする者もいれば、オンオフの切り替えができたら自席に戻って業務をする者もいる。因みに電子レンジ、冷蔵庫、コーヒーメーカーも設置されており、昼食時は多くの社員が集まる場ともなっている。
このスペースは、「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を生む世界のトップ企業を創る。」という会社のビジョンを込めて設計され、自由空間での偶発的な発想や、部署や職種が違う社員同士でもコミュニケーションがとれるようにと意図されている。
また、あえて窓向きに椅子が設置されており、靴を脱いでリラックスできるスペースがあるなど、天井まであるガラス張りの窓を活かして、40階から見渡せる東京の眺望をより楽しめる工夫があった。この眺望にはモチベーションが上がる社員もきっと多いことだろう。
社員が出社したくなる工夫
さらに出社ならではの楽しみのひとつに、今年の夏から週に3回バリスタが淹れたてコーヒーを提供する「GAコーヒースタンド」がエントランスに登場した。毎日豆が変わり、出社したからこそ味わえる楽しみだという。
リモートでの商談やミーティングに対応するために設けられている個室ブース(通称「電話ボックス」)を10室以上完備しており、周囲の目を気にせずに業務に没頭することができ、電話もできる。
オンライン面談用の個室は40弱設置。社員の要望に合わせて数を増やしているという。防音性を重視したものになっており、昨今の働き方には必要不可欠な施設になっている。
エントランスからは東京タワーが見え、ライフスタイルホテルのラウンジのようなデザイン性の高いスペースとなっている。ソファー、カウンター、堀座卓まであり、社員だけでなく来客者も喜ぶスペースであろう。
社員のコミュニケーション文化を大切に
外部向け会議室には、会社のクレドといえる7つの価値観「GA GROUP SPIRIT」に関するワードが会議室の名として名づけられ、社内向け会議室には同社の社長の愛読書である漫画「キングダム」にちなんだ名前を付ける遊び心もあった。
また、エントランスには社名のロゴ入りTシャツ、スマホケースなど、社内限定グッズが飾られている。社員同士の感謝をポイント制にし、ポイントがたまったらグッズと交換できるとのことである。
GA technologiesのオフィスでは、社員があえて出社したくなる仕組みが多くある。40階から味わえる眺望でのリフレッシュ、業務や気分に合わせて各々がオフィスを自由に使うことで、リモートワークでは味わえない出社ならではの発想・社内文化の発展を期待できるのだろう。