マカフィーは17日、高度なランサムウェア(身代金請求型ウイルス)を作成できる無償キット「Tox」に関する情報を公開した。 「Tox」は、初心者レベルのサイバー犯罪者でもランサムウェアを作成できるキットだ。一般的なセキュリティ対策を回避できる機能を標準で備えており、通信には匿名ネット「tor」、身代金受け取りに「Bitcoin」を利用するなど、匿名性も確保している。 マカフィーは犯罪者サイトを調査し、5月19日に「Tox」を発見。「Tox」は無償で配布されており、サイトで登録するだけで入手できるという。この製品のサイトに登録すると、ランサム(身代金)の額の入力、「cause(理由)」の入力、CAPTCHA(認識した文字列)の送信だけで、.scrファイルを装った約2MBの実行ファイルが作成されるという。なお、このサイトはランサムの20%を徴収する。 なお、このマルウェアは使いやすく機能も優れているが、コードの複雑さや効率性には欠けているとのこと。すでにセキュリティ対策各社も情報を把握しており、対応を行っている模様だ。ただし、暗号化および回避技法がより高度な亜種が開発される可能性もあると、マカフィーでは予想している。