東京工芸大学は26日、「VOCALOID(ボーカロイド)に関する調査」の結果を公表した(調査協力会社:ネットエイジア)。調査期間は1月28日~30日で、音楽を聴くことが好きな12歳~39歳1,000名から有効回答を得た。 「VOCALOID(ボーカロイド、ボカロ)」は、ヤマハが開発した歌声合成技術、および、その技術を応用したソフトウェアの総称。歌唱キャラクターとして「初音ミク」「巡音ルカ」などが有名だ。今回の調査で、まず好きな音楽のジャンルについて聞いたところ、「ポップス・J-POP」がもっとも高く(83.0%)、次いで「アニメソング」(38.3%)、「ロック」(37.2%)、「ヒップホップ・ラップ」(26.4%)が続いた。「ボーカロイド曲」(17.4%)は上位8位に挙がり、ボーカロイド曲を好む割合は若年層、特に女性で高く、10代女性では4割(40.0%)が好きな音楽のジャンルとして挙げた。 続いて、最近1年間に音楽を購入するきっかけとなったものを聞いたところ、「好きなアーティストの新譜が出て」が48.5%でもっとも高く、次いで「ラジオやTVで気に入って」33.6%、「動画共有サイトで試聴して」25.4%となっており、「ラジオ・TV」と「動画共有サイト」は、すでに音楽購入のきっかけとして並んでいるのが現状だ。別の質問結果でも、動画共有サイトで動画を見ることが『好き』(非常に好き、やや好きの合計)は全体の90.3%に達しており、“音楽を聴くことが好きな層”において、動画共有サイトの影響力は非常に高い。 ボーカロイド曲や音楽制作に関連する言葉の認知の程度を聞いたところ、「ボーカロイド曲(ボカロ曲)」を「どのようなものか知っている」としたのは41.1%。「名前は知っている」26.5%となり、それらを合計した「認知率」は67.6%だった。「DTM(デスクトップミュージック)」は26.7%に留まっており、ボカロの認知率はそれより遥かに高い。 さらに、ボーカロイド曲という言葉を認知している676名に、ボーカロイド曲に関する経験と意向について聞いたところ、「ボーカロイド曲を聴いたこと」の項目では「経験がある」が63.8%、「経験はないが、今後してみたい」が9.3%。ボーカロイド曲を聴いた経験のある割合は10代(69.0%)や20代前半(71.9%)で高くなり、30代前半・後半は「経験はないが、今後してみたい」の割合(30代前半12.1%、30代後半15.5%)が他の年代よりも高かった。「ボーカロイド曲をカラオケで歌ったこと」の項目では「経験がある」が23.5%、「経験はないが、今後してみたい」が14.6%、「ボーカロイド曲を使ったゲームで遊んだこと」では「経験がある」が24.4%、「経験はないが、今後してみたい」が18.2%となっている。 また、ボーカロイド曲を聴いた経験のある432名に対し、「ボーカロイド曲のどんなところを魅力に感じるか」を聞いたところ、上位回答には「いろいろなジャンルの曲がある」(43.2%)や「(動画共有サイトなどで)無料で曲を聴ける」(41.8%)、「生身の人間では歌えないような曲の表現」(40.1%)、「ボーカロイドのキャラクター」(39.2%)といった回答が挙がった。 ボーカロイドの代表格である《初音ミク》の認知の程度を聞いたところ、「どのようなものか知っている」は56.4%、「名前は知っている」は38.6%と、それらを合計した認知率は95.0%。年代別で見ても、10代から30代すべてで9割超となっている。次世代となるVOCALOID3シリーズのなかで、昨今注目を集めつつある《Megpoid(メグッポイド)》、《IA(イア)》、《蒼姫ラピス(アオキラピス)》の認知の程度を合わせて聞いたところ、声質の違いなどで複数のバージョンが発売されている《Megpoid》の認知率が23.7%、VOCALOID3で初登場し、透明感のある声質が話題となった《IA》の認知率が17.5%、スマートフォン(iOS)アプリも登場した《蒼姫ラピス》の認知率は12.3%となっている。